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はじまりから今まで、踊ってきて思うこと|ダンサンブルな人々 Vol.1(藤平真梨×谷口真理)

2017年より活動を続けているダンサンブル、そのはじまりのきっかけをご存知でしょうか?
実はダンサンブルのはじまりを知る人は、代表・藤平真梨のほかにたった3名。今回はその中の一人である谷口真理さんと、藤平の対談の様子をお届けします。


(ダンサンブルな人々シリーズについては下記の記事をご覧ください)

プロのダンス集団ではない、ダンス経験や年代、性別、職業や考え方までさまざまな人が集まるダンサンブル。
活動の様子は自由でユニーク!「参加すると何だか元気が出るんだよね」と言っていただくことも多いのですが、そのようなパワーあふれる活動はどうやってできていったのでしょうか?

実は6年も活動していた(!)ダンサンブルを振り返って、おふたりそれぞれの率直な想いを聞いてみました。

同じにおいを感じていた?ふたりの出会いとは

▲ダンサンブル自主公演にて踊る谷口さん(中央) 写真:鈴木清貴

谷口)
谷口真理です。グラフィックデザインの仕事をしています。
アートなど一見わけのわからないものに昔から興味があり、ダンスや音楽も好きで観たり聴いたりしていました。
まさか自分が踊ることになるとは……。

ダンサンブルに参加する前に、もともとバレエを踊っていました。
なぜはじめたかというと、家でずっと仕事をしていると姿勢が悪くなってしまって……「やばい!」と思ったのがきっかけです。
昔から運動は苦手だったので、好きな音楽と体を動かせるならいいなと思いバレエをはじめて、そうしたらかなり姿勢が良くなりましたね。

そうするうちに週に1回以上通いたくなり、家の近所で通えるところを探していて出会ったのが、真梨さんでした。

藤平)
当時はバレエしか教えてなかったんですよね。まだコンテンポラリーダンスの活動ははじめたばかりだったかもしれないです。

谷口)
真梨さんに「コンテンポラリーダンスに興味がある」と話したら、とある団体の作品を勧めてくださって。その作品がなかなか奇抜で……私はとても好きでしたが、「初対面の人に勧めるって度胸があるなあ」と思いました(笑)
同じにおいのするものが好きそうと感じたので、コンテンポラリーダンサーの中で最初に真梨さんに出会えてよかったと思います。

たった3名からはじまった活動が今に繋がるまで

▲はじめたばかりの頃に、なぜか暗い照明のもと踊る様子

藤平)
真理さんと出会った同時期に、「コンテンポラリーダンスを踊ってみたい」と言ってくれた人がほかにもふたりいました。
ひとりは知り合いの知り合いで、もうひとりはアート界隈で出会ったのでみなさん全く接点がなかったのですが、全員集めて川崎市内にあるカフェの地下スペースを借りて活動をはじめました。
最初は「ダンサンブル」という名前もなかったですね。毎回お題を決めて、それに合わせて自由に踊っていました。

谷口)
「どこからこんな人を連れてきたんだろう?」と思うくらい、なかなかユニークですごい人たちが集まったと思いました(笑)
この頃のことで今でも覚えているのが、一緒に参加していた沙江ちゃんが「素に戻らない……素に戻らない……」と唱えながら参加していたこと。「自由に踊って!」と言われてもどうしていいかわからない時があるんですよね。
私も沙江ちゃんにすごく共感して、今でもモットーにしています。

藤平)
それから、今でもよく場所をお借りしているSalon de Zuppa(東京都渋谷区)のオーナー・田中さんに出会ったんですよね。
田中さんから「Salon de Zuppaで何かやらない?」とお声がけいただいて、Salon de Zuppaでもクラスを開催するようになってから、都内近郊の人が活動に参加してくれるようになって、参加者が増えていきました。

参加者が増えて、これは団体名が必要だな〜と感じて、「ダンサンブル」と名付けました。兄の友人でアパレルショップを開いている人に指南してもらい、100個の候補を出してから、最終的に「ダンサンブル」に決めました!

真理さんが言うように、集まる人が想像を超えて面白い(笑) 「これは舞台をやったら絶対面白い!」と思って、その後「ダンサンブル」としてイベント出演や公演を開催するようになりました。

6年間活動している中で、すごく大きな転機などはなく、ぬるっときている感じがしますね。でも今ではクラスやワークショップのバリエーションが増えて、自分の興味のある入口から気軽にダンサンブルに触れてくれる人が増えたと思います。

それから、ダンサンブルの活動について「とりあえず観に来たらわかるから!」と伝えがちだったところを、説明する言葉を考えて、記事や資料を作ってより広く伝えられるようになってきました。

谷口)
いい意味で、“ちゃんとしてきた”感があります。
あとは自主公演の開催も転機みたいなところがあるかもしれませんね。
例えばダンサンブルのメンバーはポーズで止まるシーンの時に、同じポーズで被らないようにしていたりするんですが、自主公演の開催をはじめた頃からその意識が出てきた気がします。

それって結構すごいことだと思っていて。求められているわけではないんだけど、みんな当たり前のようにやっているんですよね。
今はそれぞれが「自分ができる最大限のことは何か?どういう役割を果たせるか?」と考えて動いているように感じています。

ダンサンブルの魅力の秘密は「恥ずかしさ」にあり?

写真:Saori Yamamoto

谷口)
実は、ダンサンブルに参加した当初はつらかったんですよね。
どうしていいかわからないし、なぜか誰にも信じてもらえないのですが、恥ずかしいんです。

例えば習字やバレエは「これが正しい」という型が決まっていて、無心にやることでストレス解消になっていました。
それが、ダンサンブルはストレス解消にはならない……でもダンサンブルで踊る方が得意な気はします。

今も恥ずかしいは恥ずかしいですね。でも恥ずかしいということも含めて“ダンス”なのかな、と思っています。

藤平)
ダンサンブルのダンスがすごく新鮮でいいなと思うのは、恥ずかしさも含んでいるからかもしれませんね。
「私の表現を見て!」と主張するのではなくて、じわじわと漏れ出す感じがいい気がします(笑)

谷口)
個人的には「恥ずかしいから表現しない」というのは言い訳にならないと思っています。
デザインを職業にしてきたので、忙しくなると自分の嫌いなところが表現に出てきたりもして嫌になるんですが、それでもその感情がやらない言い訳にはならないんですよね。
プロのダンサーさんもそういうところがあるんじゃないでしょうか。

藤平)
「今日のメンタル的に人前に出たくないな〜」と思う日も、それで本番の舞台に出ないわけにはいかないですよね。
つらくてもありのままの自分でやるしかない。
いいも悪いもすべて表現になると思っています。

ダンサンブルというコミュニティの面白さ

谷口)
ダンサンブルに関わってよかったことは、面白い人たちと出会えたこと。なかなかコアというか、日本人のうち例えば10%しか存在しないような、選ばれし人たちが集まったような感覚があります(笑)

なので、自分が変わるのもそうだけど、他人が変わる様子を見るのも結構楽しいです。「こうきたか〜!」と唸ってしまうように、ライバル心などではなく純粋にすごく面白いから見ています。

藤平)
クリエイトな場なので、リハーサルの様子をそのまま舞台に乗せたらいいんじゃないかと思う時があります(笑)
いろんなところでダンスの先生を務めていますが、ダンサンブルに向かう時は「先生」という気持ちで行ったことがないですね。教えに行くより遊びに行くような気持ちです。

谷口)
あとは、ダンサンブルには斜に構えている人も、批判する人もいないですよね。

藤平)
初めて参加した人には「ようやった!」という感じで、ウェルカムな姿勢がすごいですよね。周りが敵だらけのところで身体表現はできないと思います。自分ひとりではあのウェルカム感は作れないのでありがたいです。

そうやって新しい人と昔から参加している人が混ざり合って、最近はダンサンブル内の層が多様化してきたように感じます。

そんないろんな人が集まっているダンサンブルだからこそやってみたいことがあって……みんなが自分で考えた作品を発表し合う、小作品集発表会!ダンサンブルメンバー限定公開でもいいので、すべてを一から作る体験をしてみてほしいし、ただ個人的に観たくもあります(笑)

谷口)
私はこれまで観客にとってわかりやすい作品が多かったから、わけのわからない作品もやってみたい!


最後に谷口真理さんから藤平へメッセージをいただきました。

真梨さんを見ているのがすごく楽しかったので、気がついたら今に至るみたいな感じなんだけど、これからも突っ走ってほしいなと思います。
多分ダンサンブルの人たちって、目的地まで勝手に流れ着く。そこがいいところ。
真梨さんが先に泳いでくれたら、みんなとりあえず現地集合すると思うので、突っ走ってください!

ダンサンブルのはじまりから今も活動が続く背景にある魅力まで、おふたりのチャーミングでちょっとスパイシーな対談をお届けしましたが、いかがだったでしょうか?
ご興味を持たれたら、ぜひお気軽にご連絡くださいね!いつでも皆さんの参加をお待ちしております✨


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▼代表・藤平真梨のインタビュー記事はこちら!


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