乳糖不耐症の嘘
こんにちは!
体調不良・病気で苦しむ人を1人でも減らしたい
東大薬学部卒アンチエイジングアドバイザー
福嶋大介です。
今回は「乳糖不耐症の嘘」というテーマで解説して行きます。
一般的に言われていることとして、「日本人は遺伝的に乳糖不耐症だから、牛乳やホエイプロテインを摂取すると下痢やお腹の不調を起こす」という話がありますよね。多くの人がこれを信じていて、日本人には乳製品が合わないとされています。
しかし、本当はそれだけではありません。今日はその真実についてお話しします。
1. 乳糖とは
乳糖は、二つの糖がくっついた二糖類と呼ばれます。よく聞くお砂糖(スクロース)は、グルコースとフルクトースがくっついた形をしていますが、乳糖はグルコースとガラクトースという2種類の糖がくっついたものです。
●乳糖の消化プロセス
乳糖は小腸で分解
(小腸の細胞で作られるラクターゼという乳糖分解酵素によって)
↓
グルコースとガラクトースへ分解
↓
各々腸壁から血液へ吸収される
一般的にはこの流れ。
これが起きたら平和なんです。
ところがこうは起こらないのが問題なんです。
2.乳糖不耐症の症状
乳糖不耐症の症状は以下の通りです。
- ガス
- 膨満感
- 炎症
- 痛み
- 腹部のゴロゴロ感
これらの症状は、乳製品を摂取した直後から数分から1時間後にかけて現れることがあります。
3.乳糖が分解されない不調になる理由
乳糖が分解されない場合、以下のような不調が生じます。
●浸透圧の影響
1. 乳糖が小腸で分解されない
2. 大腸まで到達する
3. 大腸でも吸収されず、大腸に水が集まる(大腸内の濃度が濃くなるため浸透圧が発生)
●腸内細菌の影響
1. 分解されずに腸内に残る乳糖は腸内細菌により発酵される
2. ガス(水素、メタン、二酸化炭素)が生成される
3. お腹にガスが溜まる
●腸壁への刺激
1. ガスと水分の過剰により腸壁に圧力がかかる
2. 痛みや蠕動運動が活発になる
4.日本人と乳糖不耐症
日本人の多くは遺伝的にラクターゼ持続性の変異を持たないため、乳糖不耐症であると言われています。そのため、牛乳やプロテインを摂取すると下痢やお腹の不調を引き起こすことが多いです。
これが、「日本人は牛乳が合わない」という一般的な認識につながっています。
ただし本当でしょうか??
5.世界中で例外事例大量発生中
しかし、モンゴルやカザフスタン、ケニア、エチオピアの人々も、遺伝的には日本人と同様に乳糖不耐症の割合が高い。
にもかかわらず、乳製品を大量に摂取しても下痢などの症状を示しません。
これらの地域の人々は、伝統的に乳製品を多く摂取しており、その摂取方法に工夫があります。
●モンゴル
モンゴルの遊牧民は、1日に3リットルもの乳製品を摂取していますが、これは発酵乳であるクミス(馬乳酒)として摂取されます。発酵によって乳糖が分解されるため、乳糖不耐症の影響を受けにくいのです
●カザフスタン
カザフスタンでも、発酵乳製品が一般的です。クミスやシャバット(発酵したラクダのミルク)など、これらの乳製品は乳酸菌によって発酵されるため、乳糖が分解され、消化が容易になります
●ケニア
ケニアのマサイ族も乳製品を多く摂取しますが、これも発酵乳が主流です。発酵によって乳糖が分解されるため、乳糖不耐症の影響が軽減されます
●エチオピア
エチオピアのいくつかの民族も発酵乳製品を摂取しており、乳糖不耐症の症状を示さずに乳製品を楽しんでいます
6.牛乳の加工方法の影響
高温殺菌された牛乳と低温殺菌または未殺菌の牛乳には大きな違いがあります。
●高温殺菌
高温殺菌(パスチャライゼーション)は、牛乳中の病原菌や微生物を殺菌します。この過程で乳酸菌などの有益な微生物も死滅するため、乳糖が分解されず、乳糖不耐症の人々にとって消化が難しくなります。
●低温殺菌と未殺菌乳
低温殺菌(温度が低いが長時間加熱する方法)や未殺菌の生乳には、乳酸菌が生き残る可能性があります。これにより、乳糖が乳酸菌によって部分的に分解され、乳糖不耐症の人々にも摂取しやすくなります
7.人によって違うのは
おなか下す人とくださない人がいることについて
一番は各々の体内に腸内細菌の種類というよりも
乳製品(牛乳やプロテイン)の量と、その人の胃腸の乱れ具合の問題かと考えています。
一気にタンパク質が入りすぎると体は拒否反応を起こしてしまうので。
特に胃腸が荒れている人ほど
何食べてもアレルギーや蕁麻疹、赤みが出るのと同じかと思われます。
8.結論:乳糖不耐症の真実
乳糖不耐症の症状は、乳糖そのものが問題ではなく、牛乳の加工方法が大きく影響しています。
高温殺菌によって乳酸菌が死滅するため、乳糖が分解されず、乳糖不耐症の症状が現れます。
一方で、低温殺菌や発酵乳製品は乳糖を分解する乳酸菌が生き残り、消化が容易になる。
ということが今回の考察です。
したがって、適切な加工方法を用いれば、乳糖不耐症の人々でも栄養価の高い乳製品を安全に摂取することができます。これは、日本人だけでなく、他の乳糖不耐症の多い地域でも同様です。乳糖不耐症は単に遺伝的な問題だけでなく、加工方法の違いによっても大きく影響を受けることを理解することが重要です。
プロテインの品質によって
「プロテイン変えたら全然お腹くださなくなったんですけど、なんでですか??」という声や
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という相談が多くて今回記事をまとめてみました。
高品質なプロテインをとっていきましょう。
皆様の相談をもとに記事や動画のネタを作っています。
お尋ねがあればご連絡ください。
ありがとうございました!
福嶋大介
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