WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT👑👑 FIGHT WEEK ー藤田健児選手

■WBOアジアパシフィック フェザー級タイトルマッチ12R
藤田 健児（帝拳）
VS
ロデックス・ピアラ（フィリピン）

藤田健児ってどんなひと？

★WBOアジアパシフィックフェザー級王者、WBO世界フェザー級14位、WBC世界フェザー級27位

所属ジム：帝拳
生年月：1994年1月(30歳)
出身地：岡山県倉敷市
スタンス：サウスポー(左構え)
身長：168cm
プロデビュー：2021年3月
アマ戦績：174戦153勝21敗
プロ戦績：6戦6勝(3KO)無敗

走り込み合宿や基礎の見直しでパワーアップ！
KOを期待できる！？今回の試合について

ー1月に王座戴冠をし、今回が初の防衛戦となりますが、今回の試合に向けて特別なトレーニングはしましたか？

この試合に向けて特別なトレーニングはしていなくて、いつも通り練習して
います。4月には成田市のゴルフ場に1週間走り込み合宿に行ってきました。

朝に長い距離を走って、夕方に比較的短い距離を走るような生活でした。

ゴルフ場ってぬかるみがあるし、坂道もたくさんあって、普通の道と違うのですごく筋肉痛になるんですよね。足腰を強化をする合宿になりました。

ー帝拳ジム恒例の成田合宿ですね！合宿でのエピソードを聞かせてください。

今回は那須川天心、村田昴、増田陸と一緒に行きました。特段エピソードっていうものはないんですが…、天心とは今回で3回目で、合宿では夜みんなでホテルの浴場に行くのが恒例になってます。サウナもあるので一緒にサウナ入ったり。部屋は1人部屋なので、そこ(浴場やサウナ)で話したりしますね。

合宿の様子
出典：ご本人Instagram

ー1人の時間も取れるし、チームとの時間も取れて良い合宿だったんですね。今回の対戦相手にはどんな印象を抱いてますか？

相手選手の動画はちょっと観ました。戦績的には全勝ですが、KOは少なくて、倒すようなパンチはなく、やりづらそうだなぁ、という印象です。圧倒的に勝っている試合がなくて、全勝するほどではないかな…逆に不気味ですね。警戒はしていないんですが、ただ不気味に感じています。

ーその相手選手に藤田選手は何を活かしてどう勝ちますか？

前回の試合で12Rやって、最後にばてずにできたことは収穫だと感じています。ただ、ジムのトレーナーやマネージャーからはプロなんだから倒しに行け、というふうに言われました。特別なことをしているわけではなく、基本に戻って、打ち方から練習し直して半年間過ごしました。

ー半年間の成果が見られるかも…！？試合が楽しみになりますね。

前回の試合のローブローアクシデント。
あの時、藤田選手は何を考えていた？

ー相手選手がローブローを訴えて5分間休憩というアクシデントがありましたが、あの時どんなことを考えていたんですか？

よく聞いていただくのですが、記憶はないんです（笑）
「いつ始まるかなー」という風には考えていたかな。あと「再開したら向こうも元気になってくるだろうな」と考えて、次の戦略を考えていたんだと思います。

あとは「立たないとKOになってしまう」というアナウンスには複雑な感情にさせられました。「それでKOで勝ってもな…」という感情ですね。
ただ、良い経験でした。日本人ではああいう選手はいない。真面目じゃないっていうわけではないが、勝つためには手段を選ばない選手という意味です。アマチュアの時から、海外で戦うとそういう選手はいました。アマチュア時代の経験であまり乱されないで済みましたね

第10回 WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT
WBO-APフェザー級 王座決定12回戦  VSジョセフ アンボ 2024年1月20日(土) 後楽園ホール

ーアマチュア時代の経験を活かして見事戴冠。王者になってからはどうでしたか？

アマチュアでメダルはもらったことはあるが、チャンピオンベルトはもらったことがなく初めて。重みを感じました。あと周囲の方々にベルトを見てもらったり触ってもらったりして喜んでもらって、改めてチャンピオンになっ
たんだなと実感しました。

家族から、おめでとうという声はありましたが、世界王者というのが目標ですし、アマチュアの全日本の方がレベルは高かった。すごい褒めてもらったわけではないんですね。アジア王座は1つの通過点というのが家族の認識です。

ジム内では久しぶりにチャンピオンベルトを獲りました。歴史あるジムでチャンピオンとして、世界を目指す立場として、自覚を持たないといけないなと思っています。

ーとても真面目な藤田選手を垣間見られるお話ですね…！自覚をもたないといけないというのは、自発的に自然に思うようになったんですか…？

ジムの雰囲気ですね。年齢的にも自分の上は尾川堅一選手で他はみんな年下です。そのほとんどのメンツは顔見知りで、弱い姿や下手な姿は見せられないなと思っています。

ーなるほど！ちなみに誕生日が計量の日でしたね！何かお祝いしましたか？

特に何もないです（笑）お祝いする年ではないですし（笑）ただ、アジア王座は自分自身へのお祝いになりましたね。

「アマチュアとプロの違いは？」
アマチュアボクシングを極めた
藤田選手に聞きました

ー今年は五輪イヤーですが、藤田選手が思うアマチュアとプロの違いとは？

アマチュアは技術の戦い。技の魅せ合い、という感じですね。一方でプロは、もちろん技は必要だが、一発で終わらせることができる勝負ですよね。可能性をいっぱい秘めているのはプロだなと思います。

ーアマチュアボクシングの良さを教えてください！

アマチュアの3分3Rはとても短いので、攻防のひとつひとつの展開が早く、細かい動きの駆け引きがあります。プロはパンチが当たっているところだけを見ると思うんですが、アマチュアの場合は足の使い方や手の使い方を見ますし、駆け引きが面白いと思います。

自分がやっていた時は、頭を使ってカードゲームをしているような、パズルをしているような気分でした。プロもプロの面白さがありますが、アマチュアボクシングはより頭脳戦という感じで個人的には合っていました。アマチュアの全国大会で上位にいくとあまりなかったですが、1,2回戦くらいだったら、相手の癖を見てゲームプランを立てて倒していくというやり方を楽しんでやっていました。

もちろんプロもゲームプラニングは大事ですし考えることがベースですが、一発で形勢逆転してプランが崩れますよね。崩さないようにするのがトップ選手ですけどね。

アマチュア時代の藤田選手
出典：ご本人Instagram

「チャンスを掴むためには早めの決断」
子どもたちへのメッセージを聞きました

ーアマチュアを含めて長いキャリアになると思います。日本のボクシング界の変化や進展をどのように感じますか？

ちょうど僕が高校1年生でインハイで優勝して、その時に同級生の井上尚弥選手も優勝し、「1年生がインハイ優勝」というのがフューチャーされました。その2年前に東京農大の青木貞頼コーチが何十年ぶりかに高校1年生で優勝していて、そのあたりからキッズボクシングがフューチャーされはじめました。

それまでは高校の部活から始めるのが普通で、3年生でようやく優勝、早い人で2年生で優勝というのが一般的でした。プロの方のU-15（現在のJCL）が始まって、キッズの活性化が始まったんですよね。アジアや世界にも参加できるようになったのが僕らのちょっと上からの世代でキッズからやっている世代でした。最近だと世界ユース選手権で堤駿斗選手（志成ジム）などが優勝して、ユース世代の技術的な底上げを感じます。

僕らの世代もレベルが高い選手は高かったけど少数派でした。今の子たちは全体的にレベルが高いので競争が激しく「よくやっているなー」と思います。

ー子どもたちに何かメッセージはありますか？

プロに行きたいなら早めがいい（笑）
アマチュアのトップで僕と同じくらいの年齢でやってる選手はあまりいないです。それこそ秋山佑汰選手（自衛隊体育学校）や坪井智也（自衛隊体育学校）、岡澤セオン（INSPA）とか、数えるくらい。清水聡選手（大橋ジム）は31歳でプロ転向しましたけど、それもすごいことだと思います。

五輪は4年に1度しかないですし、やっぱりチャンスを早めに掴まないといけないので、遅くにプロを始めるのはチャンスを掴めなくなってしまう可能性が高いです。もし、五輪金メダルに人生の重きをおいているなら良いと思いますが、プロの世界王者を目指しているなら早めに決断をした方が良いと思います。

ご兄弟のお写真
出典：ご本人Instagram

ボクシング王国・岡山。
同郷の選手たちとの繋がりとは？

ー清水聡選手のお話が出ましたが、同郷ですよね。世界王者の晝田瑞希選手（三迫ジム）やユーリ阿久井政悟選手（倉敷守安ジム）もいますが、何か繋がりはありますか？

清水聡さんはかなり仲良しです。それこそ昔から海外の試合に一緒にいってましたし、国体の合宿もチーム岡山で一緒でした。

晝田選手は自衛隊体育学校としては同期なんです。一緒に雑用していた仲です（笑）晝田選手が1年先に自衛隊に入っていたので、自衛隊の所作とかいろいろ教えてもらっていました。

ユーリ阿久井政悟選手は国体で一緒に合宿したことがあります。あと、倉敷守安ジムに兄たちが所属していました。2番目の兄の大和は、僕が中学校の時に父のジムがオープンしたので、辞めてしまいましたが。

仲良しの清水聡選手（大橋ジム）とのツーショット。ご本人提供

最近の息抜きは、
粗品さんのYouTubeをラジオ代わりに。

ーボクシング以外の趣味や活動が、練習や試合に良い影響を与えることはありますか？

前回のインタビューで吉本新喜劇に行っていると言っていたんですが、最近は行ってないです（笑）あの時期によく行ってただけで。

ー行かれてないんですね（笑）最近は何をされてますか？

最近は暇さえあればYouTubeでお笑いを観ています。お笑いが息抜きになってることは一貫してますね。

粗品さんがツボなんですよね…。よくラジオ代わりに聞いています。（粗品さんの）人とは違うところが惹きつけられます。

ーお笑いで息抜きをして真面目に練習を取り組む、岡山が生んだ次期世界王者の初防衛戦をお見逃しなく！

WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE BOXING vol.17
6月1日 17:20 配信開始
https://video.unext.jp/live/LIV0000005411

配信前の詳細はこちら
https://video.unext.jp/livedetail/LIV0000005411

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