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ECMO回路の仕組みと構成要素について

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【疑問】

今回は、臨床や医学の勉強をしていて感じる疑問の一つ、

複雑に感じるECMO回路の仕組み

についてまとめました。

構成要素をそれぞれ分解してわかりやすく端的にまとめていきます。

1.ECMO回路は何で構成されている?


まず、合併症を防ぎながらECMO回路を用いて重症患者を管理する際に大切なのは、回路をできるだけシンプルにすることです。

今回はカニューレ以外の構成要素に焦点を当てて解説していきたいと思います。

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2.チューブ

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ほかの構成要素に結合されます。送血および脱血の血液の色調、血栓の評価のためチューブは透明になっています。
プライミングボリュームを減らすよう可能な限り短くすることが肝要です。

3.血液ポンプ

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近年は遠心ポンプが用いられることが多いです。
梗塞で回転する羽根車(インペラー)による流体渦を発生させて駆動します。
前負荷に依存し後負荷に影響を受けやすいのが特徴で、モニタリングする際は回転数も参考にしながら管理を継続します。

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また回路内の閉塞、閉塞性ショックでポンプの前負荷が低下してしまうことにも注意しながらモニタリングしていきましょう。

4.人工肺

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近年用いられているのは膜型人工肺で、安全で効率よくガス交換が行われるので多用されています。

ここで大切なのは、何が血液の酸素化を規定するかです!

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5.熱交換機

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患者の体温管理に不可欠です。
特にROSC後のTTMでは効果を発揮します。

高体温によるO2の消費低下、CO2の産生低下にも寄与するため、敗血症性ショックの際などで高体温を避けたい場面でも使用されることが多いです。

これらの構成要素を一つ一つ分解して理解すると、一見複雑に見えるECMOをわかりやすく理解できると思います。

6.引用文献

●INTENSIVIST Vol.5 No.2 2013 (特集:ECMO) 2013/4/17 讃井將満●ECMO実践ハンドブック〜世界標準の成人ECMO管理 2020/2/10 Alain Vuylsteke
●SAVE-J ガイドライン
●ELSO Guideline ver1.3
●東京医科大学 八王子医療センター 救急救命センター HP

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