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17. パレルモの夕食

レストランなどの店が開くのは夜8時と少し遅い。かといって、洗濯するほどの時間はない。2泊するので、ここではランドリーを頼むことにした。緊張。電話をかけたら、英語でピックアップ?と聞かれて、部屋番号を伝えるだけでOKだった。当然か。取りに来てもらい、チップを渡す。仕上がりが楽しみ。散策に行こう。

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すぐ近くのポリテアーマ劇場は、19世紀の後半に作られた歴史ある劇場。当時も今も現役のようだ。オペラを観てみたい。映画のゴッドファーザーで使われていたのは、マッシモ劇場の方。

夜景って難しい。帰国して現像すれば、こんな写真ばかり。実際は、日本と違って煌々としていない街灯の光が、やわらかく、もっと美しかった。

お腹がかなり空いていて、食事前とはいえCaffe Politeamaに入った。髪も髭も整ったアインシュタインのようなおじいさんがカウンターに立ち、注文すると、おしゃべりもなく、さっと、でも丁寧に、カプチーノを淹れてくれた。とても香りがよくて、まろやか。大袈裟でなく、今まで飲んだ中で一番では。明日もまた来よう。

下の写真は、右の囲みがホテル、左が目指す店。たいがい道は直角に交差しているので、迷いにくい。一概に言えないだろうけれど、こういうのは西洋の道の作り方ではないか。アラブ系では袋小路が多いので間違えると大変。

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迷うことなく到着。ここはトラットリアというタイプで、予約必須ではない。服装もカジュアルでよく、お値段もお手頃。メニューを見せてもらうと、文字が個性的でまったくわからない。食べ物ならボキャブラリーはあるのに。郷土料理を食べたいことを伝え、お任せにした。

ミネラルウォーターのGeraciも、白ワインもシチリアのもの。日本には入ってきていないようだ。クロワッサンのようなパンは、柔らかめのフランスパンのような感じでサクサクしている。とてもおいしい。

アンティパストミスト(前菜いろいろ)は、12時から時計廻りに、カポナータ、ナスのグリル、カボチャのフリット、キノコのマリネ。

カポナータは夏野菜のトマト煮込み。ナスは素揚げにして他の野菜は炒めるので、割と手間がかかる。酢を使うのが特徴。カボチャのフリットも酢が使われていて、砂糖を使っているかのように甘いカボチャとマッチして、とても美味しかった。

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また写真失敗でわかりにくいけれど、ブラックオリーブ(小鍋の中)、パネッレ、ポレンタ、クロッカンティーニ、グリーンオリーブ。オリーブだけを温めても美味しい。オリーブ自体とても味が濃いからだと思う。パネッレは前の記事のとおり。ポレンタは北部の料理と聞いていたので、出てきて驚いた。

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プリモピアットのパスタは、ひらひらしたリボンのようなトリッポリーニ。ソースは少しの生クリームにズッキーニとナス、パルミジャーノがかかっていた。書いてもらったメモはTripolini Saraceno と読めたけれど、調べてもわからない。セコンドピアットはカジキマグロ、Pesce Spada alla Ghiotta。オリーブ、トマト、ケッパーとニンニクが入っている。カジキはふわっとして、とてもおいしい。シチリアはカジキが獲れる。他のマグロも、マッタンツァという追い込み漁が有名だ。この店の野菜も、とにかく味が濃い。

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伝票の数字も、この通り。パスタのSaracenaは読み間違いかもしれない。パスタもカジキも、この量で一人前。一皿をシェアしておいてよかった。満足&満腹。100.000リラ。サービス料金込みだが、忙しい中メニューを書いてもらったので、チップも追加。

帰り道、Caffe Politeamaの前の広場にはシトロエンのクラシックカーが駐車されていた。昔の車はかわいい。しかも、街にも似合う。

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パスタの発祥地グラニャーノのトリッポリーニを見つけました。これはおいしそう。この表面が!
このメーカーのパスタはEatalyで販売されています。

この夕食の店は、今も同じ場所に同じ名前のお店がありますが、ピザ屋(Pizzeria)。TripAdvisorでの評価はまずまずのよう。このご時世、ピッツエリアならテイクアウトで乗り切れているような気がします🌟
https://www.facebook.com/pizzeriabiondoPa/


最初と最後の写真は自分で設定して撮影したのではなく、当時販売されていた写ルンです・セピア版。使い捨てカメラと呼ばれていました。調べてみると、セピア版はありませんが、今もバージョンアップされて販売されています。

一緒に旅をしているような気持ちになっていただけたら、うれしいです。 または、次の旅の計画のご参考になれば。