見出し画像

就職旅#7.目に入れる

2010年3月31日~4月5日間、就職をお祝いする為に「青春18」1枚で出た一人旅の記録。


0日目:東京「23:10発、大垣行夜行列車ムーンライト」→
1日目:ムーンライト→5:45大垣到着→米原→西明石→姫路→相生→宮島口(厳島神社)→広島市内(ネット喫茶店泊)
2日目:原爆ドーム→平和記念公園→広島城→三原→倉敷(美観地区)→岡山(ビジネスホテル泊)

3日目:岡山(後楽園)→和気→相生→姫路(姫路城)→大阪→鶴橋→青山町→中川→松阪→伊勢市(ビジネスホテル泊)

4日目:伊勢神宮→名古屋→米原(琵琶湖)→名古屋(ネットカフェ伯)

2010年4月4日日曜日

甘い春風が吹いて来る日

穏やかな風には

甘い春の香が軽く広がる

伊勢神宮は確かに特別な経験だった。

お腹空いた!

現実モードに切り替えるシグナル。

そうだ!

僕、奇妙なシグナルに誘われて来たんだ。

もうシグナルが消えてしまったが、旅は続く。

あのシグナルは僕に何のメッセージを伝えたかったのか。

夜行列車で東京から広島、そして倉敷、岡山、名古屋、

そしてここまで

自ら就職をお祝うための旅としては

厳しい面もなくはない。

出発の日上野駅ですれ違った変な気分みたいに

誰かでも会えるのか

……

「おかげ横丁」前に立っている自分に気づく。

道も宿も

交通編もちゃんと整備しておらず

旅行も制限された江戸時代。

人生をかけて

命をかけて

全国から伊勢神宮を参拝に来る巡礼者を迎えるために

おもてなしで出来たのがこの「おかげ横丁」の由来だそう。

人があふれ

活気あふれ

情があふれ

笑いがあふれ

美味しいにおいがあふれ

久しぶりの人波もまれる

いろんな伊勢なりのグルメを目に入れ

カメラにいれ

割と空いているお店を選ぶ

入る

この後の予算も考える

節制しよ!

素朴なうどん一皿

そして、心まで暖める美味しいお茶一杯

「ご苦労様!」

こんな時期に

頑張って

やっと就職も決まり、

ここまで来て

こんな絶景も目に入れて

こんな特別な経験もできて

こんなご馳走まで

君、

良くやった。

ぽかぽか微糖缶コーヒーを持って川の風景を目に入れて

リチャージを済ませた足取りはまた駅へ

降りたのは、

行き行程の寄り道であったこの地

米原

君、何が見たいんだ?

昨日

昨日と今、そして明日がみたいんだ!

何ですって?

2.2㎞

歩く

日が涼む見知らぬ町を歩く

スマホも

グーグルマップ持たずに

紙印刷の地図と

町の標識に頼って

あるいわ地元の方に聞きながら

目標を向かって歩いく

道を歩く

川が出る

良し!

どんどん日が沈む、

急げ…頑張れ!

そして、米原駅を歩いて30分後

間に合った!

やっと着いた!

この惑星最大淡水湖

海と言ってもいい風景

琵琶湖

日の出

琵琶湖の日の出

竹生島が遠くから見える琵琶湖の日の出

昔の人も

今の自分も

自分がこの世にいなくなった後、

未来の人も

胸いっぱいになる風景を

忘れないで…

君、

この惑星での就職

おめでとう!

日が沈んだ後、帰り道は冷たい気運と闇が訪れて来る。

鴨カップルも帰宅を急ぐ…

この町は泊まる宿がない関係で

急いで

ベースキャンプである

名古屋へ戻る。

くたびれたけれど、

とてもとても

素敵な日だった。

明日はいよいよ

この旅の最後日

そろそろ

更に更に

現実モードへスイッチを

切り替えないと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?