2025年は「手取りが増えてしまう」年になりますように
自民党の小野寺五典政調会長の発言が話題になった。
「手取りが増えてしまう」発言。
これが話題になるのも当然である。
なにせ「政治家の政策が国民を貧しくする」といい切ったからだ。
国民の「手取りが増えてしまう」。
この発言は、小野寺五典政調会長の失言だったのだろうか。
いや。
そうではない。
小野寺五典政調会長の発言は正しい。
国の負債は国民の利益。
これは古の経済学ですでに証明済である。
小野寺五典政調会長は論理的思考をたどり、正しい発言をしたのだ。
ただし、所属する党の間違った政策を証明するとともに、である。
どうしてこのような間違った政策を選んできたのか。
それはこの問題が複合的な勘違いが重なり合っているから。
間違いに間違いを重ね、正解が分からなくなっている。
それが失われし〜十年の原因である。
その間違いを少しずつ紐解いていこうと思う。
1.税金は財源である。
嘘である。
税金は財源にならない。
現在、日本は管理通貨制度を採用している。
理論上、管理通貨制度下では自国通貨を無限に発行できる。
つまり、管理通貨制度においては貨幣は貨幣としての価値を持っていない。
"財源"にするための"財"の意味を持っていない。
収入と支出を支えられるものではない。
一時代前の金兌換紙幣ならいざしらず、今の貨幣にそんな力はない。
せいぜい貨幣の数を減らす働きしかない。
税金とは貨幣価値を上げる働きしかない。
2.円安がどんどん進み、いずれは財政破綻する。
本当であり、嘘である。
国債を発行し続ければ、円の価値が下がるのは当然。
量が増えれば価値が下がるのも経済の基本。
理論上、通貨が無価値となり財政破綻は起こり得る*。
ただし、日本円は世界で認められた貨幣である。
流通量が非常に多く、国内情勢も安定している。
不安定な国の政府が創る貨幣より信頼度が高い。
日本円は強い。
円が世界で必要とされる貨幣である以上、財政破綻はない。
3.物価高のために、税金を上げて貨幣の価値を上げるのが正しい。
嘘である。
税金は貨幣価値を上げる働きがある。
物価を下げるために貨幣の価値を上げなくてはいけない。
だから税金で市場の貨幣を回収し貨幣の価値を上げるべき。
一見、正しそうに見える。
しかし、それは物価高を間違って捉えている。
物価高には大きく分けて2種類存在する。
一国だけが富を独占する状態。
そしてある国以外が富を独占する状態。
前者は日本のバブル景気。
後者は2024年現在の世界状況。
一国の状況であれば一国の内政で問題解決が可能である。
すなわち膨れ上がった貨幣(バブル)を減らせば(税金)いい。
一方で、2024年現在はどうか。
戦争による不安定な世界情勢が原因の物価高。
どうして一国の政策で問題解決ができるのか。
大河に一滴の果汁を垂らしてジュースを作ろうとするに等しい。
世界情勢による物価高では、財政政策など無意味である。
4.失われし〜十年を日本は克服できるのか。
可能である。
税金と貨幣の定義。
物価高の性質。
国民一人一人が理解すれば、政治家も正しい政策を選ぶことになる。
税金の正しい使用方法も自然と選べるようになる。
今、国民民主党の追及でやっとその芽が生まれてきた。
現政権を否定するだけではいけない。
建設的な対話をして日本をよりよい国にして欲しい。
税金の正しい使い方*。
物価高の正しい認識。
政策方針の正しい政治家。
それらをきちんと学んでいくことだと思う。
世界中で貨幣が増えつつある。
それに合わせて日本もそれに合わせて貨幣を増やさなくてはいけない。
貨幣を増やし、国民にその貨幣をまわす。
そうしなければ、世界の物はどんどん失われる。
間違った財政政策で国民から金を搾り取り続ければどうなるか。
当然、国民は貧しくなる。
貧しい状況では経済のまわりようがない。
・・・
最近、国民民主党ががんばっている。
ずっと上がり続けた税金に待ったをかける形。
これは良い傾向であると思う。
ただ、「財源は?」と聞かれると国民民主党側もたじろぐ。
たじろいでいるように見える。
しかし、現在の貨幣は財源にならない。
財源という問いには応える必要がない。
その認識が広がることを祈るばかりである。