竹田ダニエル

writer, international project director/Forb…

竹田ダニエル

writer, international project director/Forbes 30U30/Forbes、GQ、Newsweek、VOGUE、Rolling Stone etc/1997 danieltakedacontact@gmail.com

マガジン

  • 日経COMEMO

    • 13,604本

    日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

  • 日経COMEMO寄稿記事

  • 有料記事

最近の記事

  • 固定された記事

ビリーアイリッシュと政治について

かなり反響をいただけたこのツイートを、改めてnoteでまとめます。追記もここで順次書き足して行こうと思ってます。 2001年生まれの18歳、アーティストのビリーアイリッシュが民主党大会の3日目にゲストパフォーマーとして選ばれ、スピーチと新曲"my future"をライブで初披露しました。bad guyの大ヒットやグラミー賞5冠受賞で彼女を知る人が多いかもしれないが、音楽の実績以外でもアメリカのユースカルチャーやポップカルチャーを理解するのに重要なアクターであり、度々ツイッタ

    • ツアーが続々とキャンセル・縮小されている

      Jennifer Lopez等大御所アーティストをはじめ、Lil Durk等いわゆる人気若手なども去年から今年にかけてツアーをどんどんキャンセルしていること、そしてIce SpiceやWaterbombなど一見バズコンテンツに見えるものもチケットの売れ行きは悪いことが前から話題になってる。再生数=チケット販売では全くない 特に2022年前後のいわゆるロックダウン後のツアーラッシュに比べると客側も相当熱狂的ファンでない限り気軽にライブに出費しなくなってきている一方、ツアーにか

      • ファストファッションの予想以上の闇

        日本でも若い女性から人気を集め、アメリカではティーンや大学生を中心にカルト的な支持を得続けているブランド、Brandy Melvilleの悪質なビジネス、上層部の人種差別や若い女性の搾取、ファストファッションによる地球環境破壊など重要な問題を暴いた今年4月に公開されたドキュメンタリー、「Brandy Hellville & the Cult of Fast Fashion」。凄まじい事実を暴きながらも、それでもなおブランドの人気が衰えないなのが恐ろしい。 Z世代に人気のブラ

        • AIは友達じゃない

          今日テック界隈で議論を巻き起こしているのはこの99ドルの首かけ型の「AI友達」、その名も「friend」のローンチ動画。 映画のようなクオリティの広告動画だが、様々な問題を浮き彫りにさせてしまっている。 人間の「孤独解消ツール」として謳われているわけだが、昨今の「テックで孤独を解消」という安直な発想が問題視されている。本当に必要とされているのは人間同士で信頼できるコミュニティや対面での社交/コミュニケーションである上に、AIは「人の気持ちを読んでいる」訳では当然ない。 そ

        • 固定された記事

        ビリーアイリッシュと政治について

        マガジン

        • 日経COMEMO
          13,604本
        • 日経COMEMO寄稿記事
          87本
        • 有料記事
          2本

        記事

          "Let's work it out on the remix"

          ラップ界ではメンズたちのビーフが盛り上がっている一方、女性アーティストたちの「和解」がポップス界の大きなニュースになった。 Charlie XCXの"Girl, So Confusing"のリミックスに参加したLordeのバースは胸が痛くなるほど赤裸々で、業界を揺るがした。 チャーリーのアルバムに関しては全て良すぎて言いたいことが山ほどあるけど、特にこのリミックスは本当に衝撃。さすがLordeの作詞力、摂食障害や精神的な問題の話をしているのにCharliのポップ文脈に収めつ

          "Let's work it out on the remix"

          「自分を成長させる」ということ

          セルフラブやセルフケアについて散々書いてきた人が何を言っているんだと思うかもしれないが、実際にそのようなトピックに興味を持ったのも、自分が極めてバーンアウトしやすい(燃え尽きやすい)タイプだという自覚があるからだ。 「有名になりたい」「お金持ちになりたい」「とにかく成功したい」、このようないわゆる「わかりやすい」モチベーションが頑なにあるひとの方が、実際には目標を維持しやすく、そこに向かって走り続けることもできる。しかし自分のようにそのような願望もあまりなく、幼少期の頃から

          「自分を成長させる」ということ

          「海外就職」というフレーズを考える

          先日、"Z世代、女性に広がる海外就職 「私たちは待たない」"というタイトルの記事を見かけた。もちろん、なかなか留学や海外就職の機会を均等に与えられてこなかった女性や若手が夢を成し遂げることは至って素晴らしいことだ。しかし同時に、メディアがこの現象を報じる際に注意すべきことも色々とあるように思う。 「海外」と言っても、当然色々ある。しかし投稿のコメントなどを見ている限り、勝手に「欧米」ないしは「経済的に豊かな英語圏」と想像する人が多いようだ。「海外」が英語圏だとも限らないし、

          「海外就職」というフレーズを考える

          広がる学生デモとZ世代の絶望

          現在、アメリカ中の120を超える大学で、ガザでの虐殺に対して抗議をするデモが行われている。抗議活動を行っているZ世代は、賃金の低迷や物価の高騰、ホームレス問題や学生ローン問題に加え、 学校銃撃事件/コロナ/ジョージフロイド/ガザなどあらゆる面で「アメリカは我々を守ってくれない」ということを知っている。失うものも希望もないZ世代のことを伝え続けていたけど、爆発の結果がこれなのだだ。 アメリカのZ世代の絶望や価値観について当事者として書き続けている中で、「そんなの西海岸のリベラ

          広がる学生デモとZ世代の絶望

          「ウォニョンイズム」の人気とその危険性

          先日、Daily BeastにてSteffi Caoによるこのような記事が興味深かった。 「TikTokの最新ウェルネス・トレンド: K-POPの名の下に自分を飢えさせること」 「"ウォニョンイズム "とは、K-POPファンの間でネット上で急成長しているウェルネストレンドで、リボンやイチゴのミルキーな世界観の中で、摂食障害を助長しているという批判に直面している。」 記事全体では、未成年女子を中心に大流行している、ウォニョンのように細くて綺麗で賢くなることを目指す、その名も

          「ウォニョンイズム」の人気とその危険性

          ディズニーが高すぎる問題

          アメリカのディズニーランド、そしてディズニーワールドのチケット・ホテル・パーク内のグッズやフードの高騰化がここ数年話題になっている。現在、2人で2日間のパークチケットを買うと、ピーク時期においては10万円以上は(特に円安の悪化により)余裕でかかってしまう。それに加えて、パークと提携しているホテルでしかつかない特典(1時間早く入園できる、ライトニングパスが購入できるなど)のために公式ホテルに泊まり、かつては無料だったファストパスがGenie+というシステムに変わったことによる追

          ディズニーが高すぎる問題

          アメリカで最も「不幸」なのは若者?

          3月に発表された「世界幸福度レポート」によると、アメリカでは若者が最も「不幸(unhappy)」だと感じているという。 USA Todayの以下の記事では、Z世代が人生において「不幸」を感じる原因と考えられる社会的背景や、改善するためにはどうしたら良いかを提案する専門家の意見が述べられている。 私自身、アメリカで生活するZ世代当事者として、著書の『世界と私のA to Z』や『#Z世代的価値観』でも繰り返し主張してきたように、今のアメリカの若者は様々な社会的要因によって、そ

          アメリカで最も「不幸」なのは若者?

          Soraから見るAIの倫理問題

          Soraのことを無批判で「すごいすごい」と拡散している人はOpenAIの犬か?学習の元になっているデータを公開していないこと、一体誰の作品をスクレイプしてるのかもわからず、完璧な「盗作」でしかない。しかも日本語を名前に使い日本をモデルにしたり、オリエンタリズムも甚だしい https://x.com/OpenAI/status/1758192957386342435?s=20 コピーライトされている動画でさえも、「公開されている」ものはパブリックドメインでなくても学習用のデ

          Soraから見るAIの倫理問題

          「遊びに行く」場所を失ったアメリカ

          Atlanticの記事に掲載されていたこのグラフが大きな話題になっている。 友達と1週間に二回以上外で遊ぶティーン(12年生、日本では高校3年生)の割合の変遷を示しているわけだが、200年ごろまではおよそ8割だったものが、大体2010年以降に急降下している。では一体、原因は何なのか? 「当然スマホの影響だ」という人が多いだろう。確かにスマホがあれば外に行かなくてもいつでも友達と繋がれるし、わざわざ外出して遊ぶしかなかった時代に比べたら減って当然かもしれない。しかし、他にも大

          「遊びに行く」場所を失ったアメリカ

          「尊敬する人」がいるということ

          "Never meet your heroes"とはよく言ったもので、心の底から尊敬して憧れて、人生の指標にしている人とは、極力会わないほうがいい。一方で、幻想が壊れても良くて「現実を見たい」というのであれば、会うべきだ。 「有名人」や「天才」と呼ばれるような人々、特にアーティストと仕事や私生活で身近に接することで学んだことが、多くの人が羨むような才能と人気に恵まれているような人でも、おそらくみんなが想像する100倍の苦労や努力を積み重ねているし、おそらくみんなが想像する1

          「尊敬する人」がいるということ

          紙媒体の未来

          先日、日本で売られている映画『哀れなるものたち』のパンフレットが英語圏Twitterバズっていた。舞台裏の制作背景や、美しいシーンのカラー画像、文章がたっぷり読めることが魅力的だとして、大きな反響を呼んだ。 https://x.com/makigdlp/status/1751138754075693468?s=20 日本の紙文化は(特にアメリカ)から見てレアなものになってきているし、パンフレット一つとっても。それを作るまでの制作に思い入れが詰まっているということが伝わって

          紙媒体の未来

          サードプレイスの重要性

          アメリカでは、「孤独」が大きな社会問題になっている。 Third place (サードプレイス)と呼ばれるような場所、つまり家、学校、職場、ではない「第3の場所」の重要性が話題になっている。リモートワークで働く労働形態が増加し、資金不足や治安の問題によって公園や図書館が閉鎖され、ゆったり長居できるようなカフェや居酒屋も減っている。そんな中で、「大人の友情」というのもメディアでよく目にするようになったテーマだ。 NHKの「ドキュメント72時間」という番組を最近好きになった。好

          サードプレイスの重要性