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京急本線で大号泣した話。

17年間生きてきて、初めて結婚したいと思った人に会いに行ってきた。

あの日、本当の事を話せなくて急に連絡先を消してしまった事がやっぱりずるくて卑怯だと思い、罵られる覚悟で改めて連絡をした。なのに彼は罵る事もなく、私の話を最後まで冷静に聞いてくれた。そして一度会うことになった。

正直どんな顔をして彼に会えばいいのか分からず、気が重かった。でも彼に一度でもいいから会いたくて、どうしても直接謝りたくて、お別れする気持ちで会いに行くことに決めた。

その日は彼の誕生日。家にも上がらせてもらうのに、何も持たずに会いに行くのは失礼だと思い、途中フルーツのゼリーを何個か買った。

会う前から不安と緊張でいっぱいで落ち着かなかった。それと彼に会いに行くために、横浜からの景色を見るのが今日で最後になるかもしれないなどと考えると涙でいっぱいになった。
駅に着いて家に向かうまでは、とても緊張して手が震えて吐きそうだった。

家に着き、入ると彼は、私の事を普通に迎えてくれた。ずっと会いたかった人にやっと会えた。まさか本当に会えると思ってなかったからとても嬉しかった。「肌白すぎ」って言ってもらえたのも、買って行ったお土産を喜んでくれたのも忘れられない。
初めて会えた彼はやっぱりかっこよくて、いい匂いがしてドキドキした。

私が緊張しないように彼が気を遣ってたくさん話をしてくれ、謝っても、怒らずに「もういいよ。」と言ってくれた。彼がとても優しくて、優しすぎてどうすればいいか分からず、会ってる時間の半分は泣いていた。多分ずっと泣かれて困惑したと思う。それと本来なら彼のほうが泣きたいはずなのに優しく私の事を慰めてくれた。

私は、今までにさまざまな年上の人と付き合ってきた。でも彼が私にとって初めての経験がばかりでとても楽しかった。普段しないような事まで出来て嬉しかった。とても幸せだった。

帰り際には今後どう関わっていくかの話し合いをした。もう会う事がないかもしれない。後悔しないためにも精一杯自分の気持ちを彼に伝えたのだけは覚えている。ごめんなさいという気持ちと今でもずっと大好きでお別れしたくないという事。泣きながら必死に伝えた。

正直、彼から言われた「好き、お別れするのは寂しい。」などというのはその場しのぎの嘘かと思っていた。付き合うとか関係が続くなんてないと思っていた。

帰る時、「また家に来るでしょ?また来てね。」「最後ぎゅーとかしなくていい?」と聞かれて泣きそうなのを堪えながら抱きしめてもらった。彼に手を振って別れを告げた後、ずっと溜めてた涙が溢れてしまった。彼の家から駅に向かうまで、抑えきれず嗚咽しながら泣いてしまった。少し歩くと窓から「なな、またね!」と彼が声をかけてくれた。私は、寂しくて悲しくて振り向く事しか出来なかった。

今日で最後、終わり。きっと今日で疎遠になってしまうんだ。もう会ってなんかくれないでしょ?なのにお別れの時に「またね。」なんか言わないでね。でも凄く幸せな時間だった。そう考えながら、人の少ない京急本線で不覚にも大号泣してしまった。自分の服に彼の匂いが染み付いてるのにも思い出して更に泣いた。

彼の一つ一つの仕草がとてもかっこよくて、素敵だった。彼と会えた事、彼の誕生日に私と初めての事が出来た事、私として見てくれた事がこの上なく嬉しくて幸せだった。
本当に彼はとても優しい。私が家に着くまで優しくて困惑した。私なんかに優しくしなくていいのに。

その日から彼とLINEをするようになった。後日、電話がかかってきた。多少の気まずさはあったが、普通に話すように努力をした。
彼は私に、「俺も好き。泣きながら好きだと言ってくれて嬉しかった。ななには幸せになってもらいたいって本当に思ってる。俺と付き合ってるんだからいいじゃん。」などと言われて、また泣きそうになった。本当なんだ、嘘じゃなかったんだ。
今までの人にはない一言だったからとても嬉しくて安心した。彼からの何気ない一言が私にとっては嬉しかった。

それに彼が通ってる大学と一人暮らしをする場所をおすすめされてしまった。でも、もしもお別れした時に絶対彼の事を思い出す自信があるから断った。それを聞いた彼は笑って、「そんな事ないって、思い出す事なんてない(笑)」と笑われたけど、そんな事ない。色々思い出がありすぎて、楽しかったからきっと思い出してしまうような気がする。

私は常に別れを告げられる事を想像して、深く傷つかないよう生きてるけど、寝る前に彼から「好きだよ。」って言ってもらえたのを信じて、今は幸せな事だけを考えるようにするね。

あとね、私も好きだよ。私も寂しいから一緒に寝たいし、抱きしめてもらいたいし、お泊まりもしたいです。忙しいと思うけど、またいつか会えたらいいな。


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