見出し画像

舞台『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』 Rule the Stage-track.1- *20/8/23

視聴記録:
舞台『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage-track.1-

先日、track2を見せてくれた友達に前作の「track1」も見せてもらいました。その後、track2の大千秋楽映像とシアターコンプレックスの映像特典も2本分も見せてもらいました。フルコース、疲れましたがとても勉強になりました。

まずは、track2の大千秋楽、無事に終わって良かった。。
大千秋楽の挨拶で乱数役の世古口くんが、マスクを外してしまったけど想いを届けたいと、お客さんに背を向けて挨拶するシーンに、胸にぐっとくる切なさを感じました…。

先日のtrack2観劇後の感想を踏まえながら、track1の感想を書いておきたいと思います。
track2観劇後の記事はこちら↓です。
感想というより、コロナ禍での公演についてのエールのような内容ですが…。


今回は、ヒプステを観劇していない方にはかなりわかりにくい内容になってしまったかもしれません。そして、結構辛口かもしれません。舞台好きとしてのもやもやを吐き出しています。
それでも良い方のみどうぞ↓


需要と供給のバランスの難しさ

この公演、というよりヒプステ2作を通しての一番の感想として、この需要と供給のバランスが難しいんだろうな、という印象を受けました。

track2の感想でも触れましたが、私の需要、求めているものは「音楽」でした。ヒプステの音楽が好きで、4月のAbemaTVでの声優さんのライブとspotifyでヒプマイのにわか?ファンになった私だったので。
でも確かにそれなら、すでに行われていたやっぱり声優さんのライブが一番良かったということなんだと思います。

ヒプステの第1作目を制作するとき、きっとその既存の声優ライブとは別物にしようという意識があったと思います。それで、かなりパフォーマンスに力を入れたのかなと感じました。ブレイク系の激しいダンス、プロのラッパーの動員、高度なプロジェクションマッピング、パントマイムを応用したプロジェクション等、高度な技術にお金をかけたのかな、という印象を受けました。
そのためには、オリジナルキャラクターの「アカバネ」ディビジョンという舞台のオリジナルキャラクターを作って、イメージにとらわれずスキルの高い役者を中心にキャスティングし、高いパフォーマンスができるようにした。…というところなのかな、と思っています。

確かにすごい。ダンスもすごいし、演出も目を見張るほど派手だし、プロジェクションマッピングも頻繁でクオリティは高いし、品川ステラボールの横に長い舞台の全面使ってマッピングしてる。すごいお金がかかっている。

…でも、ヒプマイの2.5次元を楽しみにしているファンって、その高度なパフォーマンスを求めて2万円を出したんだっけ??……と思ってしまうのです。

ヒプマイ自体、新しいかたちのコンテンツですから、既存の2.5次元ミュージカルとは一線を画したものにしたいという意図も分かります。もともとHIPHOPが好きでヒプマイを知った方々や、楽曲提供者のHIPHOP界のアーティストたちにも、分け隔てなく楽しんでほしいという意図があったのだと思います。また、新しいファン層も呼びたかったんだと思います。役者も、元ジャニーズの役者さんがいることで、客層もすこし既存の2.5とは違っていたという話も聞きました。

でも、2.5次元を見に来る人たちは、やっぱり客層がある程度限られているので…役者はちゃんと役作りができる役者を集める必要があったと思います。既存のキャラクター造形は、なんだか数人、違和感を感じる役者さんもいたのは残念でした。みなさん、ラップは頑張ってらっしゃったし、歌える方々ばかりだったのですが。

もう一点、ストーリーについても、ヒプマイファンが見たいのは「既存のキャラクター同士のラップバトル」であって、オリジナルキャラとのラップシーンではないのでは?…と冷静になってしまうのでした。

この、もはやヨコハマとイケブクロを食ってしまっているアカバネのリーダー・カズくん。顔もいいし、歌もうまいし、すごいな…と思ったら、お名前を聞いたことがある。
余談ですが、「家庭教師ヒットマンREBORN! the STAGE」、通称「リボステ」で雲雀を演じていたのを、配信で拝見していたんだと思い出しました。この雲雀役、難しい性格だし、ファンも多いのでやりづらいところを、違和感なく演じていました。私も中高生時代雲雀ファンだったので、かなり厳しい目だったと思うのですが、すごいなと思っていました。
もともとは、音楽グループのボーカルだったんですよね。そりゃあカズくんの歌が一番よくて、2.5次元俳優の歌なんて食ってしまうわけだな…と納得です。

track1の感想を踏まえて、track2をあらためて見ると、
・ストーリーは、オリジナルキャラの存在感が控えめになった
・既存キャラの役者さんのクオリティが高くなった
・乱数と寂雷先生のシーンは多くなった
・高度なパフォーマンスより、音楽や演出もとっつきやすくノリやすいものになっている(track1のヨコハマの無音、ボイパのみの楽曲歌唱は、すごいことしてるんだけど、序盤で急にやるのでのれなかった人多かったんじゃないかな…と)
track1を踏まえて改良されていて、だからtrack2が初見でもノリやすく、楽しかったのだなと感じました。

一番見たいシーンが舞台では見られない違和感

ただ………1作目も2作目も、一番見たかったのは、舞台脚本が終わったところからの
 一郎と左馬刻のラップバトル
 乱数と寂雷先生のラップバトル
ですよね?

…でも、それが、シアターコンプレックスの特典映像としてアップされている…
なんだか「舞台ではできません」と言われているようで、舞台好きとしてなんだか悲しくなるのは、私だけでしょうか。第二部のライブパートでうまくやることもできたのではないかと思ってしまうのですよね。
ましてや、主要キャラのバトルシーンこそ、ライブで見たい!と思うものではないでしょうか。
もちろん、映像収録であれば、きちんと整音したレコーディングもできるし、映像演出もできるし、もちろん素晴らしいものになるし、ファンはみんなお金を出して見るとは思うのですが。

オリジナルキャラの役者さんの力があるのは百も承知ですが、舞台においては既存のキャラクターと2.5次元俳優が、なんだか過小評価されているような気もしてしまうのは、気のせいでしょうか…。
舞台上で戦ってほしかったな、というのが、舞台好きとしての本音です。


10月のオオサカとナゴヤが個人的には本命なので、なんとかチケットを手にして現地で見たいと思っています。が、インフルエンザと合わせ技かもしれない第三波もあるかもしれませんので、あんまり期待はせず、どうか公演が無事に行われることを祈っていようと思います。


この記事が参加している募集

note感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?