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ディープフェイクの光と闇

こんにちは。だいすけです。
今日のテーマは、ディープフェイクです。
みなさんは、ディープフェイクを見たことがありますか?
この技術は、有名人の顔を既存のビデオに当てはめるだけで、あたかもその有名人がその映像に出演しているような映像を作ることができるものです。
今日はこのディープフェイクについて考察していきます。

どっちが本物のトランプ?

まずはこれをご覧ください。

以前ニュースになった、トランプ大統領の偽物のビデオです。
このように、ディープフェイクの技術では、トランプ大統領の顔を映像に当てはめるだけで、あたかも本人がそのように話しているような映像を作ることができます。
これの何が問題なのかというと、もちろん肖像権の侵害です。
例えば、トランプ大統領が「戦争は金持ちの娯楽である」という発言を、ディープフェイクの技術で行ったとしましょう。
そうすれば、本人はそう発言しなくても、ディープフェイク上のトランプ大統領はそれをやっているわけです。
しかも、その映像が似すぎている。
そのため、一般人からすると、本当にトランプ大統領が「戦争は金持ちの娯楽である」と発言しているように見えて、トランプ大統領の世界的評判が下がります。
これが、ディープフェイクの問題点です。
もちろん、政治だけではありません。
ディープフェイクの9割以上が、女優やアイドルのセクシーなビデオであると言われています。
つまり、芸能人の顔を既存の大人のビデオに当てはめ、あたかも芸能人がそのビデオに出ているかのように演出できるわけです。
これは、肖像権を大きく侵害しており、問題となります。

ディープフェイクの技術

では、そのディープフェイクはどのように作られているのでしょうか。
この技術には、画像AIが大きく絡んでいます。
既存のビデオの人間の顔の動きや表情の動きをAIが学習し、また当てはめる有名人の写真の顔の動きをAIが学習することで、これら2つを交換しても違和感がないように思えるわけです。
また、その当てはめるべき画像の数は、年々減ってきています。
どういうことかというと、技術の進化に伴い、学習させるべき画像の数が減ってきており、誰でも少ない数の写真でディープフェイクを作れるようになっているのです。
これは、ChatGPTなど、生成AIのトレンドと同じです。
AIは人が使えば使うほど進化するため、ディープフェイクの技術もどんどん進化します。

ディープフェイクの光の部分

では、この技術は禁止するべきでしょうか。
禁止にするべきだと一概には言えない状況です。
なぜなら、ディープフェイクは画像系のAIの集大成だからです。
良い側面もあります。
例えばドラマ撮影。
昔のドラマを復活させたいけど、役者さんが年齢的に出演できない、もしくは存命していない場合、ディープフェイクを使えます。
これを使用して、昔のドラマをそっくりそのまま再現できるのです。
このように、「映像を作りたいけどコストがかかるし人材不足している」という場合、ディープフェイクで映像を作ることができるのです。
そのため、この技術は上手く使えば魔法の杖になりえる技術であり、開発や技術の発展を止めるべきではありません。

ディープフェイクの闇

一方で、冒頭でも話したような闇の部分が存在します。
政治家が演説している映像を作る。
人気女優が大人のビデオに出演している映像を作る。
さらには、一般女性が大人のビデオに出演している映像を作るなど。(これをリベンジポルノと呼び、別の記事で解説します)
このような、倫理と法律に反するものが溢れてくるのが、ディープフェイクの闇の部分です。
残念ながら、これを止める方法はありません。
現在の法律はネット社会には通用しない、というか通用しても物理的に逮捕することが難しいことがほとんどです。
技術革命には必ず闇の部分が存在します。
皮肉なことに、ディープフェイクでポルノを作成することは、社会的にみればアウトですが、技術の発展という観点からみれば、非常に貢献度が高いことをしています。
人間の性欲はとても強力です。
その強力なモチベーションで、めんどくさいコーディングや数値調整を繰り返し、AIはとても発展してきました。
もしかしたら、とても闇の部分ですが、技術の発展はポルノによって成されるのかもしれません。
いずれにせよ、筆者を含め、皆さんは手を出してはいけない領域です。

将来のエンタメ

最後に、将来のエンタメ業界の考察をして、この記事を締めたいと思います。
ディープフェイクが発展すると、エンタメの在り方も変わってきます。
今までは、アイドルや俳優、女優、芸人さんなど多くのタレントの方がメディアを盛り上げてきました。
しかし、これから、ディープフェイクによって人物の映像を作ることが出来れば、そのタレントすらいらなくなる世界が訪れるかもしれません。
完全にAIによって作られた人物と映像のみで、ドラマや映画の撮影が行われる未来も考えられます。
エンタメは人間のものだという考えが一般的でしたが、実はエンタメこそ、AIが先に進化をしてしまう領域な気がします。
なぜなら、AIの実験場としてエンタメの領域が最も適しているからです。
なぜ、将棋のAIが先に発展したのでしょうか?
もちろん、開発者が藤井聡太さんに恨みがあったからではありません。
将棋はルールと戦う領域が明確に決まっています。
そのため、AIにとって最も実験がしやすい土俵だったため、将棋AIが最初に発展しました。
エンタメも、AIからすると、過去の作品を学習して、次の作品を作るという、AIにとっては基礎的な動作を繰り返すことで実現可能です。
よってAIが進化する土俵として、エンタメが次の実験台になる可能性が高いです。
筆者は、将来のエンタメは「AI vs 人間」という構図が描かれると思っています。
例えば、「AI vs 藤井聡太さん」「AI vs ダウンタウンさん」「AI vs ハリウッド」など。
今まで人間が作ってきたものに対して、AIが挑戦を仕掛けてくるという構図です。
この構図を楽しむことが、将来のエンタメかもしれません。

さいごに

今回はディープフェイクについて考察しました。
ディープフェイクは技術的観点からみれば、とても画期的なものですが、その反面、闇の部分も多いです。
技術発展には闇がつきものであり、もしかしたら、今の現象が、産業革命の闇を表しているのかもしれません。
いずれにせよ、我々一般人が手を出すのは、もう少し後がいいのかもしれません。

私の記事は、主に技術の進化や産業革命、AIの進化、人類の未来など、IT系の人間が暇つぶしに考えていそうなことをまとめていきます。
極力、エビデンスをもとに話しますが、一方で、完全に空想の世界を書くことがあるかもしれません。
技術や人類といったテーマに興味がある方は、ぜひフォローをよろしくお願いします。

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