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アパレル各社が撤退したプロダクトがPMFするまでの道のり

はじめに

はじめまして、株式会社DROBEでCOOをしている長井と申します。

弊社は、2019年4月に創業し、2021年5月にシリーズAで5億円の資金調達とMBO、2022年11月にシリーズBで10.6億円の資金調達をしました。

資金調達プレスリリース写真のオフショット。楽しそうw

「スタイリストがつくネットショッピング」DROBE(ドローブ)というサービスを運営しています。DROBEは会員15万人超、月次GMVは1億円を超えてYoYで150%以上の成長をしています。

北海道から沖縄まで15万会員、働く女性が9割
GMVはYoYで150%


前回の note (以下)ではシリーズA調達後、創業時やシード期における、PSM(Problem Solution Fit)やMVP(Minimum Viable Product)の検証などについて振り返りをしました。

これらの経緯については、創業から二人三脚でプロダクト開発を共にしてきたCTOの都筑が、システムやAIといった観点からも振り返っていますので、そちらもご覧いただけると、より理解をしていただけるのかなと思っています。

そして今回は、前回のシリーズAの調達から、今回のシリーズBまでの約1年半、何を考え、何を実行し、どのような結果になったのか、というのを振り返ってみたいと思います。

シード期からシリーズAの期間に重要になるリーンスタートアップや初期のMVP立ち上げまつわる話は数多く語られている一方、その後のPMFやその道のりについては百社百様なところがあると考えており、少しでもこのnote がどなたかの参考になれば幸いです。

今回のタイトルのPMF(Product Market Fit)は、

いいマーケットに対して、マーケットニーズを満たすプロダクトがあること

Marc Andreessen

と言われています。

ですが、これ自体が市場にもプロダクトによって非常にあいまいなもので、ノリや感覚的で、一過性で何回もする必要がある性質を持つものと認識しているため、社内で使うことも基本的には避けてきました。が、今の状態を表す用語としてもっとも適切な言葉を探した結果、便宜的に使わせていただきました。

💡 対象読者
・DROBEというプロダクト、株式会社DROBEという会社に興味がある人
・C向けサービス、プロダクト開発やグロースに興味がある人
・すでにDROBEで一緒に働かせてもらっているメンバー

パーソナルスタイリングサービス

DROBEは大きくカテゴライズすると「パーソナルスタイリング」サービスと定義しています。

この今年の7月にはエアークローゼットさんが上場をされたり、11月にはZOZOさんが niaulab by ZOZOを発表されたりと、キャッチーなニュースこそありますが、少なくともまだ日本ではカテゴリの確立しきっていない領域であるとも言えるでしょう。

特に日本では難しい領域

USを中心に、スタイリングサービスは大きな市場を作っており、その代表例はStitch Fixで、2017年に上場をしています。

一方日本はというと、上場されたエアークローゼットさんはスタイリング x レンタルを主力事業とされています。

スタイリング x EC(購入)の領域では、ZOZOさんが2018年に「おまかせ定期便」を開始されましたが、約1年で撤退をされています。その他、大手アパレルであるアダストリアさんやストライプさんも相次いで同様のモデルのサービスを開始されましたが、いずれも撤退されているという現状です。

これらの現実を見ると、この市場を創っていくことの難しさが少しでも伝わるのではないかと思います。

オペレーショナル・エクセレンスで挑むプロダクト

ファッションECトップランナーのZOZOさんには優秀なテクノロジー人材はもちろん大量のデータを保有しておりテクノロジーやAI活用については強みがあると言っていいでしょう。

また、大手アパレル企業は、商品はもちろん多種多様な販売員(スタイリスト)さんを抱えており、スタイリングや接客オペレーションの強みを発揮できるはずです。

傍目から見るとそういったアパレル界の雄とも言えるプレイヤーが失敗している中で、DROBEは着実にトラクションを積み重ねてきました(と言っても、当初に思い描いていた事業計画から考えると、お恥ずかしい限りではありますし、コッカラっす状態ではあるのですが)。

その理由を一言で言うならば、このテクノロジーとヒトによるオペレーショナル・エクセレンスを愚直に突き詰めてプロダクトをつくってきたからに他ならないと思っています。

なにを考えをなにを実行してきたか

DROBEとしてお客さま向けに提供してきた大きな機能は以下の通りです。 改めて並べてみると、本当に少ない人数で、いろいろやってきたなぁと感慨深いです。

📱 プロダクトのリリース
2019.06 アルファ版(従業員家族・知人の200名にクローズド提供)
2019.06 ベータ版(一般公開)
2019.09 NP後払い導入
2020.02 AIの導入
2020.03 正式版
2020.10 パーソナルスタイリング診断
2020.10 Paidy(あと払いペイディ)の導入
2020.10 ストア機能
2021.05 返品の持ち込み(コンビニ等)対応
2022.02 セレクトBOXパスの導入
2022.03 Amazon Payの導入
2022.05 有名人とのコラボBOX

もちろんこれらは重要な機能であることは間違いないのですが、本noteではこの裏で考えたり、やってきたことについて触れていければと思います。

バリューの整理

突然ですが、洋服を買うときの悩みや課題と聞いて何を思い浮かべますか?
店舗で買うのか、ネットで買うのかに分かれると思いますが、パッと思いつくだけでも以下のようなことが挙げられます。

試着の時間が限られている
たくさんの服を試着できない
店員さんに話しかけられるのが面倒くさい
試着して良くなかった時に断りづらい
店舗までの交通費がかかる
持って帰るのが面倒くさい
店や試着室が混んでいることがある

店舗の課題

店員さんの意見が聞けない
実際のサイズがわからない
実際の色・質感がわからない
いつも同じような服ばかり買ってしまう
コーディネートするのが難しい

ネットの課題

DROBEは大別すると「スタイリストが選ぶ」「自宅で試着できる」という二面性を持っており、店舗とネットのいいところを合わせ持っていることは理解していましたが、N1インタビューを通して、改めてDROBEのバリューを整理する取り組みをしました。

まずはサービス開始時からそれまでに実施してきたインタビューを振り返り、仮説を出していきました。

当時のNotionより引用

次にそれらの仮説を念頭に起きながら、追加でインタビューをしてお客さまをマッピングをしていきます。

追加でインタビューしたお客さまを細かくマッピング

結果として整理されたのが以下のような4つになります。

4つのバリュー整理

これらを見て改めて理解したのは、DROBEのバリューは1つではなく、複数あり、また1ユーザーの中でも極めて複合的であることでした。

ターゲットユーザー(ペルソナ)をシンプルにすることは重要ですが、WHOが複数いる(定義できる)という前提で、プロダクト開発やマーケティング活動(WHAT)を進めていくという大きな意識の変化があったのもこのタイミングです。

そしてこれらは市場や競合の変化、マーケティング活動の変化、プロダクトの変化によって大きく変わっていくものです。DROBEでは1年に一度アンケート調査を実施しているのですが、このとき整理したバリューも定点観測し、お客さまの変化にもしっかりキャッチアップしていくような動きをしています。

1年で割合も大きく変わる

また、このプロセスで非常によかったなと思うのが、以下のような運用でインタビューを実施したことです。

1) インタビュイー(お客さま)とは zoom でつなぎ、インタビュアーは最大2人

2) インタビュアーは同時に Google Meet を繋ぎ、インタビューをブロードキャストすることで、残りのメンバーは Google Meet で聞けるようにする

3) 追加の質問は Google Meet に集約し、インタビュー後、に Google Meet に集まって所感を言い合う

これにより、お客さまは大勢に囲まれて緊張することなくインタビューに答えながら、裏では生生しいお客さまの声を、色々なバックグラウンドのメンバーがリアルタイムで聞くことが両立できる仕組みを構築することができ、思わぬ副産物を得ることができました。(当時「これは発明だ!」って盛り上がっていました笑。率直にコロナによるオンライン会議システムの普及と、Zoom社とGoogle社にとても感謝しています!)


またこの一連の取り組みについては、Growth Campの樫田さん・山代さんの協力の基で実現しました。改めてありがとうございました!

North Star Metric の設定

North Star Metricとは以下のような定義とされています。

North Star Metricは「北極星指標」の意。
ひとことで定義すると「チームの目標と方向性、そして成功を計る尺度」

DROBEはプロダクトだけでなく、商品(ブランド)やスタイリスト(ヒト)、季節やユーザーの年代や予算など事業に与える変数も多く、サービスインして1年あまりのタイミングでは見つけることができませんでした。

また、見つけることに意識が向かなかった理由の一つに、商品を提供いただくパートナー(主にブランド)の売上が最重要であった点も挙げられます。

DROBEはパートナーの立場からすると、ZOZOやマガシーク、ロコンドなどといったファッション専業のECや、Amazon・楽天といった総合ECなどのプラットフォームと並列に扱われる対象です。もちろん、他のプラットフォーム・モールに比べてDROBEのユニークさに共感して商品提供をしていただいている一方、そのユニークさ故に、返品などのパートナー側に発生するオペレーションコストをリクープできるのか、将来的にZOZOさんのような売上になる可能性があるのかなど、厳しい目で見られてしまうことも少なくなかったためです。

そのため初期はGMVを最重要視し、商品がなければ売上が作れない、売上が作れなければ商品が増えないという、鶏卵問題を回避するためにも「兎にも角にも売上をまず作るんだ、それが市場の証明であり価値の証明だ」と信じて事業運営をしていました。

GMVは、具体的に以下のように表すことができます。配送数はマーケティングチーム主体に取り組み、主にプロダクトのKPIはARPU向いた施策を次々に投下していくことになります。

GMV = 配送数 * ARPU

このARPUを更に分解すると、以下の2つに大別されます。

ARPU = 1点以上購入率 * ARPPU(1点以上購入者の平均売上)

最初は、このARPUをKPIとし、「1点以上購入率」「ARPPU」どちらに着目するのかは各チームや施策を考えるオーナーに委ねるような状態にしていました。つまり極端な話をすれば「お客さまの予算を無視して高い商品を送る」などといった、ARPPUを上げるような施策も含めて許容されるようなKPI設定だったと言えます。

ところが、改めて「1点以上購入率」をいろいろと分析してみると、1点以上購入するか否かと継続率に強い相関があることがわかったことが転機になりました。

DROBEの場合、買っていただけるか否かに拘らず、毎回スタイリング料として約3000円をいただいています。1点も購入しない = スタイリングに価値がないと考えられてしまうのは、今考えてみれば当然の感覚で、極めてシンプルな話でありながら、なかなか見つけることができなかった…というのが何よりの反省ですが、今となっては当たり前と思えるものがNorth Star Metric(という言葉を社内では使っていませんでしたが)になるんだな、身を持って理解することができました。

有名サービスのNorth Star Metric

この1点以上購入率は購入BOX率と命名し、全社のNorth Star Metricとして設定して施策を実行していきました。

青が購入BOX率、赤が継続率

これを皮切りに、プロダクトの施策はこの指標にフォーカスし、MD(商品)、スタイリング、カスタマーサポートなどの各チームもKPIを再設定し、機能開発、施策投下、オペレーション変更などをしていきました。

色々な切り口で購入BOX率を徹底分析しまくった痕跡

具体的な施策については、やや細かいコンテキストがないと理解できないもの多数なので割愛させていただくのですが(ごめんなさい)、この購入BOX率に集中することで購入BOX率を底上げすることができました。


購入BOX率をグイーッと伸ばすことに成功

購入BOX率は以下の記事などにも言及されています。

ロイヤルユーザー施策

購入BOX率に着目して改善を積み重ねていた一方で、その手応えがなかったのが、ロイヤルユーザーでした。

いわゆる集計による分析ではどうも打開策を見出すことができなかったため、お客さまごとに全十数回すべての商品の内容や、受け取りごとにいただいているフィードバック数千件を、すべてスプレッドシートに書き出してチーム全員で読みこんだり、N1インタビューをしてみたのですが、正直以下のような理由が散り散りバラバラでのような、打ち手と呼べるものが定まらず「どうしよう…」と思っていました。

📯 ロイヤルユーザーさんの声
- テイストが気に入らない
- サイズが合わない
- シルエットが合わない
- 色が合わない
- 素材が合わない
- 季節が合わない
- 商品の価格が高い
- 実際に試着してみたら似合わなかった
- 悪くないがほしいものがない
- 過去のFBが反映されていない
- いつもと変わり映えがしなかった
- リクエストしたものが入っていない
- 今回は金銭的理由で買えない
- 希望したスタイリストではない
- 事前提案に答えられなかった
- 試着期間が短すぎて検討できなかった
- 送られてくる点数が少ない

うーん、うーんと悩みながら、少し俯瞰して一連のプロセスを通じて改めて思ったことは、まだまだDROBEが未熟で不安定なサービスであり、おそらく周囲に使っている人も少ないサービスでありながら、利用期間や回数を重ねてくださっているロイヤルなお客さまは、その価値はもちろん、基本的な使い方は十分に理解して熟知し、その上でこちらの提供する機能をあの手この手で自分自身で工夫しながら使いこなしている方がほとんど、ということでした。

そういったお客さまを垣間見ることで、もちろん良いスタイリングをして、良い商品をお送りして、満足して買っていただけることに他ならないし、それを継続していくことは至上命題な一方で、ロイヤルなお客さまにおいてはそれに加えて、「お客さまの選択肢を増やすことで1回1回のDROBE体験をより便利に、お得に使えること」が必要なのではないか、と思うに至りました。

具体的には、前々から社内でもアイデアが出ていたり、お客さまからも要望いただいていた色々なオプション機能などを検討し、以下の機能の導入に至りました。

🔥 具体的な施策
8点オプション:
配送点数を5点→8点に変更できる

色サイズ違いオプション:
色違いやサイズ違い商品を最大3点まで追加できる

セレクトBOXパス:
Nヶ月パスを先に購入することで、その後Nヶ月間のスタイリング料が無料になる。N = 3, 6, 12 の3パターン。

結果として、3つの施策はいずれも大きくLTVに貢献し、購入BOX率の上昇と相まってLTVも大きく伸ばすことができました。

単位が書けないのがなんともですが…

はじめてのTVCM

DROBEではサービス開始当初から、以下のような理由でTVCMを視野に入れていました。

📺 TVCMの理由
- ユーザーが首都圏などに集中せず全国に点在していること
- 都道府県別のLTVの差分が大きくないこと
- カテゴリ認知や「◯◯のファッション版」などの比喩表現が使えず、指名検索を伸ばすことが最優先であること

スタートアップやtoCサービスにおける実例をヒアリングをさせていただきながらシミュレーションし、DROBEでは「LTVがXXX円になったらTVCMをやろう」と話しており、ここまでお話ししてきた改善によりその準備が整ったタイミングで実施の意思決定をしました。

意思決定をしたのが2021年の年末で、そこから2022年の年明けから定量調査を基に、TVCMのコンセプトを決めたり

タグライン決定のための調査結果

色々な分析を通じてコンセプトを取捨選択し、ブラッシュアップしていきました(この時意識していたのも、冒頭で整理していたバリューを中心としていました)

コンセプトを決めるためにバリューや訴求別に分析

TVCMの制作もバタバタで、コンセプト決め、セット決め、衣装決め、撮影、などなど初めてのことばかりでしたが、なんとかスケジュール通りに無事に撮影を終えることができました。

記念写真をパシャリ(髪が明るい…w)


こだわりの「揺れるコーディネート」の撮影は23時から開始

また、静岡(ローカル)のテストマーケという位置づけではあったのですが、これまでに投じたことのない予算をかけるため、マーケティングチームだけではなく全社でも目線揃え、盛り上げていくために「はじめてのTVCM」というプレゼンテーションをして、これまでのいきさつや目的、協力してほしいことなどを改めて共有しながら放映を迎えることとなりました。

社内プレゼンテーションの一部を抜粋

放映後は静岡出身のメンバーが実家に帰って放映を確認したりしてくれて。かくいうわたしも休みをいただいて妻、娘、両親、弟、祖母を連れて熱海に行って、放映時間に全員でテレビに釘付けになってみんなで盛り上がるというイベントを経験しました。

番組表を確認して、テレビの前に釘付け
CEOの山敷家族の実家が静岡だったことから、頻繁にチェックしてくれました

またTVCMの効果としては非常に良い結果となり、今後より大きな首都圏などのエリアに大きく希望が持てるという結論になりました。(乞うご期待です!)

オペレーショナル・エクセレンス文化と基盤づくり

プロダクトに関するPDCAや意思決定について触れてきたのですが、こういった一連の改善活動が実を伴い、冒頭で紹介したような失敗に陥らない要因は、このプロダクトを支える文化や基盤にも大いに現れていると思っているため、ぜひ紹介させてください。

全員が分析者たるカルチャー

DROBEのプロダクトは、いわゆるWeb上のプロダクトだけではなく、商品、スタイリスト、物流、カスタマーサポートなどが掛け合わさることで初めて一つの大きなUXを実現しています。

それらの状況を計測し、可視化し、分析し、改善につなげていく活動が必要不可欠であり、その元になるのはデータ(ファクト)です。

やや自分の過去の話になるのですが、DeNAに新卒で入社をする前にインターンをしていたのですが、そのときの初めてSQLに触りました。当時大学生だったにも拘らず、貴重なデータへのアクセス権(後で聞きましたが、色々揉めにもめたらしい)をもらい、一人で分析をしていました。当時のサービスは立ち上げたばかりで、特に分析らしい分析をする人がいなかったこともあり、一人でデータを見ては仮説を立てて、それを検証していく、それを繰り返していくことで解像度が高まっていくというプロセスを経験することができました。

この時なにより良かったと思うのは、一連のフローを一人で完結できることで、無限に解像度を高められるという点だと思います。この話と同じように、各人・各チームはデータ抽出や分析を他人に依頼をすることなく自己完結できることで、自分の解像度とそこから生み出される仮説、とその検証サイクルを限りなく早めることができると思っています。

そのためにDROBEでは、全チームがSQL(BigQuery)をかけるように、勉強会やSQL Bootcampを実施したり、

少しでも最初のハードルを下げられるよう、複数のテーブルが複雑に絡むデータやよく利用されるテーブルについては、予め1つにまとめてた便利テーブルのようなものを用意し、クエリが複雑化しないような工夫をしています。

便利テーブルの一例

こういった地道な活動が功を奏してか、

例えば商品(MD)チームでは、パートナー(ブランド)向けの分析ダッシュボードを作り

スタイリストはKPIを可視化してウォッチし、

カスタマーサポートは一連のオペレーション状況を可視化する

といったことが普通という文化になってきていることが、何よりDROBEチームの強みだと感じています。

テクノロジーとヒトの協業 = 半自動化

AIとスタイリストの棲み分け

DROBEにおける「スタイリング」において特に重要視しているのが、AIとスタイリストの協働です。

このAI(テクノロジー)とスタイリスト(ヒト)の協業(半自動化)は、生産性を飛躍的に高めていくプロセスにおいて非常に重要な考え方だと思っています。

あらゆるトランザクションは、基本的にはテクノロジーの力を使って時間をかけて完全自動化されるというのが理想的であるというのは間違いないと思いますが、そのプロセスや最終的な着地点として重要だと思っているのがその間にある半自動です。

そもそもテクノロジーを活用した新しい体験を作っていく上では、最初はどれだけ時間をかけてでも良質なデータを集め、解像度を高めきることが重要だと思っています。

例えば、DROBEの決済は通常のネットショッピングと異なり、以下のようなフローを辿ります。

1) 商品を自宅に送る(オーソリも決済もしない)
2) その後に購入商品を決めて、返品商品を返送する(オーソリを取る)
3) 返品された商品をチェックして完了(決済する)

サービス開始当初、3) の決済の部分は、カスタマーサポートのチームを中心にすべて手動で実行していました。

このような一連のフローで想定外のどんなことが起きるのか、お客さまの心理状態はどうか、商品返品の仕方や状態、それらのフローで起きうるすべての事象を把握し、一つ一つのパターンを網羅していくというプロセスをまず初めに実施しました。

パターンの洗い出し(一部)

その後、これ以上イレギュラーな事象が起きないパターンやヒトが介在する価値のない部分を見極めて、自動化を進めていきました。今でもパターンに落とし込めない場合や、ヒトが臨機応変に対応することで部分はまだまだ残っています。そういった部分は随時自動化していきたいと思っている一方で、ヒトが間に入って敢えての "神オペ" 部分を残すことでお客さまの課題を解決していくことが、良いUXや価値につながると考えています。


また、DROBEのスタイリングの部分も同じようなプロセスを辿っています。初期的には1から10まですべてをヒト(スタイリスト)が実行をしていました。

十数万点の中から5点を選んで、カルテを作成するという一連のオペレーションだったのですが、スタイリストが何を見て、何を迷い、何に時間をかけているか、などを客観的に分析するためにもすべてアナログから始め、このスタイリストの一連の行動の一部を AI(テクノロジー) で置き換えるという考え方をしています。

当初は240分(4時間)かかっていたスタイリング時間も今は約15分程度になり、また効率化されただけではなく、精度を示す購入関連の数字にもむしろポジティブな影響が起き「ヒトが介在すべきオペレーションだけに集中することで、価値を最大化できた」という事例の一つかなと思っています

1顧客あたりの平均スタイリング時間
自動化 ≠ 精度劣化ではなくむしろ向上した

いずれにしても、テクノロジーやAIという技術そのものは重要ですが、それを取り扱い、その間にヒトがどう介在するかどうかで最大化できると考えており、テクノロジーとヒトの協働による半自動化こそDROBEの真骨頂であると思っています。

今後のDROBE

ここまでがザーッとこれまでのDROBEというプロダクトが歩んできた道のりです。(本当はまだまだ紹介したい話が山ほどあるのですが、今まで書きたいと思ってきたテーマ3つ分を1つのnoteにまとめてみたら、割と長くなってしまいました笑)

今後のDROBEは「BEYOND RETAIL」というテーマを掲げ、築き上げてきたこのプロダクトを進化させ、オンラインとオフラインを超える新しい買い物体験を創っていきたいと思っています。これについては、私の方でも改めて書きたいと思っていますが、代表の山敷のnoteにもありますのでご一読いただけたら嬉しいです。

採用大募集

そして最後の最後に、、、、このDROBEというサービスまだ30人超でやっています。

バックグラウンドはこんな感じ

エンジニア・プロダクトマネージャー(PM)・デザイナー・マーケティング・ロジスティクス・カスタマーサポート・スタイリスト・マーチャンダイザー・コーポレート・HR・PRなどなど、とにかく足りておりません…

3分でわかる(と言いつつ、たぶん5分くらいはかかって、10分くらい見ていただけるとすごい嬉しい)採用サイトは以下のとおりです!

DROBEの今がわかる3周年ムービーも公開しているのでぜひご覧いただけると、各メンバーがどんなヒトで、何を考えているかが少しでもわかるはず。

わたしのTwitterのDMも解放しています。ぜひもっと具体的な話を聞きたいという方はぜひお待ちしています!

近日イベントやります!

パーソナルスタイリング?パーソナルコマース?っていう方は12/22にイベントやるのでこちらもぜひ申し込みください!

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