記憶

生まれたとき
生きていた
わたしは
大人になるために
だんだん
生きることを忘れて
だから大人に
なりたくなかった
友達になりたかった
けどなれなくて
それでも支えてくれる人がいた
学校は
つまらなかった
生きることは
苦しかった
勉強も
大人になることも
生きることとは
ちがった
あのとき
あなたと光る波を見たとき
大人になって
はじめて生きた
自分がなんだかを
ふたたびみつけた
それ以来、大切に守ってきた
わたしの役割
その中で
何度失いかけたか
遠い昔
わたしは生まれて
生きていた
まだあなたがわたしを
覚えているから
わたしはうまく生きられないまま
あの輝きは
二人の記憶に閉じ込められたまま

2023.10.16

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