最後の雨
覚悟もないまま
迎えた
冬
朝はどこからやってきて
人は死んだらどこへ向かうの
最後の問いは重い曇り空に吸い込まれ
わたしは少しの後悔を覚え
思わずあたりを見渡してみた
過去に散らばった沢山の孤独と
今ここにいるわたしとを見比べて
何も違わないと気づいた
優しさと嘘と煮えきらなさの間で
わたしを憎むわたしがいた
長い冬
だから
覚悟なしには渡れない
過去と未来の架け橋
それなのにわたしは
今朝の空が
わたしのあのひとが
なぜ泣いているのかさえ
わからずに
どうして
最後まで
ずっと一緒にいたいのに
空も
あのひとも
2020.12.30