[古団地リノベ#14] 職人技 〜 左官屋
わずか50平米のリフォームですが、色々な職人さんが出入りしています。私自身はコンピュータサイエンスの大学教員なので、よく職人とは対極に思われていますが、大学人でも工学系の人間は基本的には職人なので、職人仕事見るの非常に楽しい。
そういえば、先週までフランスのリヨンで開催されていたWorldSkills(技能五輪国際大会)という職人の世界大会があります。大工左官、板金、パティシエや裁縫等の競技に並んでコンピュータ系の競技もいくつかあったりします。
そんな訳で、今回は左官のお仕事の紹介。左官といえば姫路城。白い漆喰はほんと綺麗ですね。ただ職人不足だそうで。まぁ『珪藻土の壁』と言っても、壁紙もあれば、塗装もありますからね。
前回の記事で玄関とバスルームの土間を打ってもらった話を書きました。確かに水平でシワ一つ無い土間は凄いなぁ思うのですが、所詮床。レベラーという材料を使えば、重力で勝手に水平が出ます。これは左官でなくてもできます。
一方で天井。しかもこんなガタガタな天井。これは素人では手出しができません。
この部分は上階のお風呂があります。古団地あるあるですが、風呂のスラブは一段下がっていて、下がった分は下階の天井を下げて対応しています。
しかも、下がっている天井の下から排水管が出ています。これは上階の風呂と洗面の排水管になります。かつてはこの室内にさらに縦管が通っていて、全ての上階の排水が流れていたので、上の住居いずれかが水をながすと、この排水管から(良く言えば)小川のせせらぎの様な音が聞こえてきました。
大規模修繕で縦管は屋外に出していますので、今はすぐ上の階の音だけ聞こえます。
さて、この天井が下がっている部分がデザイン上の問題になります。普通ここは、風呂なので、部屋が区切られていて、天井が下がっている事にすら気づかないかもしれないのですが、風呂を取っ払ってしまったので、リビングにドーンこの天井が現れます。
意匠としての選択肢は2つ。
周りの天井と同じ仕上げとする
周りの壁と同じ素上げとする
天井は木目調の化粧板で、壁は左官仕上げです。天井といっしょにすると、下がっている垂直面のデザインがまた悩みどころになるのと、木としては不自然なデザインになるので、壁と一緒の左官仕上げにすることにしました。
仕上げはまだ、もう少し先なのですが、ガタガタの天井ですので、仕上げが、やりやすいように平らにしておきます。
想像してみてください、セメントとかモルタルをコテで天井面に塗るだけでなく、限りなくフラットにしなければなりません。食パンのバターだって平らに塗れないのに、どうやってそんな芸当をするのか私には見当もつきません。
で、仕上がったのがこちら。
脚立の上でやるわけですからね。いやーすごい。
この上に、意匠のある仕上げをしますが、あまりにも素敵すぎて、なんかこのままでもいいんじゃないか?と思ってきました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?