見出し画像

【社内報の作り方】紙の魅力

世の中、なんでもDX。でもその本来の意味を分かっていない人も多く、DXデジタル化=紙媒体は時代遅れという発想が根底にあるように思います。しかし、情報を伝達する手段として「紙媒体」がいまだに支持される背景には、それなりの魅力があるからです。今回は改めて紙媒体の魅力を考えたいと思います。

電源不要の無料のデバイス
紙媒体は、CDやレコードと同じく「フィジカル」であり、「プロダクト」です。ではどういったプロダクトかというと、電源が不要なデバイスで、かつ軽量で、大画面です。社内報の場合は、加えて無料で受け取れ、かつ廃棄せずにリサイクルにも回せます。循環型社会を先取りしてきた素材だとも言えます。

情報のウーバーイーツ
WEBサイトで記事をアップした場合、発行告知などの集客が欠かせませんが、紙媒体の場合は不要です。プロダクトの配布行為そのものが告知であり、来店型ではなく、出前型。自席にいながらお店のサービスを受ける、ウーバーイーツ的なものなのです。

スタンドアローン
WEBにアクセスしていないスタンドアローン型なので、WEB上に流出しにくいのも特徴です。悪意を持てばもちろん可能ですが、手間がかかることが歯止めになり、案外セキュアが高いとも言えます。

コレクター魂
WEB上の記事をコレクションする人は少ないですが、プロダクトはコレクター魂に火をつけます。特に、自身の子どもが掲載された号などは記念に残しておくなど、家族の思い出にもなります。また冊数が限られ、希少性も生まれます。

シェアから生まれるコミュニケーション
WEB上でのシェアはリンクの送付ですが、紙媒体の場合、誌面を広げながら一緒に楽しむことができます。同僚の記事で盛り上がるなど、紙媒体だから生まれるコミュニケーションは、社内報の役割を補足します。

WEB万能ではない
社内報は、経営情報を伝達するための手段です。どうやれば一番届くか、リーチを重要視して媒体を選ぶことが本来の目的に適っていることだと考えます。紙=時代遅れではなく、これだけに魅力が詰まっていますので、ぜひ一度参考にしていただければと思います。

今回の1冊

原 研哉著

 真っ白い表紙に憧れて、竹尾の見本帳本店に通ったことがありました。白と言っても、その表情は千差万別。ただただ明るい白もあれば、重厚感のある白も。上品、下品、赤い、青い。白には無限の宇宙が拡がっているようです。そして、余白。空気や間、ひいては音すら感じさせるそれは、特に紙面にしたときにより重要度を増します。発光するディスプレイにはない味わいもまた、紙の魅力なのかもしれません。デザインが好きな人には、必ず読んでいただきたい名著。


Connecting the Booksは、これまで培ってきたクリエイティブディレクター、コピーライター、編集者としてのノウハウを公開するとともに、そのバックグラウンドである「本」のレビューを同時に行うという新たな試みです。