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「授賞式の意味とは何か」を改めて考える


日本時間9月21日(月・祝)に第72回エミー賞の授賞式がリモートで開催。ドラマシリーズ部門主演女優賞にノミネートされていた『ユーフォリア/EUPHORIA』のゼンデイヤが史上最年少で受賞を果たした。

「シッツ・クリーク」や「サクセッション」、「ウォッチマン」が作品賞に選ばれたこともニュースになった。

このような「快挙」ばかりが日本語で報道される中で、「授賞式」が持つ意味、そして受賞した作品や役者たちがどういった「シンボル」の役割を果たしているのか、日本メディアでは言及されることが少ないということに違和感を感じた。「作品の良さ」や「役者の優秀さ」は数値的に計測することができない以上、我々が視聴者として「良いもの」だとだと伝えられ、形成している認識は、紛れもなくバイアスや忖度の影響による判断である。このことについて、米国カルチャーに対しての実感を交えつつ、「どのような視点で授賞式を見れば良いのか」について考察したい。

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