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飯豊町一家三人殺傷事件公判傍聴記・2009年1月15日その1(被告人・伊藤嘉信)

2009年1月15日
仙台高裁第一刑事部
101号法廷
事件番号・平成19年(う)118号
罪名・殺人、殺人未遂(変更後の訴因、住居侵入、殺人、殺人未遂)、銃刀法違反
被告人・伊藤嘉信
裁判長・志田洋
書記官・青梅政範

飯豊町一家三人殺傷事件は、山形地裁で死刑を求刑された、戦後二例目の事件である。
さぞ凶悪な事件と思われるだろうが、結論から言えば、被害者Aによる、伊藤嘉信に対する性犯罪が、事件の原因となったものである。
Aは、小学生であった伊藤嘉信に、足の指を舐めさせる、フェラチオの強要、肛門性交、肛門を舐めさせるといった、性犯罪を行った。さらに、山形地裁の判決文によれば、Aは成人してからも女性に対して強制わいせつを行い、執行猶予付きの判決を下されている。それは、伊藤を一層傷つけたのではないだろうか。
Aによる伊藤嘉信への性的虐待とそれに伴うPTSDは、検察側の精神鑑定でさえも、認めざるを得なかった。検察側の鑑定人は、PTSDなどの専門家であり、犯罪被害者支援で有名な、小西聖子であった。そして、その小西でさえ、「事件には酌量の余地がある」と、鑑定に申し添えた。
こうした性犯罪の被害が犯行原因となっていたにも関わらず、伊藤嘉信は無期懲役を下された。現在の無期懲役は、終身刑と化しており、出所できる可能性は極めて乏しい。さらに、遺族による損害賠償請求により、2億7000万円もの債務を負わされた。

記者席は、傍聴席の最前列に12席も指定されていたが、4席しか埋まっていなかった。
遺族席は8席も指定されており、そのうち6席が埋まっていた。
被告人の関係者か、太り気味の初老の女性と、白髪の初老の女性が、うつむいて座っていた。
弁護人は、3人ついていた。白髪の眼鏡の老人である峯田弁護士と、七三分けの眼鏡をかけた中年男性と、眼鏡をかけた痩せた中年男性である。
書記官の青梅は、眼鏡をかけた禿げあがった中年男性。
検察官は、髪を七三分けにした眼鏡をかけた中年男性と、眼鏡をかけた中年男性の二人。
傍聴人は、20人ほど来ていた。
被告人である伊藤嘉信は、瘦せ型の青年だった。やや丸顔の童顔であり、おとなしそうな印象の顔立ちだ。どちらかと言えば小柄である。眼鏡をかけ、頭は丸坊主にしている。白いワイシャツに、黒い袖なしセーター、黒い長ズボンという格好だった。硬い表情で入廷した。
志田裁判長は、眼鏡をかけた、禿げあがった老人だった。裁判官は、眼鏡をかけた中年男性と、中年男性であった。
伊藤嘉信被告の控訴審公判は、13時30分より開廷した。

裁判長『開廷します。被告人質問の前に、書証について、処理します。前回弁護人請求の、カルテ三つは維持しますか』
弁護人『はい』
裁判長『検察官は』
検察官『同意します』
裁判長『提出してください』
書証は提出される。
裁判長『被告人、前に』
伊藤嘉信は、証言台の椅子に座った。
裁判長『弁護人の質問に、簡潔に答えてください』
被告人『はい』
まずは、老弁護人である、峯田典明弁護士による被告人質問が行われた。被告人質問に答える伊藤の声は、とても小さかった。

<峯田弁護士による被告人質問>
弁護人『今回の事件原因はどういうことだったんですか』
被告人『Aさんから受けた、性的な暴行です』
弁護人『性的な暴行について、最初受けたのはいつですか』
被告人『小学四年生の頃と思います』
弁護人『そう思うのは?』
被告人『・・・6年生の時とか、そういう時ではなかったと、自分の中では思っています(首をかしげながら言う)』
弁護人『なんと?』
被告人『小学6年生の頃ではなかったと思います』
弁護人『5,6年生ではないとはっきり言えるんですね?』
被告人『はい』
弁護人『捜査時も、小学校4年生の頃と言っている』
被告人『はい』
弁護人『貴方の方から小学校四年生の頃とでたんですか?』
被告人『・・・ちょっと覚えてません』
弁護人『小学校5,6年生の頃ではないから、4年だと言えるんですね』
被告人『はい』
弁護人『季節は、小学4年生のいつごろか』
被告人『冬ごろだと思います』
弁護人『冬だったと言える根拠は』
被告人『私が雪遊びをしている頃だったと思います』
弁護人『雪遊びの頃と覚えてる』
被告人『はい』
弁護人『性的暴行をされた場所は覚えていますか』
被告人『うちの家の脇にある、脇にあった車庫です』
弁護人『今もありますか』
被告人『今はありません』
弁護人『車庫について、何を覚えている』
被告人『私の中では、緑のイメージがあります』
弁護人『何が緑色ですか』
被告人『ビニールシートです』
弁護人『ビニールシート』
被告人『ビニールシートの中が緑っぽい色だったと覚えています』
弁護人『行ったのは』
被告人『遊んでいる時、Aさんが来て、ちょっと来いと言って、車庫に連れていかれました』
弁護人『電話で呼び出された?』
被告人『覚えてません』
弁護人『中に何があった』
被告人『何もありませんでした』
弁護人『車庫の中で覚えていることは』
被告人『シートが緑っぽかったくらいです』
弁護人『覚えているのは、それだけ』
被告人『はい』
弁護人『中に敷いてあったものは』
何か答えるが、聞き取れない。徐々に、忌まわしい記憶の核心に迫っていくのが、重圧となっているのだろうか。
裁判長『もっと大きな声で話してくれませんか!』
被告人『はい。砂利みたいな小石だったと思います』
弁護人『中で何があった』
被告人『跪くような格好をさせられて、Aさんが私の前に立って、ズボンを下ろしました』
弁護人『Aさんは、何を言いましたか』
被告人『これをなめろ、と言われました』
弁護人『これっていうのは、何をさしていますか』
被告人『性器です』
弁護人『それで、貴方はどうしましたか?』
被告人『小便するところなので、汚くて、嫌なので、嫌だと言って・・・』
弁護人『嫌だと言ったんですか』
被告人『逃げようとしたんですけど、その時に、頭を叩かれて、お前がやらないんだったら弟や妹やガッチャン(?)にやらせる、と言いました』
弁護人『それで』
被告人『怖かったし、弟や妹・・・すごく嫌でした(声は揺れている)』
弁護人『それでどうしました』
被告人『それで、私が固まっていると、Aさんが私の頭を上から押さえて、顔の方に押し付けました』
弁護人『それで貴方はどうしましたか』
被告人『そのままじっとしていました』
弁護人『性器を口に入れたんですか』
被告人『その前に、早く舐めろって言われて、怖くて、言うとおりにしました』
弁護人『最初に性器を舐めた』
被告人『そうじゃなくて・・・』
弁護人『それで』
被告人『性器の周りとか、色々、舐めろって言われました(言葉途切れつつ)』
弁護人『いうとおりにした』
被告人『はい』
弁護人『時間はどれくらい』
被告人『15分ぐらいだったと思うんですけども、すごく長く感じました』
弁護人『Aさんはどうしましたか』
被告人『口の中に射精されました』
弁護人『で、Aさんは何か言いましたか』
被告人『(聞き取れず)変な味して、吐き出しました』
弁護人『Aさんは何か言いましたか』
被告人『出さないで飲めって、言われました』
弁護人『飲んだんですか?精液を』
被告人『いえ、すぐ吐き出してしまったので、飲みませんでした』
弁護人『射精時の感じ、覚えていますか』
被告人『覚えてません』
弁護人『覚えてる』
被告人『覚えてません』
弁護人『精液の味、感覚は?』
被告人『すごく変な味だったっていうのと、ドロッとした感じだったっていう、それだけです』
弁護人『それで精液を吐き出してから、Aさんに何か言われましたか』
被告人『誰にも言うなよ、言ったら弟や妹やガッチャンに行くからな、と言われました』
弁護人『その前に、Aさんは飲めと言ったんですよね、精液を』
被告人『はい』
弁護人『吐き出した後、Aさん、何か言わない?』
被告人『何も言いません』
弁護人『何で飲まないんだ、とは?』
被告人『覚えてません』
聞き取れないくらい小さな声だった。
弁護人『覚えていない』
被告人『はい』
弁護人『その後、何をしたか』
被告人『覚えてません』
弁護人『場所は、家の裏の車庫でしたよね』
被告人『はい』
弁護人『家に帰ったこと覚えてないですか』
被告人『覚えてません』
弁護人『覚えていない』
被告人『はい』
弁護人『何したか記憶にないですね』
被告人『ありません』
弁護人『それが最初だった』
被告人『はい』
弁護人『他に覚えていることや、イメージは?』
被告人『解りません』
弁護人『その後もされた』
被告人『はい』
弁護人『他に覚えていることは』
被告人『Aさんに車庫に連れていかれるときに、またされると思って、口の中に雪を詰め込んだことは覚えています』
弁護人『それは、一回目の後、どれくらいたってからという記憶はありますか』
被告人『ありません』
弁護人『ない』
被告人『はい』
弁護人『季節は、雪と言ったが、いつ頃ですか』
被告人『冬ごろです』
弁護人『ん?』
被告人『冬ごろです』
弁護人『雪を口の中に詰めたのはなぜだったんですか』
被告人『解りませんけども、またされると思って、詰め込んだって記憶があります』
弁護人『性器を咥えさせられると思ったんでしょうかね』
被告人『そうだと思います』
弁護人『口に雪を詰め込んだときは、どうなった?』
被告人『車庫の中で頭を叩かれたりして、雪を吐き出されて、性器を舐めさせられたりしました』
弁護人『舐めさせられた他には』
被告人『射精されて、ちゃんと飲め、って言われました』
弁護人『飲んだか記憶していますか』
被告人『その時は飲んだと思います』
弁護人『飲んだ時の感覚は覚えていますか』
被告人『覚えていません』
弁護人『その後、何をしたか覚えていますか』
被告人『覚えていません』
弁護人『口に雪を詰め込んだことで、他に、覚えていることはないですか』
被告人『ないです』
弁護人『そのほかに覚えていることは』
被告人『されたのかっていうのは解らないんですが』
弁護人『うん』
被告人『性器をしごかされたり、何度か精液を飲まされたりしたことはあります』
弁護人『Aさんからそういうことをされたのは、何回ぐらい?』
被告人『10回ぐらいだったと思います』
弁護人『10回のうち、思い出せるのは何回ぐらいですか』
被告人『最初に言った三つと』
弁護人『三つというのは、どれどれ?』
被告人『一番最初の冬と、一回目か二回目かちょっと解らないんですけども、冬に、口の中に雪を詰めたっていうのと、連れていかれるときに、車庫の周りに枯葉があったっていうことを覚えてます』
弁護人『車庫の周りに枯葉があった時を覚えていると。そのとき何された』
被告人『覚えていません』
弁護人『連れていかれたのを、覚えているっていうことですか』
被告人『はい』
弁護人『最後に行ったの、何覚えている』
被告人『Aさんの家で、そういうこと』
弁護人『家でそういうことをされたことを覚えている』
被告人『はい』
弁護人『どうしてAさんの家に行ったんですか』
被告人『覚えてません』
弁護人『Aさんの家で何をしてた』
被告人『Sさんと私、二人で遊んでいたと思います』
弁護人『Sさんというのは?』
被告人『Aさんの同級生です』
弁護人『Aさんは、家にいた?』
被告人『(聞き取れず)』
弁護人『貴方遊びに行ったときに、Aさん、家には』
被告人『いませんでした』
弁護人『どうしてされるようになった』
被告人『覚えてません』
弁護人『Aさんからどこに、家から連れていかれたか記憶にある』
被告人『はい』
弁護人『どういう場面で出てきたか記憶にある?』
被告人『ありません』
弁護人『ない』
被告人『はい』
弁護人『連れていかれる場面、覚えている』
被告人『覚えてないです』
弁護人『どこでされたか覚えている』
被告人『はい』
弁護人『どこですか』
被告人『玄関に入ってまっすぐ右の部屋です』
弁護人『どういう部屋か当時解りますか』
被告人『解りませんでした』
弁護人『間取りがいつ分かった』
被告人『事件時です』
弁護人『事件時うちに入って、解った』
被告人『はい』
弁護人『どんな部屋ですか?』
被告人『Bさんたちの寝室だったと思います』
弁護人『寝室だった部屋で、されたことがあると』
被告人『はい』
弁護人『そこで、Aさんは、まず何をしましたか?』
被告人『アダルト雑誌を開いて、私に見せました』
弁護人『Aさん、服は着ていましたか』
被告人『着ていたと思います』
弁護人『上も下もきていましたか』
被告人『ちょっと記憶ありません』
弁護人『見せて、何か言った?』
被告人『私のズボンをおろして、私の性器を触って、お前立たないのかと言われました』
弁護人『他に、性器を触られたことは』
被告人『覚えている限りではなかったです』
弁護人『その時、初めてということですか。その後はどうしましたか』
被告人『そのあと・・・Aさんは、足を舐めろと言ってきました』
弁護人『足ですか?』
被告人『足の指です』
弁護人『足の指ですか。それでどうしましたか』
被告人『いやだって言いました』
弁護人『それでどうしましたか』
被告人『私の頭を叩いて、弟たちがどうなるのか解ってるのか、って言われました』
弁護人『そう言われてどうしましたか』
被告人『(聞き取れず)舐めました』
弁護人『Aさんの姿勢は』
被告人『座っていて、右足の方を私の方に出していました』
弁護人『洋服は着ていましたか』
被告人『その時は着ていませんでした』
弁護人『下半身裸』
被告人『はい』
弁護人『それ以外に足の指を舐めされたことは』
被告人『ありません』
弁護人『始めてやらされた』
被告人『はい』
弁護人『それでどうしましたか』
被告人『それから、Aさんが四つん這いになって、尻の穴を舐めろと言われました』
弁護人『言われた通りにしましたか?』
被告人『嫌だったけど(泣き声になり、聞き取れなかった)』
弁護人『それでどういいましたか』
被告人『これで最後にしてやっから、(聞き取れず)お前がやれば終わるんだぞ、って言われました』
弁護人『それで、どうしましたか』
被告人『嫌だったんですけど、言うとおりにしました』
弁護人『それで』
被告人『性器を舐めさせられました』
弁護人『その後は』
被告人『覚えていません』
弁護人『この時、性器を咥えさせられたことは』
被告人『咥えさせられました』
弁護人『それで』
被告人『舐めさせられました』
弁護人『それで、Aさんは何といいましたか』
被告人『これで最後にしてやっから、と言いました』
弁護人『射精はされましたか』
被告人『解りません』
弁護人『解らない』
被告人『覚えてません』
弁護人『覚えてない。で、最期にしてやると言われて』
被告人『どうもしません』
弁護人『Aさんは』
被告人『解らないです』
弁護人『解らない。それ、最期だった』
被告人『はい』
弁護人『最初に、暴行を受けて、期間は?』
被告人『解りません』
弁護人『最後はいつですか』
被告人『解らないです』
弁護人『解らない。山形の裁判所で、小学5年生の最後と話しないか』
被告人『はい』
弁護人『それ、はっきり言えないですか?』
被告人『イメージがあって(聞き取れず)』
弁護人『連れていかれたって、Aさんの家の話ですか』
被告人『違うと思います』
弁護人『Aさんの家、最期っていう記憶ではない?』
被告人『(聞き取れず)今は思い出せません』
弁護人『最後、覚えてないと』
被告人『はい』
弁護人『10回されたと言った』
被告人『はい』
弁護人『一回一回の間隔は言えますか』
被告人『解りません』
弁護人『解らない。Aさんから性的暴行をやられる時、毎回射精されましたか?』
被告人『毎回ではありません』
弁護人『毎回ではないと。精液を飲まされた回数は』
被告人『正確には解りません』
弁護人『覚えている場面で、二回ぐらいですかね』
被告人『(聞き取れず)』
弁護人『二回以上ありますか?』
被告人『そういうこと何度かあったっていう記憶です』
弁護人『二回以上?』
被告人『自分の中では』
弁護人『やられる場所、大体同じ?』
被告人『はい』
弁護人『連れていかれるきっかけなんですが』
被告人『はい』
弁護人『電話で呼び出されたことはありましたか』
被告人『解りません』
弁護人『覚えてない』
被告人『覚えていません』
弁護人『捜査時、足の指や尻穴を舐めさせられたことは』
被告人『言えませんでした』
弁護人『言わなかった理由は』
被告人『屈辱的で・・・言えませんでした(声が震える)』
弁護人『捜査段階から覚えてはいたのね』
被告人『はい』
弁護人『今回、山形の裁判所と違い、昔されたことを、だいぶ詳しく話してもらったが、体の具合、変化はありますか?』
被告人『胸が苦しいです』
弁護人『胸が苦しい。他には何か変わったことはありますか?』
被告人『少しイライラします』
弁護人『イライラする。我慢できる範囲?』
被告人『大丈夫です(小声)』
弁護人『そういう事され、小学校の生活に変化は?』
被告人『うちに籠るようになりました』
弁護人『原因は』
被告人『Aさんに会いたくなかったです』
弁護人『他には』
被告人『父と風呂に入るのが嫌になりました』
弁護人『お父さんとお風呂に入りたくなくなったんですか』
被告人『はい』
弁護人『理由は何ですか』
被告人『意識してしまって、一緒に入りたくなくなってしまいました』
弁護人『意識してしまうとは、心境は』
被告人『性器とか、そういう、自分のされたこと、思い出してしまう(小声)』
弁護人『一緒に風呂に入ると思い出す』
被告人『はい』
弁護人『他に変わったことは』
被告人『ちょっと(聞き取れず)』
弁護人『人の裸見るのはどうですか』
被告人『人の裸を見たくなかったし、自分の裸も見られたくなかったです』
弁護人『小学校の頃は、Aさんからされたことをどう思っていましたか』
被告人『汚くて、ずいぶん嫌な事だと、ずっと思っていました』
弁護人『どういうことをされたか、意味は解っていましたか』
被告人『わかりませんでした』
弁護人『Aさんにはどう思っていましたか』
被告人『会いたくありませんでした』
弁護人『両親に話はしましたか』
被告人『しませんでした』
弁護人『理由は』
被告人『Aさんは怖かったし、話すとそうすると言われましたし、どうしたらいいか解りませんでした』
弁護人『小学校の頃、中学に行きたくないと言ったことがある』
被告人『はい』
弁護人『理由は』
被告人『(聞き取れず)いじめられたりするのが嫌だったと、そういう理由だったと思います』
弁護人『Aさんからされたことの意味が解ったのは』
被告人『中学一年生の頃だったと思いますけど、同級生と下ネタの話になって、それで、自分のされたことが性的な行為だったと解りました』
弁護人『それでどう思いましたか』
被告人『(聞き取れず)汚い、嫌だ、だけじゃなくて、屈辱的な感じでした』
弁護人『意味わかり、体の具合は』
被告人『毎日ではないんですけど、体が熱くなって、胸が苦しくなって・・・イライラしてくる、そんな感じになりました』
弁護人『Aさんからされたことが解ってから、人間関係で変わったことは』
被告人『自分のされたことを知って、笑い声も、自分のされたことを知っているんじゃないかと、そういうことで、気になるようになりました』
弁護人『Aさんからされたこと、忘れることはあるんですか』
被告人『いえ、頭の中のどこかにあって、忘れられないようになりました』
弁護人『こびり付いているイメージは』
被告人『私が、跪かされて、猥褻なこと、足を舐めさせられている事でした』
弁護人『体の具合、悪くなると言いましたね』
被告人『はい』
弁護人『回数、ペースはありますか』
被告人『毎週とか、そういうことはなかったんで、自分の中では月に一回か二回だったと思いますけど』
弁護人『どういう時に、体調悪くなるのは』
被告人『Aさんのされたことを頭の中に思い出してしまったりすると、必ずではないんですが、そういうことがあります』
弁護人『思い出すと、どうしていましたか』
被告人『剣道で発散していた面もあったと思うんですけど』
弁護人『中学の頃、友人とトラブル起こしたことがある』
被告人『はい、あります』
弁護人『どんなことがありましたか』
被告人『(聞き取れず)授業中に注意したんですけど、聞かなくて、それで、かっとなって、殴りました』
弁護人『どんな』
被告人『ぼこぼこにする感じで、抵抗できないまま、何度も殴る感じでした』
弁護人『家に帰ってどうしましたか』
被告人『親に話しました。友達の所に謝りに行きました』
弁護人『それで、気持ちは』
被告人『ああやりすぎたな、と思いましたので、謝りに行きました』
弁護人『友人、許してくれましたか』
被告人『許してくれました』
弁護人『高校の時、体に変調、ありましたか』
被告人『はい、ありました』
弁護人『どんな変調ですか』
被告人『体が締め付けられるような感じで、熱くなる感じで、何が起きたのか』
弁護人『中学校の頃と違いは?』
被告人『自分、筋トレしていたりジョギングしたりして発散したんですけど、どうしても収まらないと、自分の体を殴ったりしました』
弁護人『中学校の頃と違う感じはしましたか』
被告人『違和感みたいのはあります』
弁護人『収まりにくい』
被告人『中学の頃より収まりにくくなった気がします』
弁護人『それで』
被告人『筋トレしたり、ジョギングしたりしていたんですが、どうしても収まらないときは、自分の体を叩いたりしていました』
弁護人『どこを叩く』
被告人『胸や腹や太腿です』
弁護人『そうすると、少し収まる』
被告人『はい』
弁護人『それが起こる回数は、中学の頃と増えた』
被告人『そんなに変わらなかったと思います』
弁護人『回数は変わらないと。高校の頃、修学旅行に行かないと言ったことがある』
被告人『はい』
弁護人『どういう理由からですか』
被告人『他人の裸を見たくなかったのと、自分の裸を見せたくなかったのがありました。行きたくないと言いました(聞き取れず)』
弁護人『御父さんからだいぶ説得された』
被告人『はい』
弁護人『それで修学旅行行った。』
被告人『はい』
弁護人『お風呂は』
被告人『大丈夫でした』
弁護人『人の体見ずにすんだ』
被告人『はい』
弁護人『高校の頃、自殺考えた』
被告人『はい、坂を下っている時に、そのまま(聞き取れず)そうすれば、楽になるな、そう思ったことがありますし、自分が死ねば終わる、そう思ったこともあります』
弁護人『高校の頃、お母さんから、妹さんや弟さんが夜中うるさいと言っていると、注意されたこと』
被告人『覚えてません』
弁護人『覚えていない。夜中、体が悪くなったこと』
被告人『あります』
弁護人『それでどうしていましたか』
被告人『自分の体叩いていました』
弁護人『叩くのは自分の体』
被告人『物に当たったこともありました』
弁護人『それで、注意されたことは』
被告人『ありません』
弁護人『あまり、はっきり覚えていない』
被告人『はい』
弁護人『高校の時、友人とトラブルある』
被告人『はい、あります』
弁護人『何ですか?』
被告人『スキーの授業で、雪玉を投げあっていて、私にぶつかったので、ぶつかっただろと怒りましたら、うるせーと言われて胸ぐらをつかまれたので、私もつかみ返したら、周りの人たちが私を殴りました』
弁護人『貴方は殴り返した?』
被告人『向こうが3,4人だったので、何もできませんでした』
弁護人『一方的に殴られた』
被告人『はい』
書記官『今のは何授業?』
弁護人『今のはスキー授業って言いましたか?』
被告人『はい、スキー授業です』
弁護人『高校時、Aにはどう思っていましたか?』
被告人『許せないと思いましたし、いつか殺してやりたいと思いましたし、(聞き取れず)』
裁判長『速記変わってないからな。よし、続けて良い』
被告人『ボコボコにしてやりたいと思いました』
弁護人『高校に入ってからAさん、見かけたり、会ったりしたことはありますか』
被告人『たまに見かけることはありました』
弁護人『そういう時の気持ちは』
被告人『イライラしたんですけども、その時はそれだけでした』
弁護人『Aさんを殺してやりたいとあった』
被告人『はい』
弁護人『仕返し行こうとしたりは』
被告人『ありませんでした』
弁護人『行かなかった理由は』
被告人『自分の中で、怖いです』
弁護人『誰がですか』
被告人『Aさんがです』
弁護人『怖くて、自分から会いに行ったことない』
被告人『ありません』
弁護人『怖いと感じる理由は』
被告人『解りませんが、自分の中で、怖いという感じがあります』
弁護人『小学校の頃されたことが影響している』
被告人『そうだと思います』
弁護人『専門学校行ってからも、体の変調はありましたか』
被告人『はい』
弁護人『高校時と症状に、違いは』
被告人『そんなになかったと思います』
弁護人『症状は変わってない』
被告人『はい』
弁護人『体悪くなったらどうしていましたか』
被告人『いわゆる、トレーニングルームがあったので、そこで筋トレしたり、サンドバッグを好きなだけ殴っていました』
弁護人『体の変調頻度』
被告人『あまり変わらなかった』
弁護人『あまり変わらなかった。東京に行ってから、気持ちに違いは』
被告人『Aさんから離れられたっていうのもありますし、その意味では気が楽だと思います』
弁護人『気が楽ということで、体の変調に影響は』
被告人『気にしなくてよくなったことで、和らいだような気はします』
弁護人『専門学校時、Aさんにはどう思っていましたか』
被告人『許せなかったし、ボコボコにしてやりたい、殺してやりたい、そういう思いは、やっぱりありました』
弁護人『平成14年に山形に帰ってくる』
被告人『はい』
弁護人『体調不良はどうなりましたか』
被告人『少し重くなった気はします』
弁護人『どこで思う』
被告人『筋トレをしたり、自分の体を殴ったりしていたんですが、治まりにくくなって、部屋の壁を殴るようになりました』
弁護人『それまでと違う』
被告人『はい』
弁護人『体を叩く回数増える?』
被告人『解りません』
弁護人『具合が悪くなったときに、叩いて治める』
被告人『はい』
弁護人『時間がかかるのか、それとも・・・』
被告人『叩く強さ』
弁護人『強くたたかないと治まらなくなった』
被告人『はい』
弁護人『回数は増えた?』
被告人『そのままだったと思います』
弁護人『変わらない』
被告人『はい、そう思います』
弁護人『体、具合が悪くなり、何をしていた』
被告人『筋トレしたり、ジョギングしたり、自分の体を叩いたりしていました』
弁護人『自分の体を叩く』
被告人『あとは、床とか、壁を叩いたり』
弁護人『床や壁を叩く』
被告人『はい』
弁護人『こぶし握って叩く』
被告人『はい』
弁護人『拳腫らしたことは』
被告人『はい、あります』
弁護人『それが原因で医者に行ったことは』
被告人『あります』
弁護人『何回ありますか』
被告人『二回です』
弁護人『どこへ行った』
被告人『病院の整形外科です』
弁護人『何をして拳を腫らしたか、覚えていますか』
被告人『はい』
弁護人『まず、一回目は』
被告人『一回は、(聞き取れず)イライラして、床を殴ってしまったんですが、その時、拳が腫れてしまいました』
弁護人『どこの床を殴った』
被告人『自室です』
弁護人『何回位殴りましたか』
被告人『覚えていません』
弁護人『その時、拳はどうなりましたか』
被告人『覚えていません』
弁護人『覚えていない。拳を腫らして、どうしましたか』
被告人『母に、病院に行きなさいと言われたと思います』
弁護人『で、病院に行き、医者にどう説明した』
被告人『本当のことを言いませんでした。自分のされたことを話さなければいけなくなると思って、本当のことを言いませんでした』
弁護人『どうして拳を腫らしたかについて、本当のことを言わなかった』
被告人『はい』
弁護人『もう一度聞きますが、何で本当のことを言わない?』
被告人『屈辱的で、言えませんでした』
弁護人『理由を言うと、されたこと、言わないといけない』
被告人『はい』
弁護人『お医者さんにどういう説明をしたかは』
被告人『覚えてません』
弁護人『もう一回腫らしたのは』
被告人『Aさんをボコボコにしたいとか、そういう風に思っていて、ユウジコウ(?)の蓋を殴りました。そうしたら手が腫れてしまって、それで病院に行きました』
弁護人『なぜ、ユウジコウの蓋を殴りたかったの』
被告人『拳が鍛えられると思いました』
弁護人『蓋を殴れば、鍛えられると思ったんですか』
被告人『(聞き取れず)硬いものを殴るっていう、(聞き取れず)それで、殴りました』
弁護人『その時は、体悪くなったり、イライラは』
被告人『その時はないです』
弁護人『拳を腫らして、どうしましたか』
被告人『医者に行けと言われました』
弁護人『その時、医者には理由は』
被告人『話していません』
弁護人『話してない』
被告人『はい』
弁護人『イライラして、腫らしていない』
被告人『はい』
弁護人『どうして話さない』
被告人『自分で殴って、自分で荒っぽいなと思って、それで、適当なことを言いました』
弁護人『二回あったこと言ってもらったが、どっち先か、順番は覚えていますか』
被告人『覚えていません』
弁護人『時期、よく覚えてないですか』
被告人『はい』
弁護人『風呂の中で具合悪くなることは』
被告人『何度かありました』
弁護人『その時は、何をした』
被告人『湯船の水道を叩いたりしてました』
弁護人『風呂の壁は叩いてないか』
被告人『風呂の壁はないです』
弁護人『湯を叩いて、体調不良治まる?』
被告人『治まったか記憶にありません』
弁護人『風呂上がりで苦しくなったことはありますか』
被告人『覚えてません』
弁護人『ランニングに行って、苦しくなったことはありましたか』
被告人『覚えてません』
弁護人『ランニングに行って、苦しくなって、母に介護してもらったこと』
被告人『覚えてません』
弁護人『腕から血を流しているの、母に見られたこと』
被告人『覚えてません』
弁護人『覚えていない』
被告人『はい』
弁護人『カッターで手、傷つけたこと』
被告人『それはあります』
弁護人『それはあった』
被告人『はい』
弁護人『理由は』
被告人『Aさんからされたことで、イライラして、カッターで傷つけてしまいました』
弁護人『その回数は。一回だけですか?』
被告人『2,3回はあったと思います』
弁護人『それは、山形に帰ってきてから?』
被告人『(聞き取れず)解らないです』
弁護人『カッターで切った傷』
被告人『はい』
弁護人『今も、残っている』
被告人『はい』
弁護人『見せて』
被告人『はい』
伊藤は、袖をまくり上げた。
弁護人『検察官の方に見せて』
裁判長『あの、検証みたいになってしまうと困るので、弁護人の方で、言葉で質問してください』
弁護人『傷どこであるか、指で刺して。左手の上腕の、手のひらを下に向けた逆の方』
被告人『はい』
弁護人『手首より下、5センチぐらいの所ですか。そこに、腕に垂直に、何か所あるか指してください?一か所、二か所』
被告人『ここにもう一か所あります』
弁護人『ん?』
被告人『もう一か所ここにあります』
弁護人『三か所ですか』
被告人『はい』
弁護人『腕に垂直の傷が三か所あると』
被告人『はい』
弁護人『他にありますか』
被告人『ちょっと・・・解らないです』
弁護人『腕に平行な傷はありませんか』
被告人『解りにくいですけど、これ』
弁護人『左手の上腕部、小指から下に5センチぐらい体の方向に来たところに、傷の長さは10・・・5センチぐらい・・・かな?』
裁判長『15?傷の長さですか?5センチ?1,2センチと言わないかな』
弁護人『2センチぐらいね』
遺族の一人は、このあたりで、ぼそぼそと何か話していた。
弁護人『夜、山形にいるとき、睡眠取れていましたか』
被告人『とれていません』
弁護人『夢見ることはある』
被告人『はい』
弁護人『どんな夢を見ましたか』
被告人『真っ逆さまに落ちていく夢を見ました』
弁護人『で、どうなる』
被告人『その後、眠れなくなりました』
弁護人『その後、一睡もしない』
被告人『一睡もできない感じでした』
弁護人『夜中に何度か起きたり』
被告人『それもあったと思います』
弁護人『夜中に目覚めると、どうしていました』
被告人『夜中に起きると、音楽を聴いたりして、気を紛らわせたりしていました』
弁護人『寝汗はかきませんでしたか』
被告人『かいたこともあります』
弁護人『着替えはしませんでしたか?』
被告人『着替えはしました』
弁護人『一日に着替えることは』
被告人『ちょっとよく解らないんですけど、一度は着替えました』
弁護人『それは母に話した?夢のことですが』
被告人『ありません』
弁護人『結局はない』
被告人『はい』
弁護人『山形に帰って、Aさんにはどう思っていた』
被告人『(聞き取れず)ずっと殺してやりたいと思ってましたし、死んだほうがいいとも思っていましたし、ボコボコにしたいとも、思っていました。ボコボコにするところを、想像したりもしました』
弁護人『どうやってボコボコにしている場面を想像する?』
被告人『手足で殴ったり、ボコボコにするところです』
弁護人『平成18年の1月、事件の年、携帯で、Aさんの車のナンバープレートの写真撮ったことありますか』
被告人『はい』
弁護人『それは、わざわざ撮りに行った?』
被告人『友人の家からの帰りだったと思うんですが、Aさんの家の前に車があったので、ボコボコにしてやりたいと思っていたので、撮りました』
弁護人『車中からとった』
被告人『はい』
弁護人『写真を撮った目的は』
被告人『ボコボコにしてやりたいと思って撮りました』
弁護人『ちゃんと撮れてた?』
被告人『いいえ、何が映ってるのか解らない写真しか、とれませんでした』
弁護人『その写真はどうしましたか』
被告人『(聞き取れず)』
弁護人『撮り直そうとは』
被告人『はい、思いませんでした』
弁護人『なぜ?』
被告人『解りません』
弁護人『他に、ボコボコにするのに役立つと思ってしたことは』
被告人『ないと思います』
弁護人『ない。どうして、しない』
被告人『ふと思ったっていうだけだったので』
弁護人『何をふと思った?』
被告人『いつかボコボコにしてやりたいっていうのがあったので、役に立つと思った』
弁護人『その時はね』
被告人『はい』
弁護人『役に立つと思ってやった』
被告人『はい』
弁護人『他にやったことは』
被告人『記憶にありません』
弁護人『貴方の女性への気持ち、どんな気持ち?』
被告人『女性と恋愛したいと思っていました。Aさんにされたこと、自分が汚いと、そういう考えもあって、いつかばれて、嫌われるんじゃないかと、そういう思いがあって、積極的になれませんでした』
弁護人『女性に興味はあったんですね』
被告人『はい、あります』
弁護人『どういう事がありましたか』
被告人『性的なことを、避けたいと思うんですけど、知りたいというのもありました』
弁護人『知りたいと思って、何をした』
被告人『一度、AVを見ました』
弁護人『それでどうなった』
被告人『自分のされたこと思い出して、生々しくなりました。気持ち悪くなりました。それ以来見ていません』
弁護人『それ以来は見ていない』
被告人『はい』
弁護人『雑誌はどうですか』
被告人『見ました』
弁護人『アダルト雑誌』
被告人『はい』
弁護人『見ると』
被告人『似たような感じになりました』
弁護人『どんな感じ』
被告人『気持ち悪くなりました』
弁護人『で、それ以来アダルト雑誌は』
被告人『見ていません』
弁護人『貴方の部屋には、アダルトゲームある』
被告人『はい』
弁護人『どんな』
被告人『ストーリーとか普通のゲームと同じなんですけども、そのゲームの中に、性的なシーン含まれているゲームです』
弁護人『ゲームは動画ですか?』
被告人『いいえ、動画ではない』
弁護人『静止画』
被告人『はい』
弁護人『その中で、口淫シーン』
被告人『はい』
弁護人『ありますか』
被告人『はい、あります』
弁護人『ゲームをしていて、そういう場面出てきたこと』
被告人『はい、あります』
弁護人『どうなる』
被告人『やっぱり気持ち悪くなるんですけど、AVほど生々しい感じではない感じで。まだ、自分では我慢できる感じでした』
弁護人『口淫シーンのあるゲームを買って遊んでいた』
被告人『はい』
弁護人『その理由は』
被告人『性的なこと知りたい、Aさんからされたこともあるんですけど、知りたいと思っていました』
弁護人『そういう、性的な場面が出てくるゲームを選んでいた?』
被告人『(聞き取れず)』
弁護人『そもそも、ゲームが好き』
被告人『ゲームは好きです』
弁護人『でも、性的場面にも、興味あった』
被告人『はい』
弁護人『AVと、どう違うの』
被告人『自分では、すごく生々しい感じ、気持ちが悪くなって、嫌だと思って、気持ち悪いっていう感じはあるんですけど、完全な作り物っていうか、自分の中ではそういう気持ちでした』
弁護人『山形で、仕事している』
被告人『はい』
弁護人『あまり、長くやっていない』
被告人『はい』
弁護人『長続きしない理由は』
被告人『給料が安かったのと、仕事の内容とか、自分には向いてないなーっていうのがあったんですが、やはり、Aさんにされたことを、みんな知ってるんじゃないかと思って(聞き取れず)』
弁護人『職場でトラブル起こしたことは』
被告人『ありません』
弁護人『記憶にない』
被告人『はい』
弁護人『山形に行って、体の変調、重くなったと』
被告人『はい』
弁護人『体の変調、重くなったまま?どんどん重くなる?変化は?』
被告人『重くなったように思いますね』
弁護人『山形に来てから、どんどん重くなっていった』
被告人『はい』
弁護人『どういう点でそう思う』
被告人『自分の体殴ったりとか、抑えていたんですけど、それで治まらなくなってきて、壁とか床とか枕とか殴ったりして、それで、重くなったのかなと思います』
弁護人『具合が悪くなったときに、体殴って、それで治まらなくて、壁叩くこと』
被告人『はい』
弁護人『いうことを言ってる』
被告人『はい』
弁護人『専門学校時は』
被告人『そこまで酷いのはなかった』
弁護人『それ続いていることは、どう思っていた?』
被告人『一生、生きていかないのかと思って、嫌な思いでしたし、そういうことに疲れてたっていうのもありました』
弁護人『医者に診てもらおうと考えない?』
被告人『自分の事を話せなかったので、考えませんでした』
弁護人『犯行時の事を聞いていきます』
ここで、休廷となる。14時48分。15時10分まで休廷である。
伊藤は、伏し目がちに、退廷した。

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