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トイレどこですか?

初めてnoteに投稿します。駆け出しの随筆家を名乗っている、オノダといいます。以後、お見知りおきを。

しばらくの間、ジェイソン・ボーンになりたいと思っていた。あのアクション映画の主人公である。彼のような仕事に就きたい、というわけではなく、映画の中で彼は仕事柄、各国のローカル言語を巧みに操って、その国に潜むことができる。そういう「海外の国で馴染む、潜む」ことをしてみたい、と常に思っている。

以前担当していた仕事では、頻繁に海外へ出張していた。ASEAN各国や欧州、米国、メキシコ、といろんな国に行った。特に東南アジアはお気に入りで、現地で暮らしてみたい、と思える場所だった。「深夜特急」の影響もあるかもしれない。

世界中で英語が共通言語、とはよく言うが、実際行ってみると、お店やレストラン、タクシーでは英語が通じない人も多く、やはりその国のローカル言語を覚えないと、ちゃんとしたコミュニケーションが難しいな、と感じる。とにかくレストランでの注文とタクシーの道案内(右に曲がって、左折して、まっすぐ行って)での現地語は覚えるようにしている。

また、現地でローカル言語を喋ると、相手が喜んでくれる、というのもひそかに励みになる。ただ欠点としては、こちらが喋れると思って、ぺらぺらぺらとその国の言葉で喋ってくれるのだが、勉強不足のため、相手が喋っていることが全くわからない。笑顔でへらへら笑っているだけしかできない。勉強すればいい、という話ではあるが。

なかでも、タイは大好きな国で、幾度となく渡航しているのだが、言葉の「音」が大阪弁ぽくて馴染みやすい。

私はとにかくトイレが近く、レストランでもお店でも「トイレどこですか?」と聞くことが多い。私にとっては死活問題である。

タイ語で「トイレどこですか?」というのは、「ほんなんゆうてない」と聞こえる。現地語っぽく書くと「ほんな~む、ゆうてぃな~い」。「ほんなん」が「トイレ」という意味である。

レストランで「ほんなんゆ…」「あっち」とお店の人にトイレの方向を指さされたときは、よっしゃ通じた、と心でガッツポーズしたものだ。表情は平静を装いつつ。

こうして現地語を少しずつ覚えて使っていくうちに、その国の生活文化を知り、その国の人をますます好きになっていく。深みにハマっていくのだなあ。

このnoteでは、海外での珍道中もお伝えしていければと思っています。

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