とべ

生きることに
疑問をもったあたしは
この世界が見えて
とてもつらい
けれど
光は
小さくて
いつも
小さくて
あたしは
この世界に
あぐらをかいた
あたしは
愛に
油断した
よろこびに
溺れた
あたしは
弱い
そして
卑怯だ
あたしの中の
はりつめた
線の上のあたしが
いつも
あたしを睨みつける
ぜんぶあたしだ
あたしを否定するのも
あたしを励ますのも
あたしに期待するのも
誰でもない
すべてあたしだ
どこまでもいけると思ったのも
落ちたくないと願ったのも
呼吸のたびに
膨らんでく
自意識と
猜疑心と
偽善と
傲慢を
あたしは
知ったままで
飛べ
両手を羽のように広げて
落ちたら
いいじゃないか
いけ

2023.10.09

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