イラスト初心者が8か月で絵本出版!あたたかい繋がりに感謝
今年、3月22日の誕生日に初めての絵本を出版した「ゆうさん」。
X(旧Twitter)ではストーリー性のある文章をポストしており「イラストが描けて、文章も書ける人」というイメージです。
ところが、ほんの数か月前まではイラスト初心者。
昨年(2023年)の夏、イラストが苦手な人向けのオンラインコミュニティに入り、講師と二人三脚で絵本出版を目指し、実現に至りました。
私とゆうさんとの出会いも、そのコミュニティ。
今回、ゆうさんのオリジナルキャラクター「リスのすーさん」のイラストをクロスステッチの図案にさせていただいたご縁で、絵本出版にまつわるお話を、たくさんうかがいました。
■誕生日に発売した初の絵本『てのひらのぬくもり』
――絵本のご出版おめでとうございます。この本に込めた思いを聞かせてください。
「この本のストーリーは『大人になった娘から母への思い』を書いています。でもそれだけではなく、いろんな人にいろんな立場で、主人公になってもらえたらいいな、と。親から子への思い、祖父母から孫、あるいはその逆でもいいんです」
――ゆうさんの絵本を読んで私自身も考えたのですが、最後に母の手を握ったのはいつだったか、思い出せませんでした。
「そうなんですよね、きっとそういう方が多いと思います。この絵本が、大切な人を、その手のぬくもりを、思い出すきっかけになってくれたらうれしいです」
――私事ですが、本当に偶然、ゆうさんの絵本が出版された翌日に帰省することになっていて。わざとらしい口実を使って、母の手を触ってきました。
「本当ですか? 実際に行動にまで移していただいて感激です。次に会ったときにはそうしてみようと思ってもらえるだけでも、この本を出版してよかったと思います」
■絵本出版を実現させてくれた2つの出会い
(1) Kindle出版の講師「もんたさん」
――絵本の出版は、かなり前から、たとえば子どものころからの夢だったのでしょうか?
「いえ、そうではないんです。絵本を出したいと初めて思ったのは、小学校の支援員をしていたころに出会った、あるお母さんがきっかけでした。でも自分の絵には自信がなく、具体的な行動には移せなかったんです」
――実際に出版できたのは、どういった経緯からだったのでしょう?
「以前、ライティングのオンラインサロンに入っていたんです。そのときは絵本を意識したものではなく、長文を書く勉強をしていました。Kindleの講師をされていたのがもんたさんで、この出会いが後の絵本出版実現につながっていきました」
――Kindle出版について、もんたさんからいろいろなことを学ばれていたわけですね。
「はい。KindleだけではなくSNSで使える技術も学べて、毎回出席していました。そのうち、もんたさんから『そろそろ出版しませんか?』と言われるようになったんですが、なかなか勇気が出せなくて」
――そこから絵本の出版にシフトしたきっかけは何だったのでしょうか?
「長い文章での出版にまだ自信が持てず、もんたさんには『挿絵が多めの本を書きたい』という感じで相談したんです。そのときに紹介していただいたのが、ライターでイラストレーターでもある、なつめももこさん(以下「ももこさん」)でした。ももこさんと出会えたことで、出版するなら絵本でしてみたいという思いが強くなりました」
(2) お絵かきコミュニティの講師「なつめももこさん」
――ももこさんとの出会いは、もんたさんの紹介だったんですか!
「そうなんです! さっそくSNSでももこさんの投稿を拝見したところ、何気ない日常を柔らかいタッチのイラストで表現されていて、すてきだと思いました。私の理想とピッタリ重なったんです」
――ゆうさんも、何気ない日常のポストが多いですよね。
「はい。私のポストは、情景を意識して言葉にしているものが多いんです。だから『情景を言葉ではなくイラストで表現できたらいいのにな』と思っていました。私がももこさんを知ったのは、偶然、ももこさんがお絵描きコミュのメンバーを募ろうとしていたタイミングでした」
――なるほど。だからもんたさんは、ももこさんを紹介してくださったのですね。
「いえ、それがちょっと違うんです。もんたさんは、ももこさんが何かコミュニティを立ち上げることは知っていたのですが、時期や詳しい内容までは知らなかったそうで」
――イラスト講師としてではなく、なつめももこさんという個人を紹介された、ということですか?
「はい。ですので『もんたさんから紹介されました』と伝えたときは、ももこさんご本人もびっくりしていました」
■イラスト初心者が絵本を出版できた理由
(1)講師も参加者もあたたかいコミュニティ
――ゆうさんは、このコミュニティの発足当初からのメンバーですよね。
「はい。もんたさんからももこさんを紹介していただいてから、わりとすぐのタイミングで、お絵かき初心者に向けたコミュニティを立ち上げられることを知って、すぐに申し込みました」
――私もそうなのですが「イラストってどうやって描けばいいんですか?」レベルの超初心者でも、楽しく参加できる場所ですよね。
「本当にそうだと思います。そして、みなさんがほかのメンバーのイラストをすごく褒めてくれる。とてもあたたかい人たちの集まりだなあと感じています」
――それは私もすごく思います!
「そもそも、ももこさんのイラストがとてもあたたかい。それを見た人たちが『この人に習いたい』と集まってきているので、やはりももこさんのお人柄が表われているんだなと思います」
(2)個別レッスンでの手厚いサポート
――ゆうさんは、グループレッスンだけでなく、個人レッスンでさまざまなサポートも受けられるプランに参加していますよね。
「はい。ただ、ももこさんを紹介していただいた当初、絵本を出したいとの思いは持っていたものの、絵を自分で描くことは全く考えていませんでした。文章は自分が書き、絵は別の方にお願いするつもりだったんです。でも、ももこさんのコミュニティに入って『自分でイラストも描いてみたい』と思えるようになりました」
――そこから文章と絵の両方を作りはじめたのですか?
「実は個人レッスンを受け始めたとき(10月)には、すでに文章の方はできあがっていたんです。ももこさんには『この内容で絵本を出したいです』と伝え、そこから3か月ほど時間をかけて、大方のイラストは1月に描きあげていました」
『てのひらのぬくもり』は、こちらのエピソードがもとになっています。
(3)誕生日が偶然にも開運日!
――出版を3月にしたのは、お誕生日に合わせるためだったのでしょうか?
「最初は特にこだわってはいませんでした。ただ、完成させるにはいろいろ細かい調整が必要で、ももこさんにもアドバイスをいただきながら、何度も書き直したんです。『ここはイラストにしているから、文字では必要ないですよね』とか、逆に『この表現は文字で入れたいですね』とか。文と絵とのバランスを考えるのは難しかったですが、言葉選びの作業は楽しかったです」
――その作業もあって、出版は3月になったのですね?
「初めての出版で登録などがスムーズにいかない場合も想定し、少し余裕を持ったスケジュールにしていました。実際に出版できるのは3月ぐらいになるかなあと。偶然にも今年の誕生日(3月22日)が一粒万倍日だと知り、だったらこの日に発売しようと思ったんです。たくさんの方に読んでいただき、お祝いコメントももらえて、本当にうれしかったです」
■リスの「すーさん」は出てくる?今後の活動予定
すーさんが登場する最新ポストはこちら!
――クロスステッチにもさせていただいた、リスの「すーさん」が登場する絵本の出版は考えていますか?
「すーさんの絵本も、いつか出したいとは思っています。3月に絵本を出版したとき『すーさんの絵本じゃなかったんですね』と何人かの方に言われまして」
――私も「すーさん」の絵本だと思っていました!
「実は『てのひらのぬくもり』をリスの手で表現する構想もあったんです。でもリスの手はすごく小さい。ぬくもりを感じてもらうには、やはり『ひとの手』がいいと思いました」
――最後に、今後の活動予定について聞かせてください。
「次は長い文章の電子書籍で出版したいと思っています。かつて参加していたライティングのオンラインサロンは、現在はなくなってしまったのですが、もんたさんのサポートを受けながら、思春期の子育てについての本を執筆中です。また、すーさんのストーリーを使ったポストも発信予定ですので、楽しみにしていてください」
「絵を描くのは苦手でした」
そのような状態から、さまざまな出会いとつながりによって「自分で文も絵も描いた絵本を出版したい」との思いが芽生え、数か月で実現させたゆうさん。
お話を聞かせていただく中で、特にサポートしていただいた講師への感謝を何度も口にされていました。「ひとりでは絶対たどり着けませんでした。今があるのは、お二人のおかげです」と。
今後さらに先へと歩みを進めるゆうさんの、ますますのご活躍を願ってやみません。
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