私、グレました20話
教室を飛び出した瞬間に涙が溢れた。
授業中だったし廊下には誰もいなかったからとにかく階段を駆け下りた。
荷物持ってきてないし帰る訳には行かない...
とにかく泣きながら走って辿りついたのはグランド。
グランドに行くまでの長い階段の真ん中らへんに座った。
とにかく「無」だった。
グランドで景色を眺めてたら自然と涙も止まっていて気づけば授業が終わるチャイムが鳴った。
クラスの窓から「ともちゃーーん!」と叫ぶ声がして上を見ると仲良しグループの2人だった。
手を振ってくれて手を振り返したけど、気まずすぎて教室には戻りたくなかった。
2人が担任を連れてグランドまで来てくれた。
なんかいろいろ聞かれるのかと思ったけど先生も何も聞かず怒らず黙って見守ってくれてた。
クラス替えの時に先生も変わって新しくこの学校に入った女の先生。
若くはないけど面白いし生徒の事をよく理解してくれてると思って大好きだった。
とりあえず皆んな心配してるし教室に戻ろうと言ってくれたけど、その日はそのまま早退する事にした。
先生が荷物を持って来てくれて
「何かあったらいつでも相談乗るし、あんたがいないと楽しくないよ!」と言ってくれた。
お世辞でも嬉しかった。
家に帰るとことみさん。
「体調悪いん?どしたん?何でこんな早く帰ってきた?」
この人は担任と違って本当に根掘り葉掘り聞いてくる...
そっとしといてくれ...
初めてことみさんをシカトして部屋にこもった。
つづく
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