米国株、ダウ反落し158ドル安 地銀格下げで金融株に売り ナスダックも反落
米国株、ダウ反落し158ドル安 地銀格下げで金融株に売り ナスダックも反落
2023年8月9日 5:27 (2023年8月9日 5:31更新)
【NQNニューヨーク=横内理恵】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比158ドル64セント(0.4%)安の3万5314ドル49セントで終えた。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによる一部米地銀の格下げを受けて金融株に売りが広がった。中国景気の弱さが意識されたのも投資家心理の重荷となった。
ムーディーズは7日夜にM&Tバンクなどを格下げしたほか、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンやステート・ストリートなど大手行の格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。資金調達コストの上昇や金融当局による資本規制の強化、商業用不動産向け融資にともなうリスクの拡大などを挙げた。
米地銀の経営不透明感が再燃したうえ、大手銀の業績悪化懸念も意識され、金融株全般の売りに波及。ダウ平均では、格付けの見直し対象になっていないゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースが売られた。
8日発表の7月の中国の貿易統計でドル建ての輸出と輸入の前年同月比の減少率がともに2ケタとなった。中国の内需の弱さと世界景気の減速を示したと受け止められ、素材や資本財など景気敏感株の売りを誘った。
ダウ平均は一時465ドル下げたが引けにかけては下げ渋った。10日に7月の米消費者物価指数(CPI)、11日に同じく7月の米卸売物価指数(PPI)の発表を控える。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を左右するインフレ指標を見極めたい投資家が多かった。
ダウ平均では顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトなどハイテクも売られた。一方、バイオ製薬のアムジェンと映画・娯楽のウォルト・ディズニーが上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比110.074ポイント(0.8%)安の1万3884.324で終えた。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などが売られた。
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