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【社内報の作り方】顔!

社内報、読まれてないなら辞めよっかとはなりません。これは校長先生が、生徒の前で話し続けるのと同じです。どうせ出すなら、やっぱり読んでもらえる内容に。その最も簡単な指標が、実は顔です。

社内報は、飲み会!?
社内報編集者が忘れがちなのは、配られる側だったときの気持ち。社内報って、配られる側は案外楽しみにしているものです。では何が楽しみなのか。それは誰が出ているかです。同期、同じ部署、隣の部署。普段仕事でかかわった人の、意外な姿が見られたとき、飲み会で話したときと同じような発見を味わえることがあります。相互理解を深めるこうしたヨコのコミュニケーションは、社内報を読ませるためにも必要な要素です。

顔の数=楽しみの数
もちろん全く知らない人が社内報に掲載されていては、面白さは一切ありません。ということは、つまり確立の問題です。多くの人に登場いただければ、いただくほど、知っている人が出る確率が高くなります。単純な話ですが、顔の数が多ければ多いほど、読まれるものになっていくと言っても過言ではありません。ある週刊誌では、売れ行きが悪いときに、顔の数を数えて、改善につなげるということをすると聞いたこともあります。現に私も担当していた媒体は、顔の数を数え、その推移を追いかけていました。

人名間違いは致命的
ではどんどん増やしましょう、となるのですがここで気を付けたいのは人名の誤植です。例えば安倍、阿部、安部、阿倍・・・。同じ読みでも、漢字の組み合わせは無数にあります。仮に毎号100名掲載できたとして、その1名でも誤植があれば、間違って掲載された人からすると、もう台無しです。私も1年目のころ人名誤植を発生させたことがあり、今でも申し訳ないと感じています。データで支給されれば必ずコピペ。手入力する場合は、元の資料と何度も見比べる。アナログですが、こういったことをきっちりする必要があります。

写真との不一致はこう防ぐ
また写真と氏名の不一致ということも、致命傷です。投稿の場合、写真と名前をセットにする作業は比較的容易ですが、取材撮影した場合、例えば5名取材すれば、誰が誰だったか、後から思い出せないケースがあります。こうしたことを防ぐため、名刺などを顔の近くに持ってもらい、写真を撮ることで照合用の資料としましょう。これをすることで、記憶に頼らず、間違いを防ぐことができます。

手間を惜しまず、愛される社内報へ
非常にシンプルな手法ですが、効果は絶大です。手間はかかり、神経も使いますが、ぜひこれを頑張りどころと捉え、愛される社内報を目指してください。

今回の1冊

ホンマタカシ著
東京の子供

 何を考えているのかわからない表情の数々。もしかしたら、別の生き物なのかもとこちらを不安にさせる。子供たちの顔は幸せの象徴のように考えがちな私たちに対するアンチテーゼのように突き付けられたのは、しかしもう20年前なのですね。この人たちは、もうアラサー。いわゆるZ世代。しかし、ここに永遠に刻まれる子供たちの肖像は、子供を未知の生物として捉える永遠のメッセージかもしれません。写真の意図について説明を受けずとも、その意図を強く訴えるコンセプトアルバム。同時に、人が相互理解を求める生き物であることも強烈に示唆した哲学的一冊。


Connecting the Booksは、これまで培ってきたクリエイティブディレクター、コピーライター、編集者としてのノウハウを公開するとともに、そのバックグラウンドである「本」のレビューを同時に行うという新たな試みです。