見出し画像

今日の配達日記:話し相手がいなくて寂しいひと

いつも買い物代行の仕事で行く店で、最近よく見かけるようになった車椅子に乗ったオッチャンがいるんですよ(※ホームレスではない)。

こちらは仕事で一日に何度も店に足を運ぶので「あの人はいつも何をしてはるんやろうなぁ」と思っていたのですが、従業員が車椅子を押してあげたり、買い物を手伝ってあげたりしているのを横目で見ていたのです。

しかし日が経つにつれて、このオッチャンはなんと毎日店へ来て、レジ近くで誰か従業員が相手をしてくれるのを待つようになってしまったのです。ちなみに、オッチャンは別に人に押してもらわなくても、ひとりでも車椅子を普通に乗りこなせるというか、自分で椅子を運転して移動することはできるのだ。

そしてとうとう、今日仕事でお客さんの買い物をカートに入れているときに、うしろで従業員同士で話をしているのをうっかり又聞きしてしまいました。

「困るのよね、一度親切にしてあげたら毎日来るじゃない。でも毎日車椅子を押してあげて、世間話に付き合っていたらこっちも仕事にならないのよ。うちだって人手が足りてないしね、ただでさえコストカットで厳しいのに、何て言えばいいかねぇ」

・・・まあ、そうなるやんなぁ。それはしょうがないよな、店も商売やしな。

たぶん、オッチャンは話し相手が欲しいのだ。寂しいのだ。

とはいえ店の人だってみんな暇なわけじゃないのだ。一度善意で優しくしたがために、数回それが続いたらそれを当たり前だと思われてしまって、今度は「ねえ、今日は誰が車椅子を押してくれるの」ってレジ前で待たれてしまったら、困るよねぇ。

それで今日は誰にも相手にしてもらえなかったので、オッチャンは店の外でひとりでぼーっと車椅子に座ったままたたずんでいました。そのあと店に次の配達で戻ったらもういなかったけど。

なんかこういうのを見ると、自分に何ができるわけでもないんだけど、ちょっとやるせない気持ちになります。でもわたしも仕事の最中だから、オッチャンの話し相手をしてあげる余裕はないんだ。この暑さで冷蔵品がぬるくならないか心配でそれどころじゃないんだ。ごめんよ。

こういう「寂しくて誰かに話し相手になってもらいたい」というお年寄りはけっこういるのではないかと思う。みんながみんなコミュニティに属しているわけでもないだろうし、最近じゃ隣は何をする人ぞ的な感じで、ご近所付きあいもなさそうだし。

だからといって何かしてあげられるわけではないんだけれど、こういうことがありましたというだけの話でした。

あぁ、でもわたしも将来落ち着いたら近所に茶飲み友達を作って、編み物やマージャンでもしながらつるめる誰かと一緒に過ごしたいな。世間話でも、話が出来る誰かがいるって大事ですよね。

いただいたサポートは我が家の4匹のうさぎのお野菜代に充てさせていただきます(*'▽') むしゃむしゃー!