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5才から11才に迫られる選択…子は鎹(かすがい)/小説⑪-2完結/ストレスジャンププール

「私に話してくれて、ありがとう。

ご両親がケンカになると、悲しい気持ちになったり辛い思いをしていたのね…


ねえ、こんな事を聞くのは酷だけど、もしあなた自身が選べたとしたら、どうしたいかな?」

「あたしが、選べたらですか…

う~ん、よく分からないし、難しいです…

ただ、8割の人が打っていると報道で聞くし…

それにあたしだけが打っていないと、同級生・クラスの子達から変に思われたり、仲間外れにされるんじゃないかと、不安や心配に思います。

みんなと同じ、みんなと一緒でないといけない、っていうのでしょうか?

…同調圧力?」

「うん。」

「打つ打たないを選択したら、お父さんかお母さんのどちらかの考えに賛成して、肩を持つ事にもなりますよね…

選ばれた方はいいけど、選ばれなかった方は、なんというか悲しいし、不服に思うかと…

あたしは、ただ、ケンカして欲しくなくて、以前の様に、仲良く楽しくして欲しいと思うだけなんです…

だから、どうしたらいいか…」

賢くて、優しい子だなと思う

「ご両親の間に入って、仲裁や和解が出来そうな人はいないかな?

どちらの味方もしないし肩も持たないけど、双方の気持ちや思いを聞いたり引き出せたり出来そうな人。

そうねぇ、、、器が大きい人、寛容さや寛大さがある人かな?」

「う~ん…

思い当たる人がいないです。

祖父や祖母が健在だったら…

あっ、お姉さんに頼む事は出来ますか?

お姉さんなら、、、」

「私!?

残念だけど、私では無理なの…

元々の信頼関係がない人間が、家庭の問題に割って入る事はできないの。」

「そんなぁ…

でも、以前あたしが困っている時に助けてくれたじゃないですか?

だったら、、、」

「あなたとの関係性はあっても、ご両親との関係性はないから、難しいの…」

「…それなら

あたしが仲裁や和解をする事は出来ますか?」

思ってもみなかった事を言われた

"子はかすがい"

可能性がない事はないが、大人でも和解や仲裁の立場や役割は難しく大変な事だ…

この子には重荷で負担が大きいじゃないか…

「うん、そうね…

可能性はあると思うけど、、、

それには、大人やあなたや、私達が置かれている現状を、知って貰う必要があると思うの。

その年で知るには、早い事かしもれない話しもあるのよ…

人や社会の嫌な部分を、知る事になるから…

どうする?

今、急いで知らなくてもいいとも思うし…」


しばらく沈黙が流れた

「…なんだか怖いと思います。

今は、お父さんとお母さんの事で頭が一杯で…

だから今は、無理かと…」

消え入りそうな声だった…

「…うん。それでいいと思うわ。

和解や仲裁以外でもね、あなたの気持ちを伝える事はできるのよ。」

「…気持ちをですか?」

「そうそう。

さっき私に、気持ちを話してくれたじゃない?

"(打つ打たないで)ケンカをして欲しくない"

"以前の様に、仲良く楽しくして欲しい"」

「あっ…」

「直接、気持ちを伝えてもいいし、言いずらかったり難しそうなら、手紙を書く方法もあるのよ。」

「手紙ですか…」

「そうそう。

主語を、お父さんがお母さんがとか、お父さんのせいでお母さんのせいでとかには、しないのを勧めるわ。

主語は、私にして、私がこう思った私が、こういう気持ちを感じているとかね。」

「私が…」

「日常でも、仕事でもね、主語を自分にすれば自分の領域で言ってるだけになるのよ。

主語を相手にすると、相手のせいでとか相手が関わったからと、相手にとって良い事でも悪いことでも、相手の領域に入って言う事になるからね…」

「…そう、なんですね。」

「直接でも手紙でも、一度、思っている事や気持ちを書いてみるのも、いいのかもしれないわ。

話したり、話しを聞いて貰う事と同様にね、書く事は自分の気持ちや思いを整理出来ると思うから。」

「…はい。」

「色々と一度にたくさん伝えてしまったけど、何か分からなかったり、不安に思う事があったら、私でよかったら連絡して聞いて貰っても大丈夫だからね。」

「はい。」

駅で見かけた時よりは、幾分か元気になってよかったと思う

私個人として、日本全国の各家庭でこうした、家庭内・家族間の不和や諍いを生み出した、元凶や関係者に対して非常に腹立たしく思うが、、、

微力な私に出来る事は、手の届く範囲や目に見える範囲で出来る、ちっぽけな小さな事しかない…

この子が、どちらの選択を選ぶ事になっても、家庭内・家族関係は、平和で穏やかで、あって欲しいと思うのだ

他のご家庭でも、日本全国の家庭でも、そうあって欲しいと私は願う…

終わり
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お読み頂いて、ありがとうございます。

ようやく一旦、完結が出来ました💦

私生活で色々と起こり、続きが書けずにいました…

実は、違う展開も書いていて、それは別の世界線として書こうかなと、、、

世の中や社会が、何か変だなと感じている方向けの内容になりますが…

春の陽気も戻り、桜も散り始めている昨今ですが、今日もいい一日で、ありますように

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