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交通事故よりも死亡者数が多い「入浴中の事故」はどうやって防ぐ?<11月26日は「いい風呂の日」>【断熱先生のダンネツノートvol.17】

毎年11月26日は語呂合わせで【1126=イイフロ(いい風呂)】の日です。最近はサウナが一大ブームを巻き起こしていますよね。もちろん、私もお風呂が大好きです。ただ、安全にお風呂に入るために、特に冬には気をつけたい点がいくつかあるんです。今回はお風呂と住まいの断熱、最近のお風呂事情までご紹介しながら皆さんの「いい風呂」ライフの参考にしていただけたらと思います。

実は交通事故よりも死亡者数が多いのは「入浴中の事故」って知っていますか?

みなさん、こんにちは。暑い暑いと思っていたらあっという間に秋、そしてあっという間に12月の足音がそこまで聞こえてきました。寒くなってくると恋しくなるのがお風呂ですよね。外で冷えた体も温まりますし、気持ちがほっと安らぎますよね。

でも、この時期になると毎年、私には声を大にして言い続けていることがあるんです。それは『(特にお風呂での)ヒートショックに気をつけて!』、『住まいの断熱が重要です!』

みなさん、日本国内で毎年、どのくらいの人が入浴中に亡くなっているかご存知ですか?
なんと年間1万9000人近くもの方が、ヒートショックに関連した入浴中急死に至っているといわれているんです。

※1 厚生労働省 入浴関連事故の実態把握及び予防策に関する研究についてよ 2013年度ヒートショックに関連した入浴中急死に至った人数推計約19,000人
※2 警察庁 交通事故死者数についてより
※3 厚生労働省 熱中症による死亡数 人口動態統計(確定数)より(2021年度は過去最少2,636人となっております)

グラフを見てもらえると分かりますが、実は交通事故死亡者数の約4倍もの方が、入浴中に亡くなっているんです。特に高齢者の方に多い傾向にはありますが、若い方でも十分に起こりうるのがヒートショックなんです。そう聞くと、より身近で、誰にでも起こりえるというのが、おわかりいただけると思います。

また、このデータでは死亡者数となっていますが、一命はとりとめたものの、後遺症が残ったという方もいることでしょう。すると、実際にはもっと多くの家庭で「ヒートショック」の事故が起きているとも考えられています。

ひとたび事故が起きてしまえば、『あのときひと声かけておけば』『異変に気づいていれば』など、後悔がつきないものです。特に思い出の詰まった家でのできごとであれば、ご本人にとっても、ご家族にとっても、つらいものだと推察します。だからこそ、「ヒートショック」と「家の断熱」について繰り返しお伝えするのが、私のミッションなんです。住まいは「楽しい思い出」が詰まった場所であってほしいですからね。


なぜ「お風呂」がヒートショック多発地帯と言われるのか?


そもそも、「ヒートショック」はあたたかい部屋と寒い部屋などを移動した際に感じやすい「温度差」などが原因で、急激な血圧変動が心筋梗塞や脳卒中を引き起こされる健康リスクのことをいいます。

寒い部屋に移動して急に体が冷えて体温が下がると血管は縮み、逆に血圧が上がります。反対に体が温まることで血管は広がり反対に血圧が下がります。こうした急激な温度差が引き起こす血圧の乱高下は、特に年齢を重ねた心臓や血管には大きな負担となり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす原因にもなってしまうんですね。

日本人が大好きな「お風呂」ですが、入浴は「ヒートショック」の発生条件が揃ってしまっているんです。まず暖かなリビングなどから移動して、冬のひんやりとした脱衣所で裸になります。一旦、体が冷えたあと、熱いお湯に浸かりますよね。それが、先ほど説明した血圧の乱高下に繋がりやすいのです。

特に昔ながらの日本家屋は、脱衣所とお風呂が北側にあることも多く、冷え冷えとして寒いことが多いもの。ついお湯の温度を高めに設定したくなりますよね。こうした何気ない「生活習慣」がヒートショックを招いてしまっている可能性もあるので注意が必要です。


「いい風呂」に大切なのは、事故を防ぐ“環境作り”と“入り方”です!

ヒートショックは毎年、寒さが厳しくなる11月ごろから急増します。そう!ちょうど今の時期です。ぜひ、ご自宅だけでなく、ご両親や祖父母の住まいを思い出していただき、一緒に対策を考えてみることもおすすめしています。ヒートショックのリスクを低減するための行動として、消費者庁は以下について呼びかけを行っています。

ポイントは何よりも、脱衣所と浴室との「寒暖差」をなくすこと。入浴前に浴室と脱衣所を暖めておくことがとても有効です。


「いい風呂」には「いい断熱」が大切。断熱はヒートショックのリスク低減以外にもメリットが

消費者庁が紹介している通り、部屋を暖めたり、湯温の設定を41度以下にしたりといった暮らし方が推奨されていますが、根本的には住まいの「断熱性能」を高めるのがいちばんです。

住まいの断熱性を高めるリフォームには、「窓」「ひと部屋」「家全体」といった選択肢があります。いちばんは「家全体」ではありますが、予算を考えて「窓+洗面+お風呂」といった、毎日使う場所にしぼったリフォームも有効です。新設された高断熱窓をはじめとした補助金など充実しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

何より、暖かく温度差のない住まいって、本当に快適なんですよ。がまんしなくていいですし、結露やカビに悩まされることも減ります。持病が改善したり、血圧がさがったり、夜間頻尿が減ったといった効果も期待されているんです!

https://www.lixil.co.jp/reform/gensai/column/column_vol05/

もちろんリフォームには、予算と手間がかかりますが、家で過ごす時間が増えている今、「毎日使う場所が快適」になり「健康に暮らせる」というメリットは大きいはず。それに、部屋が暖まることで、室内での活動量も増えるという効果も期待できます!ぜひ、一度考えてみてほしいなと思います。

もし、断熱性能の違いによる冬場の室内温度の違いなどをもっと知りたい、体感してみたいという方がいらっしゃれば、私のいる「住まいStudio」に遊びにきてください。実際に体験していただくと、『なるほど!』と納得していただけると思います。

また、併設のショールームでは、最新のシステムバスルームも展示しています。今のお風呂って、全自動で浴槽洗浄してくれるタイプもあるんです。スマホのアプリと連動させておけば、タップ一つで浴槽洗いからお湯はりまで完了って、すごい時代になりましたよね。シャワーも豪華で、目移りしてしまいますよ。ぜひ、住まいの断熱とあわせて、最新システムバスルームも見学してみてください。

ということで、いかがでしたでしょうか?「いい風呂の日」のタイミングだからこそ、ぜひこれからも素敵なお風呂時間を過ごすために、安全なお風呂の入り方にも目を向けてもらえたら嬉しいです。

これからも、様々な断熱に関わる情報を皆さまにお届けしたいと思っていますので、もし良かったらフォローしてお待ちいただけると大変嬉しいです。

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