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私がアリゾナで運転免許をとった話、2

この辺では、基本、川に水がない。だって、雨が降らない。
土がむき出しなかんじである。
初めはそこが川だって気が付いてなかったほどだ。

この辺では、なかなか雨が降らないので、雨が降ると、みんなが「見て見て!雨がふってるよ!」ってざわつくし、なんなら夫は雨を見ながら酒を飲む。雨音がバーボンを美味しくさせるようだ。
そして運良く川に水が流れてたら、「川に水があるよ」と言って、川沿いのスーパーの駐車場に車を停めて、ちょっと足を伸ばして、川を見に行ったりもする。なんなら写真を撮ってみんなに送ったりする。

なぜならいつも川に水はない。


水のないいつもの川(橋がある場合)

私は日本で生まれ育ち、川には水が常に流れてるから、川を渡るというのは、橋の上を渡るのが当たり前の暮らしをしてきた。
この辺りでは、川には水が流れておらず、むき出しの地面なので、初めは川だってことに気づかなかった。夫に言われて気を付けて見たら時々橋があったので、ここが川かぁ!と驚いたものだった。

川の中を、橋もなく道路が横切っているなんて考えたこともなかった。

そのため運転免許をとるとき、教本の英語を私流に翻訳し始めて疑問符が止まらなかった。それがここ。
Heavy rain frequently causes flash floods in Arizona wash.
Do not cross flooded washes.
すごい雨が降ったら、アリゾナは鉄砲水があるよ。
洪水してる道は通るなよ。

私の英語力を振り絞った翻訳だと、そんな感じ。他にも鉄砲水で道路が川になってたら、通行止めのサインが出てるから、それを無視して通行して、流されたら、自分の責任だよってことが書かれていた。
洪水してるってよっぽどだし、洪水してる道は行こうと思わないでしょう!って思ったんだけど、暮らしてみて自分の想像力不足を思い知らされた。

まず夏の雨がすごい。一気にダーっと降ってきて、10分15分くらいで通り過ぎるんだけど、もうそこら中水浸し。
そして、家の周りのところどころがえぐれて、小川になって低いところに向かって流れて行く。
昨日まで乾燥しきった大地だったので、気がつかなかったけど、この高低差って川になるんだっていう感じ。
街が排水について考えていない作りをしている。
乾燥していることに関して自信満々。
だから突然の雨は自然に任せて低いところに流れて行く。

雨が過ぎ去って、30分もしたら、駐車場は、雨降ってたかな?みたいな乾燥具合を見せつける。

ただ、いろんなところから水を集めて、flash floodを作っている場所は違う。
あれ?ここって、川の真ん中に、道をぶっ込んだんだ!っていう光景があちらこちらに見られる。

雨の後、川の一部になってる道路(橋がない場合)

このため、大きめの川になる道路には、通行止めのサインが点滅し、時々ポリスが、赤と青のライトを点滅させて見張ってたりもする。
この写真のような、その辺の小さい道路は野放しなので、気を付けてほしい。

この景色を見て、あー、教本の言ってることって、こういう事なんだなって飲み込めた。

なぜ道路の下に、水を流すことのできる何かを作らなかったのか、と思いながら、もう川になってるのは仕方ない。
ここを行っちゃうしかないよね、他に道がないなら。
水が引けるまで、待てないよね。
という気持ちを持つのもわかる。いつになったらこの水が無くなるかはわからない。ここの雨はやんだけど、別の場所が降っていて、それがここに集まっているかもしれないし。

アリゾナでピックアップトラックに乗ってる人が多いのってこういう時に、この道を通ることが出来るからかもしれないなって、夫の車の助手席から眺めて通り抜けた。

※シーズンの最初の雨は、いろんなものを鉄砲水が押し流してきて、それにぶつかったり、水の中に何が隠れているかわからず、事故の元。危険度が増し増しなので、私たちは基本、ある程度乾くまで家から出ません!


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