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涙を流す若い保育士

とある系列園の会議にて経営層より
「全園、人員は足りているはずだ」
という発言があったそうです。

それには実情に応じた数的根拠はなく
配置基準を満たしているからというものでした


では現場の実情ではどうかというと

  • 体調不良や家族の看護での欠員で保育残業をする

  • 系列園に交渉をして、人員を回してもらう

  • 事務時間がとれず、書類業務で更に残業をする

  • 残った職員が疲弊し、やがて体調を壊す

といった負のループが始まってしまいました。

若い職員の中には
「どうしてこんな思いをしながら、働かなければならないの」
と涙を流す方もいたようです。

こういった現状を把握している
経営層や管理職層はどれだけいるのでしょうか?

そもそも
人員配置の適正基準は
数的根拠に基づいて明文化されていますか?

数的根拠とは

  • 子どもの滞在時間(登園時間,降園時間)

  • 子どもの発達に応じた言動と必要なかかわりの想定

  • 保育士の契約時間

  • 保育士の保育業務時間、休憩時間

  • 保育士の書類及びその他の業務時間

  • 保育園舎の構造と保育士及び子どもの動線

少なくともこれらを加味しなければ
算出することはできません。

明文化とは

取り決めた内容が目に見えるかたちになっており
所属する全ての職員が認知していることです。

しかし多くの園がこれらを明確にせず
上層部の肌感覚や経済的理由で意思決定されることが多いです

数的根拠を出さないデメリット

経済的理由は国の制度上、致し方ない部分もありますが
数的根拠を割り出さいデメリットの一つに
国や行政に対して問題提起の理由や根拠を具体的に示せなくなる
という点があります。

つまり問題があっても根拠を示さなければ
聞く耳を持ってもらえないということです。

一生懸命、目の前の保育をしていれば
いつか誰かが「がんばってるから助けてあげよう」
なんてことは起きません。

実情を知っている人間が
地道な記録と証拠を積み上げ、声に出していかなければ
「助けてほしい」という思いを誰も拾ってはくれないのです。

だからこそ
まずは数値化による業務の見える化を
早急に行っていくことが必要です。


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