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ICP亢進を防げ! 頭部外傷で重要な概念ICP・CPP



今回は、臨床や医学の勉強をしていて感じる疑問の一つ、

頭部外傷で重要な概念ICP・CPP

についてまとめました。
重症頭部外傷の治療において避けることのできない概念であるICP・CPPを生理学の観点から解説していきます。

1.ICP・CPPとは?

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ICUでの重症頭部外傷管理の目標は大きく2つあります。

・二次的な脳損傷を防ぐ⇒低酸素・低血圧を防ぐ
・脳圧亢進を防ぐ

これらは重症頭部外傷の記事でも書いた通りですね👇

特にICUでの管理においては、ICP、CPPを意識した管理を心がけることが肝要です。

脳灌流圧(CPP)=平均動脈圧(MAP)ー頭蓋内圧(ICP)

今回の記事で最も大切な内容は上記の式となります。

脳は最も低酸素に弱い臓器の一つであり、その酸素化に大きく寄与しているのがCPPです。

そしてCPPは全身の臓器血流を規定するMAPと頭蓋内圧(ICP)の2つのパロメーターに規定されるのです。

●それぞれの正常値(mmHg)
CPP:60-80 MAP:70-90 ICP:10-15
●ある程度までは圧の自動調節能が働く
 ⇒ICPが亢進すると破綻(重症頭部外傷の1/3)
●頭蓋内圧亢進(ICP↑)の治療閾値(mmHg)について
 ・ICP≧15-20 日本重症頭部外傷のガイドライン
 ・ICP≧22 米国TBIガイドライン

キャzzzプチャ

CPPと脳虚血の関係を端的に示したグラフは上記の通り。

こういった生理学の観点から、CPPは少なくとも50mmHg以上の、60-70mmHgを目安とした管理が推奨されることが多いです。

2.ICP亢進と自動調節能

キャプccチャ

上記の図のように、ある値(20mmHg)を境に脳内容量と圧の変化の度合いが大きく変化します。

簡単に言うと、ごくわずかな容量変化であっても頭蓋内圧力が急激に上昇してしまうという事です。
これを脳コンプライアンスの低下といいます。

治療介入の一つの目安となるICP20mmHg以上というのはこういった生理学の観点からはじき出された数値なのですね。

3.参考ページ・医学ノート

4.引用文献

Management of acute moderate and severe traumatic brain injury Up To Date


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