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陸上競技と福祉視察のハイブリッド合宿inドイツ・デュッセルドルフ🇩🇪 1杯目🍺

めっちゃごきげんよう。

陸上・十種競技選手のダンノマンこと檀野俊です。
つい先日脳腫瘍の後遺症を完全に乗り越えてリハビリを完結させました。
「脳腫瘍になってよかった。」そう言える人生が始まって1ヶ月が経ちます。その試合の話はまた後日にでもしましょう。前のめりで。

可能性信じてやってきてよかった


それはさておき、7/8-7/20までドイツのデュッセルドルフに行きます。
19歳の時に1ヶ月半オーストラリアにプチ留学した以来、13年ぶりの海外。
今回の目的は大きく二つ。

一つは、ボクが32歳になっても現役選手として愛してやまない陸上・十種競技。その本場である、ヨーロッパで陸上をしてみたいという夢を叶えるため。
近年ドイツの十種競技選手がとてつもなく強い。ヨーロッパ選手権や世界陸上で優勝したニコラスカウル選手や、世界歴代8位の記録を2023年に樹立した最強大学生のノイゲバウアー選手を産んだドイツの陸上競技を体験してみたい気持ちがダンノマンの大胸筋から溢れ出ていました。それはもうひしひしと。

もう一つは、海外の療育事情を知りたかったから。

「療育」とは普段生活していてあんまり聞きなれない言葉だと思います。
障害を持つ子どもが社会的に自立して生活できるよう、それぞれの状態に応じた支援をおこなって発達を促すことです。

ボク自身が大阪で
放課後等デイサービス・児童発達支援施設「あ〜すり〜と」
を運営しており、日本で言う所の特別支援教育が海外でどのような形で行われているのかを知りたかったことから、今回の合宿+視察を決定しました。

上記の二つの理由に加え、母校大阪教育大学陸上競技部の後輩である福元くんがドイツ在住で、海外への不安を少し払拭してくれること、ドイツでの生活を120%楽しむためママによるママのためのお役立ちHP「りんごの木」を運営していた吉澤寿子さんとコンタクトを取ることでき、今回の合宿視察にご賛同いただき、現地でのインタビューや生活をサポートいただけることができたことで、ドイツへの合宿視察が「夢」から「予定」に変わりました。
正直なところ、福元くんと寿子さんがいなければ、ただの陸上合宿とドイツ観光に成り果てていたと思います。

今回の合宿視察は、公益財団法人レオ財団様から活動支援を賜り、実現することができました。本当にありがとうございます。

同じ大阪で同業種の放課後等デイサービス「運動療育はいたっち」を営みながらダンノマンの陸上コーチもしてくれている森本公人(もりもときみと)くんも、彼の視点から陸上とドイツの教育に触れることで、ボク1人で行くよりボクらのサービス・少し遠いけれど日本の福祉業界学んだものを役立てることができると思い、帯同してもらうことになりました。
今回長期の滞在になりましたが、本当にありがたい。大人が長期滞在の予定あけてくれるってすんごいんだからねぇ。

2人とも久々の海外に、1500mを走る直前くらいビビりながらも、渡独当日を迎えました。

7/8土曜日
朝5時に起きて妻の千奈に見送られながら、関西国際空港へ。
大阪選手権で8年ぶりの自己ベストの瞬間を最高の形で切り取ってくれたカメラマンのヒダカくんが見送りに来てくれる。なんて優しいんや。


まだこの時は笑顔の野郎ども

無事搭乗手続きを終え、日本→クアラルンプール行き(8:55)に搭乗するも、機体の不具合で点検が入る。
1時間ほど機内で待つが、一向に回復せず、一度飛行機から降りてターミナルで待つことに。
日本の大地を踏むのは2週間後、と覚悟を決めたのも束の間、1時間後にまた日本に戻るなんて思ってもみなかった。
10時に降りて、13時に一度アナウンスで「依然点検中で、機内食をターミナルで配るんで食べて待っててください。」とのことで、10年ぶりの機内食が機外食に。オムライスを配られる。キミトが卵を食べられないので、2オムライスを平らげたのち、さらに2時間待ち、15時過ぎにその日はもう欠航するとの判断を告げられる。

9秒台の走り書き


膝から崩れ落ちる。

その日は関空近くのホテルを航空会社が取ってくれたのでそちらに泊まることに。


顔がもはや笑えていない

この時点で18時。
見たことないくらいいい部屋に案内されたが、9時間くらいずっと座って待っていたので、異様な疲労に襲われ、バタンキュー。明日は7時に空港行きのバス。なんとか起きれることを祈る。

素晴らしすぎる部屋を一瞥もせずに眠りこける

7/9 日曜日
欠航便の乗客が一気に押し寄せるため、搭乗手続きでまた2時間立つ。鍛えててよかった。俺じゃなきゃ崩れ落ちちゃうね。膝から。

10時に無事クアラルンプール行きの便が飛んでくれたので、やっと空の旅が始まる。

安堵すぎた


日本→クアラルンプールが7時間くらい。そこで10時間滞在。
滞在時間が長かったことと、クアラルンプールにたまたま知り合いがいたので、必死に電車を乗り継いでクアラルンプール都心部へ行きご飯をいただく。
マレーシアは教科書では発展途上国と習っていたけれど、あまりにも発展しすぎていて心の底からびっくりした。
聞いた話や文字情報だけではなかなかこの衝撃は食らわない。体験に勝るものは無いと痛感しやした。ほんまにおったまげた。

ツインタワーとSTARレジデンスとゴリラ

クアラルンプール→ドーハへ3時間かけて移動。

ドーハ外気温40度、空港内20度


この辺りから身体が悲鳴を上げだして随時ケア


3時間ドーハで滞在し、デュッセルドルフへ7時間かけて移動。
機内が総じて極寒で常に震えながら過ごすことに。そしてエコノミー症候群になる人がいるのも納得しながら、人生で一番の足のむくみと腰と背中の疲労に襲われながらぎりぎり到着。飛行機移動、想像以上に大変でした。これを書きながら、帰りも同じ疲労を食らうことが確定しているので、想像して青ざめている。


7/10月曜日
飛行機の移動でまる1日を使いながら、15時ごろに空港につき、なんとかかんとか電車を乗り継ぎ、ホテルにチェックイン。

ドイツには改札が無い


電車の乗り継ぎの最中に、「へい!両替所はどこか知ってるか?なに!?日本人!?今度日本に行く予定があるから、参考のためにお札を見せてくれよ!」と言う男にお札を自分の財布から出してみせ、なぜか奪い取られカウントされている時にお札を折り曲げられて今にも盗むぞ!と言う手つきだったので、「何やってんねん!」と言ってお札を取り返す騒動があった。

お札が破れないギリギリの強い力でオッサンがボクのお札を奪われまいと抵抗するも、ベンチプレス130kg,パワークリーン115kgのボクの方がお札をピンチする力が強く、ギリギリ奪い返すことができた。

後から調べると詐欺のウルトラ常套手段(お札見せて詐欺)で海外旅行気を付ける虎の巻入門編くらいのことだったので、準備と危機管理の不足が露呈した瞬間だった。

この時点でHP残り2くらい


無事に資産を減らすことなくホテルにチェックインし、すぐにデュッセルドルフアリーナスポーツセンターと言う競技場へ向かう。

チップタータン、開放的ないい競技場


そこで初めて吉澤寿子さんにお会いし、つないでいただいた陸上クラブASCの練習に参加させてもらうことに。

HansコーチとASCのクラブ生たちに快く迎えてもらい(多分)、練習開始。
Shunが発音的に伝わらず、ずっと「チューン」と言われている。
雀の涙ほどの語学力というオマージュなのかもしれないとしっかり受け止めて先に進む。

ウォームアップは各自で行い、メインドリルとメインメニューを行う流れのよう。
48時間くらいベッドで寝ていないせいか、身体の反応が悪すぎて、接地のたびに血流がじゅわっと巡るような状態で「今日はジョグとストレッチだけでいいかな〜」と思っていたが、Hansコーチがめちゃくちゃ熱心にかつフレンドリーに接して、動きを見てくれるので、最後までメニューを完遂することに。

僕の拙い英語にも答えてくれるHans


30m/50m/100mのダッシュがメインメニューで、「出力は?」とHansコーチに聞くと、「110%」と返ってきて、ジャーマンジョークかと耳を疑ったが、Hansは「行けよな!」とアイコンタクトでしっかり伝えてくれた。

通常ASCの練習は月水金曜の18-20時から、日曜日は11-13時というサイクルだが、Hansコーチが「チューン、ASCはスプリントメインのチームだから各種目の練習を別の時間に付き合うよ!16-18時は個別に練習を見るから、18-20時はスプリントをしよう」とめちゃくちゃ手厚い提案をしてくださった。
嬉しすぎるご提案をありがたく頂戴し、現状出せる110%で走り切り、帰りはリビングデッドのようになりながらなんとか帰ることできた。

20時半なのにこの明るさ。アイスで少しだけ回復。

ひさこさんも前日トライアスロンの試合に出場したのにも関わらず、疲労困憊の中一緒にASC の練習に付き合ってくれて、Hansや周りのチームメイトとのコミュニケーションをドイツ語で助けていただいた。聖母。

そして明日ひさこさんファミリーとランチをしながらドイツのことを教えてもらう約束をし、その日は大学の後輩福元くんと夜ご飯を食べることに。


ジャーマンスマイルを身につけた福元

彼は大学卒業後、ドイツに渡り、日本人学校で教師として勤務。2年の任期を終え、日系企業で働きながらドイツ在住を続けているバイタリティあふれる男。
思い出話をしながら、ドイツの教育システムについて聞くと、日本とは教育システムそのものが大きく違うので比較が難しく感じた。

言語もシステムも難しい


ドイツは小学4年生まで何度でも学年を繰り返せる。(1年の学習内容が習得できていない状態であれば、もう一度1年生をやり直せるなど)

小学4年生で進路を決めないといけない。(学術系か工業系?)

工業系でも資本的に富む未来はある。ドイツは職人が丁重に扱われる文化があり、工業系に進み、何か手に職をつけて高い認知と技能・習熟度を得ることができれば十分な収入を得ることができる。

夏休みなどのホリデーは最低20日程度取得し、それは学校も、企業も同様で、経済が比較的ストップするような感覚がホリデーにはある。ただし、ドイツ全てが同時期にホリデーになると商業施設などが混みすぎるので、週ごとにホリデーの開始時期がズレる。デュッセルドルフは現在ホリデー真っ只中で、学校などの教育機関は須くストップしているとのこと。

観光的・競技的にはとても良い時期だが、視察的には教育機関への視察や、保護者へのインタビューがホリデーでデュッセルドルフにいないことも多々あるため、通常の時期にきた方がそちらはスムーズに行くかもとのことだった。

今回は自分自身の試合期の合間を縫ってスケジュールしたので、仕方ない。
次回以降はそれぞれの折り合いをつけて、最適解を探していきたいと感じた。

ドイツでその日はギリシャビールを飲みながら、そんな話に花を咲かせていると、24時ごろになり、身体がバラバラになっていくんじゃないかと思うくらいの疲労が襲ってきたのでその日はお開きとした。

ホテルになんとか帰るも、チェックインしたホテルが同じ系列の別のホテルだったことが判明し、本来のホテルにチェックインし直すことに。ホテルの人がタクシーを手配してくれたが、もうダンノマンのライフポイントは0。


タクシーの体感時間2秒

飛び込んだ50時間ぶりのベッドの感触に感動する暇もなく、記憶がなくなった。

明日は練習オフで、ひさこさんファミリーとご飯を食べながらドイツのことをあれこれ聞こう。楽しみや。

2杯目に続く🍻


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