遊びと仕事の連続性からみえる遊び観
遊びとは何か。その答えを求めても、おそらく、万人が納得する答えはないし、答えを求めること事態が不正解なのかもしれない。でも、深く掘り下げてより丁寧に、より真剣に遊びと向き合うことで遊びの世界観への理解に繋がるのです。
今回の記事は2021/5/26（水）に開催された「遊びについて語りたい！」という3人（ゆーだいさん、晴さん、私）で話した会話の内容を元に自分なりにまとめたものです。2回目であるにもかかわらず、2時間半近く話題が尽きず、かなり深堀された話が展開されました。
1回目では、「遊びづくり」や「写真という媒体」という構造論的な遊びについて話が盛り上がりました。
「遊び」はとても複雑でA=Bのような構造で説明ができにくい現象です。今回は「仕事と遊び」がキーワードでした。
遊びと仕事の境目はあるのだろうか
「遊びと仕事」の関係は、「水と油」のようなもので、単語同士を結びつけることが難しく思えます。でも、発達的な考え方でみると「遊ぶ、学ぶ、働く」と成長に合わせて獲得する用語であり、少なからずとも関連性があるのです。
もし、「あなたにとって遊びと仕事の境目のようなものはありますか」と聞かれたらどのように答えますか。私自身が仕事と遊びの関連性を尋ねられた時このように答えました。
やらされて楽しくないことは仕事
でも、やらされても楽しいことは遊び
遊びには賃金は発生しませんが、仕事には発生します。だから少しばかしの苦は対価があるから我慢しておこなうことができる、というのが私の考えでした。
ゆーだいさんは「基本的にはないけど、アイデアを通すことができないことは仕事」と話されてました。別にやりたいことだけしたいというわけではなく、「初めから機械的な作業で創造性のない業務的なことが仕事」ということでした。
遊びの魅力はどのように伝えていくか
遊びに限った話ではなく、自分の好きなことを話すというのはかなり難しいことをゆーだいさんの説明を聞いて改めて思いました。
TwitterやFacebookといったSNSは興味のある人しか集まらないから興味がある人同士で踏み込んだ話題が盛り上がれる。だけど、職場は興味がある人もない人も集まる場であるから一般的な話題では盛り上がるけど、一つ踏み込んだ話題にはあまり盛り上がれない。
この「遊びについて語りたい！」というコミュニティも読者や幅広くの人に遊びの大切さを再認識してもらいたいといった一環で活動しています。ゆーだいさんも晴さんも「遊び」というクローズドな関心があるからこそ盛り上がれはしますが、「遊び」に関心がない人にとってはどんなに良い遊びの話をしていても、遊びの面白みが全くといっていいほども伝わらないだろうと思います。
コミュニティ形成自体も遊びらしさがあるのでは...という話題に繋がり、晴さんが「ユーチューバー」を例にコミュニティの説明してくださりました。
昔から見ていたユーチューバーが最近あまり面白くないんですよ。最近そんなことを考えていて思ったのですが、ユーチューバーって初めの方はしたいから好きな動画をあげるけど、ある程度、視聴者が増えると再生されやすいものに切り替わるのです。
これも特殊性から一般性に戻る例だと思います。特殊性にもコミュニティはあるけど母数は少ないからあまりよりニッチな話題になり一部の人には喜びます（この遊びの会のように（笑））。だけども一般性の話題を入れないとその存在自体も次第にかき消されてしまうのです。一つ焚火を題材に例を挙げます。
焚火に薪をくべないと燃えないように、特殊性という薪は太く燃えるまで時間がかかりますが、一般性という薪は細く燃える時間がかからない、そんな風に思えます。
連続する遊びと仕事
発達的には「遊び、学び、仕事」と連続したものであるけども、それらの用語は行き来を繰り返し、決して切り離された用語ではない、ということを色々な例を踏まえて説明しました。少なくとも仕事の中にも遊び的要素があるということなのです。
例えば、初めて教えられることは慣れていないから仕事であると感じる。10回、20回と繰り返し行っていく中でその教えられた内容に慣れ始め、それまで必死で見えてなかった景色や状況を見れるようになる。これは遊び的である。その遊び的な状態の中から新たにしたいことであったり、課題が見えはじめ、遊び的から仕事に戻る。
遊びとは大きな意味合いでは「自由性、心の余白」と捉えても良いと思います。これは車の「遊び」の機能と似た考え方です。
今回は遊びと仕事に絞り、それらの用語は同じ事柄ではないですが、連続するものであり、お互いに補える関係であると思えます。読んでいるあなたはこの記事を読んでいくなかで、「遊びと仕事の境目」を自身の生活と結び付けることができたでしょうか。
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