自分の好きな舞台がどういうものか見えた話

自分の『好き』を分析するシリーズ。

このノートを目にしてくださった方は、どういった舞台がお好きですか?

舞台だけに限らず、一つのジャンルの中で好きなものたち、
それにはなにか共通点がありますか?

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2018年4月25日に、PHOTOGRAPH51を観劇してきました。
観終わった後に、自分は何かしらの音楽的要素が含まれる舞台芸術が好きなのだな、と気が付いたことを記録しようと思います。

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まずは、飛ばしてもらっても問題の無い(「そもそもこのノート自体を己の人生から飛ばしても問題がないよ」という事には気づかないフリをしてくださいね)、前提から。

私は2017年の秋ごろから本格的に舞台というものにはまりました。
もともとずっと邦ロックが好きで、演劇は好きでしたが年に一度行くか行かないかというくらい。

『生(ナマ)』が放つ魅力に取りつかれているような人間なので、お金と時間があればライブや夏フェスのチケットをひたすら取っていました。

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色々あって2017年の夏に錆色のアーマを配信で観て、役者さんにハマり2.5にハマり普通の舞台にハマり。

最初は(値段のこともあって)恐る恐るチケットを取っていたのですが、
3か月たつ頃にはもう

「気になったらとりあえず申し込め!!!!ボケっとすんな自分!!!!!」

という精神で猪突猛進するようになっていました。もちろん収入と支出のバランスは考えつつ、ね!

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ただ好きな役者さんが観たいから。

まだ知らぬ素敵な劇団に出会いたいから。

一つでも多く心に残る脚本と演出を知りたいから。

とにかく、あの劇場という、地球規模で考えればほんのわずかな空間を満たしてくれる、非日常に触れていたいから。

と、チケットの半券がケースから溢れてゆく理由を、それらしい小癪な書き方で並べてみたわけなのですが、

つきつめればこれはきっと、

『自分の好きな舞台とは、どういうものか?』

というのを知りたかったからなのだと思います。


たくさんいろんな作品を(とはいってもやはり偏ってはいたのですが)観ることで、自己研究をしたかった。

研究の成果がやっと、舞台に触れ初めて半年以上経った今やっと、見えました。

上にも書いた、『自分は何かしらの音楽的要素が含まれる舞台芸術が好き』という気付きです。

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小さなころから国語だけは得意な子供で、教科書に載っていた作品を会話の中に引用してみたり、韻を踏んだり、オノマトペをつかってみたり、
そういう『言葉で遊ぶ』行為が大好きです。

音楽の才能は無いけれど、大学で邦ロックにハマったりして、
『音に言葉を乗せること』、そういうことも好きになりました。

だからSNSにもよく、ふざけて替え歌歌詞を載せたりして一人ニヤニヤとしています。

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PHOTOGRAPH51がどうだったのかという結論を言ってしまえば、正直私の肌には合いませんでした。
作品に非があったということではない、というのは言うまでもありません。
遺伝子の話は難しかったけれど、色んなテーマが散りばめられていて、考えることが楽しい舞台でした。

ただ、いとだま個人にとっては、心が動きませんでした。

大好きな宮崎さんが出演されているのにどうしてだろう、どうしてだろうとずっと考えながら観ていたのですが、
ずっとBGMがなく、目をつむれば台詞が響くだけであった舞台の最後、かすかな音楽が流れたときに自分の集中が一気にステージに戻ったのを感じて、
はたと気が付きました。

音楽という要素がなく、台詞の運びにもリズムを感じられなかったからなのだろう、と。

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わたしは舞台にずっと、音楽的な要素というものを求めていた。

それは文字通りの音楽であったり、

台詞の誌的な表現や韻といった言葉遊びであったり(わたしは、詩は音楽(音を楽しむ)ものの一種だと考えています)、

リズムを作り、リズムを感じさせる【ダンス】という動きであったり、

そのまま何かの音楽ジャンルを作品のテーマに取り上げてくれているものであったり。

だから、耳馴染みよく、メロディーがなくとも唄のように心地よく台詞が流れ込んでくる『錆色のアーマ』が好きになったし、

舞台『刀剣乱舞』より、ミュージカル『刀剣乱舞』にまず足を踏み入れたんだと思います。

ピカレスク◆セブンおたまじゃくしがこんなにも心に残っているのも、
前者は作品のテーマをリズムに乗せて何度も何度も伝えてくれたし(とある象徴的なセリフを、演者全員で作中何度も唱和する)、
後者は『ロック』をめちゃめちゃ大切に取り扱ってくれた作品だったから。

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そしてただ音の要素があればいいというわけではなくて、
その効果や意味がしっかりしている作品、音に愛がある作品が好き。

そこに音があると、己の心が震える瞬間に立ち会えることが増えるんだなと、やっとわかりました。

あースッキリした!(笑)

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最後に。
舞台そのものは心に刺さりませんでしたが、宮崎君の演技は変わらずはとても好ましいもので元気をいただきましたし、

自分の大切にしてるものや価値観を明確にできた点からしても、PHOTOGRAPH51のチケット取って行って本当に良かったなと心から思ってます。

宮崎君と矢崎さんのアフタートークは何度も笑わせていただきました。
ほんとうにありがとうございました。

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本当はここまでの文章のあとに、なんでこんなに「好きの分析をしてるんだ自分は!」というセルフツッコミをし出しまして、つらつら書いていたのですが

このノートの最後につけるにはちょっと蛇足かなと思って、別のノートに書き記しました。

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読んでくださってありがとう、ではまた。