孤独の克服 ~愛のかたまり~
クリスマス
彼女が日常になって、初めてのクリスマスを迎える。
今までは、この季節になると毎年恒例のプレゼント選びに気が滅入っていた。
遠く離れた所に住む愛娘(最近男が出来た。)に送るプレゼントに悩まされていたのだ。
一緒に住んでいた頃はとても小さかった彼女は素直にサンタさんへのリクエストを家族の前で発表していたし、適当に変な人形でもあげておけばよかった。
しかし大きくなってからは困った。
おっさんには、思春期女子に何が欲しいかなんて分かるわけがない。
独りモールを彷徨い、センスより数で勝負だと言わんばかりに一杯の荷物を抱えて帰路に就く。
そして自分なりに梱包して発送する。
いくら娘のためといえ、これは苦行だった。
何処見てもカップルか家族連れしかいないモールをうろつき、あげく中高生しか居ない雑貨屋に入る。
一応「プ...プレゼント選びなんだからね///!!」
って顔はしても異様な侘しさを感じていた。
そして「畜生クリスマス!」と心で叫ぶ。
しかし!今年は違う!違ったのだ。
何処にでも堂々と入るし、なんなら手に一杯の荷物を抱えることもなかった。今年は娘のプレゼントも、センスの良い彼女が選んでくれたから数で勝負しなかったのだ。
こんなにスムーズな買い物は初めてだ。
しかもイルミネーションを横切っても虚しくない!!
今までなら「この街は何でこんな無駄な電気を使ってまで、私の傷をえぐるのか。」とか思っていた。
今は「うむ、よかろう。」なんていう余裕がある。
もう一つ私がハッピーなことは、彼女から少し早めのクリスマスプレゼントを受け取ったことだ。
私がポロっと言った言葉を拾って、素敵な贈り物をしてくれた。
欲しかったものだったし、今までのことが全て報われた瞬間でもあった。
「サンタさんから!」という彼女に深い愛を感じる。
実はこの数年はこうしたイベントも、少しづつ克服していた。
独りを意識してしまうような瞬間も、それなりにやり過ごす気持ちも出来てきたのだ。
でも今は全く違うアプローチで、自分の心が癒えていくのを感じている。
可愛いサンタさんありがとう。ちゃんとお礼するから楽しみにしてて。
因みに昔、娘に「これサンタさんから」と言ってプレゼントを渡したら、「ありがとう。 で、パパからは?」みたいなことを言われたことを今度彼氏に話してやろと思う。
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