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【アルビ日記】2023-21:vs札幌 1-0


「適応と忍耐」

試合情報

・7/15(土)13:00キックオフ
・@札幌厚別公園競技場。雨
・新潟14位、札幌10位

アルビレックス新潟・スタメン

GK小島享介。DF藤原奏哉、トーマス・デン、渡邊泰基、新井直人。MF高宇洋、星雄次、松田詠太郎、小見洋太。FW三戸舜介、鈴木孝司。
【途中出場】太田修介、長谷川巧、田上大地、島田譲、秋山裕紀。

試合ダイジェスト

【前半】
雨でピッチコンディションは良くない。両ワイドの金子、Lフェルナンデスの仕掛けからチャンスを作る札幌。時折背後へのボールを見せつつ後方から組み立てていく新潟。0-0で前半終了。

【後半】
53分、新潟が先制。PA右を攻略、深い位置へのスルーパスに走り込んだ藤原がグラウンダーのクロス、鈴木が合わせた。59分、相手の抜け出しを止めた新井がVARの結果一発退場。10人になりながらも耐え抜いた新潟が1-0勝利。

雨の札幌

札幌厚別競技場は聖地と呼ばれている。

「はまなす国体」のメイン会場として使うため、1986年に完成。1996年に結成されたコンサドーレ札幌のホームスタジアムになり、1996-1997のリーグ戦で「21勝0敗」という金字塔を打ち立てたことから「聖地」となった。

今は「札幌ドーム」がメインスタジアムとなっているけど、こういう厚別みたいな、名勝負の記憶が埋まっている歴史あるスタジアムって、やっぱり味わいがある。浦和でいう駒場。新潟でいうと新潟市陸上競技場だろう。

で、アウェー厚別に乗り込んだこの日は土砂降り。雨の札幌。

風情がある、を通り越して、パスサッカーをやるにはかなりしんどい。
アルビはそれでも、多少ロングボールを使いながらも、後方からの組み立てをやっていた。

雨でしんどいのは札幌にとっても同じ。右の金子拓郎は、縦へのドリブル機会が少なくて、中へ切り替えしてふわっとしたクロスの選択が多かったような。ぬかるみの影響か、アルビの新井-渡邊泰基ペアがうまくケア出来ていたのか。
ここをある程度抑えられたのは勝因の一つかもしれない。

最近好調のスパチョークや浅野も、雨にやられてた感があった。駒井とルーカスフェルナンデスはかなり脅威だったけど。

「適応」と松橋監督は言っていたけど、雨はサッカーのコンディションとしては良くない。良くないが、条件は両チーム同じなわけで、味方につけるかつけないかは自分たち次第。アルビは今日、うまく適応できていた。

粘る粘る

後半立ち上がり、とてもいい形で気持ちいい先制点が決まった。右ポケットを攻略、深い位置からSBの藤原がクロス、中で機先を制した鈴木が合わせる。

同じゴールでもこういう複数人のコンビネーションがハマったゴールは、チームを一気に勢いづける。

その後、スルーパスに抜け出そうとした札幌・金子(交換から中央のシャドーにポジションを移していた)を、新井が倒してしまい、VARの末一発レッドに。ちょっと厳し過ぎやしないかい、と思ったが、その目線は贔屓のチームに向ける偏ったものなのか。

アルビが10人になってからの展開は、みものだった。

左サイドバック退場ということもあって、すぐに田上をIN。4-4-1で守備のバランスを崩さないよう、ブロックを固める。

面白かったのは、本職SBの長谷川巧が、右SHとして投入されたこと。

コンビネーションで打開するタイプの松田を下げて、独力で前に前に進んでいける長谷川、という選択。これが効いていた。身体のキレもあり、グイグイ進む長谷川は、深い位置にボールを運び、ファウルをもらい、チームを助けた。

今日のアルビは、雨の中、粘りに粘った。がむしゃらに食らいつく。ボールを遠ざける。アルビがこういうサッカーをやるのはなんだか新鮮で、そして雨というスパイスも手伝って、熱いものが伝わってきた。

三戸はハーフタイムで交代していて、前線の台所事情が苦しい中、小見が最前線でボールを追いかけ回す。その後、代わって入った秋山が、慣れない1トップで体を張る。

総力戦で1点を守りきった、耐えてもぎとった勝点3。雨も味方につけた。
いつもとは違う勝ち方、これも格別な味わいだ。



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