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行政書士の憲法を流し読み

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2020年5月の記事一覧

法の下の平等

すべての国民は、法のもとに平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

憲法14条1項で、このようにして「法の下の平等」が規定されている。

ちなみに門地とは家柄の昔の言い方。

面白いのは、平等というのが絶対基準の平等ではなく、相対的な平等を意味するようで、合理的な理由で区別する結果不平等が生じるのは許される。

補足として、こ

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幸福追求権の保障

全ての国民は、個人として尊重される、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

これが憲法13条に規定される幸福追求権の保障。

人間が人間らしく生きることを人格的生存と呼ぶが、それを守るために必要な権利が新しい人権であり、幸福追求権に関して実生活に直結する権利はこの後から生まれた「新しい人権」の方。

新しい人

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特殊事例の人権

人権とは、人が生まれながらに持っている人間として幸せに生きていくための権利。

外国人の人権外国人の場合、権利の性質上日本国民のみを対象と判断できるものを除き、他は等しく憲法の人権保障が及ぶ。

法人の人権法人は人間ではないため、権利の性質上可能な限り、憲法の人権保障は法人にも適用される。

公務員の人権一般国民とは異なる制約を受ける。例えば、公務員は政治的な行為ができない、など。

在監者の人権

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憲法の保証する自由を制限する事例

社会生活を営む人間は、当然自分だけでなく他者にも人権保障が及ぶ。

つまり、あなたの人権と私の人権が衝突することも起こりうる。そして、どちらかが敗北する。

共に憲法という最高法規に守られているにも関わらず、他人に迷惑をかけてはいけないという基本的な観点から規制を受ける場合があり、この場合、人に迷惑をかけている側が不利になる。極めて常識的で、納得感のある判断。

これを「公共の福祉」による制約と呼

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憲法の基本原理

憲法の基本を押さえたところで、基本原理についても。

憲法の3大原理憲法には3つの根幹となる原理がある。
基本的人権の尊重、国民主権、平和主義の3つ。

基本的人権の尊重
人権は人間として生まれれば当然に有するものであり、国家はこれを侵害してはならない。

国民主権
国の政治のあり方を採取的に決定する力や権威は国民にある。

平和主義
戦争について深く反省し、戦争の放棄を宣言すること。

個人の感

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憲法の基本

憲法は国民の権利や自由の保障を目的とし、国家権力を制限するために作られた国の基本ルール。国家を統治する権力に対する制限。

日本では日本国憲法(全103条;1946年11月3日公布、翌年5月3日施行)という名称。

憲法は最高法規民法や刑法などの法律は国家権力が作成する法だが、憲法違反の法律は作れないという一点で憲法が最上位の法と言える。

憲法尊重擁護義務(憲法第99条)
天皇又は摂政及び国務大

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