見出し画像

ふつうの朝ごはんを食べられる人生がいい

朝ごはんほどコストパフォーマンスのいい食事はないと思う。かける手間が少ない割に、満足感が高いという意味で。
もちろん何をどこまでこだわるかによるけれど、火を使わないメニューだけでも手軽に準備できて、ささっと食べられた時の幸福度は高い。別に物凄く高いものや美味しいものを食べているわけではない、普通のメニューばかりでもだ。
パンデミックでリモートワークになって一番よかった変化は、朝ごはんをきちんと食べる時間と習慣ができたことかもしれない。
毎日通勤しているときはこうは行かなかった。自分の生活習慣が乱れているのが悪いのだが、夜遅くまで働き、帰宅後も夜更かし。朝も起きるのが遅いので、起床後慌てて着替えと最低限のメイクして15分で家を飛び出すことが日常茶飯事。朝ご飯は途中のコンビニでパンを買って、職場の自席でメールを眺めながら食べるみたいな毎日だった。新卒で働き始めた時は、大量に砂糖が入っているリプトンのミルクティーや紅茶花伝を飲んで午前中の空腹感をやり過ごすことも少なくなかった。食べる事が人生の幸福の7割くらいを占めていると自覚するくらい食いしん坊なのに、今思えば物凄く投げやりな生活だった。たまにカフェのモーニングをテイクアウトしたりイートインして帳尻を合わせている気になっていた。

ステイホームで時間ができてから、日常生活のリズムを作らなければという意識が働いた結果、1番の変化が朝ご飯だった。食パンを焼き、はちみつやジャム、ピーナッツバター(スキッピーのチャンク入り一択)を塗ってもいいし、とろけるチーズを乗せてふつふつと温まるのを見るのもいい。フルーツとヨーグルトを準備し、ウィンナーやベーコンを焼き、スクランブルエッグや目玉焼きを作る。青菜があれば付け合わせもフライパンの端でソテーにする。フルーツはバナナかキウイが手に入れやすいし食べ切りやすいが、季節になったら苺やいちじく、りんごやビワなんかが無性に食べたくなる。懐がリッチな時は冷凍保存していたベーグル専門店のベーグルを温めて、ブルーベリーなど甘い系ならクリームチーズ・塩っぱい系ならさらにスモークサーモンや生ハムを挟んで食べる。さらにやる気がある時はこんがり焼いたパンでサンドイッチを作ったり。作り置きの茹で卵からエッグサラダを適当に作って挟んでもいいし、レタスやハムなんかをたっぷりマスタードとバターを塗った食パンで挟んで食べてもいい。カマンベールチーズを入れると途端に貴族の食事めいてくる。ごはんのお供はもっぱらコーヒーで、こちらも時間ができたのでお店で挽いてもらった豆をフィルターでゆっくり入れる。豆から自宅で挽く本格派からすれば甘っちょろい話かもしれないが、山梨にあるお気に入りのコーヒー屋さんで仕入れたクマのコーヒー缶から、コーヒーを取り出して粛々と淹れるのは、もはや鎮静の儀式のようだ。めんどくさい時は紅茶パックをお湯に投げ入れて、買い置きの牛乳があればミルクティーにする。パンに飽きたら玄米フレークにバナナやレーズンを入れて牛乳か豆乳で。フルーツグラノーラにミックスナッツを足してヨーグルをとかけるのもいい。
ここまで寝起きからほぼ頭を使わず、今日はこれ食べたいなーあれもいいなーとテキトーに夢想して、めんどくさいところは大いに端折りながらも、大体ワンアクションくらいで作れてしまうのが朝ごはんのありがたいところ。
さらに余裕がある時は、ホットケーキを作ってほかほかの生地にバターやはちみつをかけてを食べるのが至福。
基本ほぼ洋食だが、たまにおにぎりを大量に作って冷凍保存しているものをチンして食べたり。ちりめんじゃこ、梅干し、蕪の葉で作った菜葉。焼き鮭、焼きたらこ、ゆかりやおかかとか。炊き込みご飯が余ったときに作り置きしておくのも、後からの楽しみを少しずつ取っておけて楽しい。

ふつうの朝ごはんを食べられる人生がいい。これからもそうしていきたいなあ。


この記事が参加している募集

#私の朝ごはん

9,502件

#朝のルーティーン

16,060件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?