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日記:壁ちょろを捕まえたサンマ

今泉にある「como es」に行く。友達Tからおすすめされていたカフェ。壁一面のレコード棚と隙間なく収納されたレコード。ケンジードーナツが売られている。深入りのコーヒー(500円)を注文。「明日、土曜日の15時から、店内で開催される音楽イベントのライブ配信をするので、よかったら見てくださいね」と店員さんが教えてくれる。「Absolutely on Music Conversations」(村上春樹と小澤征爾)を読んでいると、店内に猫が入ってくる。壁ちょろをくわえている。壁ちょろは九州弁で「トカゲ」や「ヤモリ」の意味らしい。(ほかのお客さんのそういう会話が聞こえてくる。「壁をちょろちょろしてるから」だという)猫の名前は「さんま」一年前にこの店に迷い込んできて、それ以来飼われている。キジ猫で、体格がいい。人見知りはしない。愛想は振りまかない。お店の出入口に座り込んでいるから、来店したお客さんが気づかずに踏んじゃうんじゃないかしらんと思う。「さんまー」と声をかけると、こちらを一瞥もせずに、扉を抜けて向こうに行ってしまう。店の2階では明日の音楽イベントのリハーサルが始まる。遅れてやってきた友達Tの右ひじには絆創膏が貼ってあった。

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