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2020年10月蔵の街読書会ご報告

私が引き継いで最初の読書会が終わりました。どんな本が紹介されたか、そのご報告です。

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私は「丁庄の夢」えん連科を持っていきました。

エイズがまん延し、ほとんどの住民が感染している村「丁庄」。そこに住む丁一族の愛と欲望の物語。ガルシアマルケス「百年の孤独」が好きならこれも絶対楽しめます。こちらは2020年の新装復刊です。

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そして、300人委員会が大好きなI氏が持ってきたのは、「鳥インフルエンザの正体」。いわゆる陰謀論ですね。本人とも話したのですが、この読書会では禁止するジャンルがありまして、ギリギリどうかなというところではあるのですが、まぁ、次回からは気を使ってくれんじゃないかなと思います。まったく関係ない本から、そういう話題にふっちゃうとかね、アクロバットな話術を見せていただきたいと思います。

それにしても、エイズからの鳥インフルということで、いかにも「コロナの時代」らしい選書です。ちなみにうさぎやさんでコロナに関する本をまとめているコーナーがあったのですが、そこに「コレラの時代の愛」を置いていました。わかる。

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あーあ、出会っちまったか。って感じです。一箱でもおなじみのソラリスさんが持ってきたのは、と学会の「トンデモ本の世界」。写真はわざと「鳥インフル」を入れました。この本がでるまでは、いわゆる「オカルト」に対して日本人は免疫がなく、すっかり信じ込んでいたそうです。しかしこのような本が出始め、だんだんと啓蒙がなされていったということです。今でこそ信じられないでしょうが、当時の人は、1999年7月に地球が滅ぶと思っていたし、オウム真理教もチヤホヤされていたのです。ちなみに初版だそうで、確かに今となっては見かけないカバーです。

しかしオカルトのような広義の「ファンタジー」を信じることができるのは、人間の持つ能力でもあります。つまり「半信半疑」とは高度な認知能力なのです。そうでなければ、「物語」という「作り話」にどうして感動できるのでしょうか。あるいは逆に、子どものころのおままごとのような空想を使った遊びから、どうやって卒業することができるでしょう。

ファンタジー≒特殊な設定は、当然ミステリの世界にも入りこめます。

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書影を取り忘れていました。すみません。「楽園とは探偵の不在なり」(斜線堂有紀)を最後にご紹介いただきました。画像は紹介してくださったNさんの読書ノートです。これだけじゃなくて、続くページにも登場人物などまとめてあって、こんなに丁寧に本を読むなんてと、感服いたしました。

こちらは、二人以上殺人を犯すと、「天使」によって地獄に落とされるという世界観を持っています。しかしそんな「設定」のなかで連続殺人が起きてしまう。ミステリというと、現実に即した世界観を持っているものと思いがちですが、なかなかどうしてファンタジックな設定です。しかし面白い。ありえないことが起きているわけですから。普通に考えたら犯人は複数いることになりますが、どうなるんでしょうね。ネタバレできないのが、紹介型読書会のもどかしいところです。このような特殊設定のミステリは最近珍しくないそうです。この前映画にもなった屍人荘の殺人も○○○が出てきますしね。

こんな感じで栃木市での読書会、その3rdシーズンが開幕しました。11月、12月は悟理道さんで行います。11月は今回と同じく、紹介型の読書会となります。お好きな本を一冊持って、プレゼンしていただきたいと思います。初めてでも大丈夫。遠慮なくご参加ください。12月は課題本形式です。宮沢賢治の銀河鉄道の夜について感想を述べあいましょう。


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