見出し画像

2024/06/12  日経新聞 朝刊 個人的厳選3トピックス

[大見出し]
太陽光パネルにリサイクル義務
政府、大量廃棄に備え 来年の法案提出検討

政府は2030年代に耐用年数を迎える太陽光パネルのリサイクル義務化を検討しており、環境への負荷を減らす狙いがある。環境省は年間50万~80万トンのパネル処理が必要と予想し、リサイクルがなされていない現状を指摘している。自動車や家電などには既にリサイクル関連法があるが、太陽光パネルにも同様の仕組みが必要とされている。しかし、リサイクル施設不足や中国製パネルの参入など課題もあり、外国メーカーも含めたリサイクル制度の構築が求められている。FIT制度導入後の急速な太陽光発電所の拡大は、投資マネーの流入や乱開発を引き起こし、森林伐採や土砂災害の問題が生じている。

首都圏マンション工期、10年で3割長く 人手不足、価格上昇要因に

マンションの建設期間が長期化しており、首都圏の大規模物件では工期が10年で3割延びている。この状況は人手不足が主な要因であり、建設業界では長期化が続く見込みである。工期の延長は販売価格の上昇にもつながっている。建設業界全体の働き方改革が進む中、職人の高齢化や電気設備の作業員不足が課題となっている。建設業界では工期の延長により、建設コストが上昇し、販売価格も上昇している。2024年問題により、建設作業員不足が深刻化し、工期がさらに長くなる可能性が高いとされている。これにより、新築マンションの価格は今後も上昇する見通しとなっている。

自社株買い、年間最高迫る 1~5月は9兆円、株価下支え

上場企業の自社株買いが急増しており、1~5月の取得枠は前年同期比6割増の約9兆円と過去最高になり、2023年の約9兆6000億円に迫る。企業は東京証券取引所の要請を受け、株主還元を重視し、株価を支えるだけでなく、株式持ち合いの解消を促進している。自社株取得枠の設定が増加し、24年は3年連続で過去最高になる見通し。企業は資本効率改善を目指し、自己資本利益率の改善やPBRの上昇を図ることで、東証からの要請に応えている。自社株買いを実施する企業のPBRが1倍未満の割合が47%であり、好業績を背景に規模も拡大している。減益予想の企業も自社株買いを行い、投資家心理の悪化を回避する狙いがある。自社株買いは日本株市場を支え、株式需給を改善する一方、持ち合い解消にも寄与している。JPモルガン証券の西原里江チーフ株式ストラテジストは、企業の手元資金適正化の動きが進んでおり、今後も自社株買いが増加する可能性が高いと指摘している。市場では自社株買いを高く評価する声もありつつ、成長戦略の欠如や政策保有株の解消など、批判的な意見も根強く存在している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?