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採用広報におけるコンテンツ設計の大切さをライター目線で振り返ってみました

こんにちは。BONXで採用広報の記事管理を担当をしている田中大輔と申します。BONXで採用広報の活動を始めてから約1年。これまでで計30記事ほど投稿してきました。

BONXと応募者さんとの間で業務におけるミスマッチが起きないようにすることを目的として去年の4月からスタートした採用広報。実際に「BONXへの志望度が高い方のほとんどがこの採用広報を読んでくれている」とFBをいただいており、BONXの採用広報も着実に効果が出始めているのだなと実感する毎日です。(※採用広報の詳しい効果測定はまた別の機会にお話しできればと思います)

そこで今回は実際にBONXがどういったフローで採用広報のコンテンツを整備していったのか、中でも記事の品質管理やライティング周りにフォーカスしてお伝えできればと思います。特にこれから広報活動をスタートされる採用担当の方や、採用広報の記事執筆に尽力されているライターの方々にはぜひ読んでいただきたい内容になっています。

採用広報の記事が投稿されるまでの流れ

ここから具体的な投稿までの流れをお伝えします。基本的に普段のライティング業務と変わらないところも多いですが、特に採用広報において「誰にどう書いてもらうか」という視点で物事を進めていくのがマストだと感じています。

1.企画フェーズ

企画フェーズでは主に以下の3つを中心に進めていました。

  1. プラットフォームで記事のリサーチ

  2. テンプレートの作成・配布

  3. 説明会の実施

企画フェーズでは採用広報として打ち出すテーマを策定し、執筆者さんにわかりやすくお伝えするのが目的。ここでコケると後のフェーズ全てが上手くいかなくなるので、この部分はしっかり作りこみしておきたい印象ですね。

プラットフォームで記事のリサーチ

採用広報を開始した直後はライティングチーム(2名)でnoteを中心に記事のリサーチから進めていました。そのときは以下の仮説をもとに記事のリサーチからを開始しました。

  • どんな記事が読まれているのか?

  • 個人のアカウントから出ている記事はなぜ多い?

  • 文字数・シェア/スキ数・タイトルの長さはどれくらいか?

リサーチシートから一部抜粋

現在リサーチした記事の総数は100記事を超えています。(必要に応じて画像を拡大表示してください)

上記3つの仮説もとに集まった記事のデータから当時は「入社されたばかりの方を紹介する記事」「自身の業務の紹介」をテーマにした記事が特に読まれているなと推察。ここから記事の方向性が固まってきました。

テンプレートの作成・配布

集めたデータをもとにテンプレートを作成して、それらをもとに執筆を進めてもらいました。やはりテンプレートを作成したことで、ある程度の記事品質は担保しつつ初動から記事の本数を確保できるのが大きかったですね。

BONXでは「入社エントリ」「業務紹介」「取り組み・施策」の3つのテーマでテンプレートを作成し、各見出しごとで書いてもらいたい内容を予め明記したうえでお渡ししました。
個々人で記事のアイデアを出していくのもアリですが、振り返ってみればまずは全社的に一個のテーマに取り組めたことが重要だったなと思っています。

全社的な説明会の実施

テンプレートの作成に加え、社員さんが集まる定例MTGに参加して採用広報の記事の説明会を実施しました。社員さんにとってはいきなり「執筆する」というタスクを抱えることになるので、ストレスなく書き上げてもらうために、採用広報の説明会は必要不可欠だったと思っています。

説明会ではテンプレートの案内だけでは伝わらない、より詳細な部分やライティングの基礎的なお話、採用広報の進め方などを共有。具体的にはテーマごとに大切にしたい視点、PREP法やこそあどの使い方、さらには執筆から投稿までのフローや完成までにかかる日数などをお伝えしました。

こうしてBONXの採用広報が幕を開けました。

2.執筆フェーズ

企画の段階を抜ければ、いよいよ執筆フェーズに移行します。ライティングチーム(当時は僕ともう一人の計2名)で記事の品質ならびに進捗管理を行いました。具体的には以下の2点が主な内訳です。

  1. ライティングチームが執筆をサポート

  2. 締め切りの設定・スケジュールの調整

ライティングチームが執筆をサポート

このフェーズではライティングチームが一貫して執筆者さんのサポートに尽力しました。いくつか例を挙げると、基本的には以下のようなサポートは徹底して行っていました。

  • 執筆者ごとにフォローアップのやり方を変える

  • 後学のためのコメントも残す

  • 執筆の不明点やわからない部分をその場(Slack・MTG)で解消

採用広報は僕らライターが書くものではなく、社員さんの言葉で紡ぎだすコンテンツです。詳しい説明は省略しますが、当然アウトプットは社員さんからしか生まれないため「どのように書きやすい体制を作るか?」を常に自問自答しつつ工夫・改善を重ねて進めました。

締め切り日の設定・スケジュールの調整

ライティングチームと執筆者さんとの間で合意がとれる5-10営業日程度で執筆の締め切り日を設定。その当日には15-30分程度のMTGを組み込んでいました。採用広報はその属人性の高さゆえに「〇〇が理由で書けませんでした」ケースが多発します。そういったケースを限りなくゼロにするためにこれらを行っていました。

また「締め切りがないと記事作成のことを忘れてしまう」こともちらほら。そういった意味でも締め切り日の設定は、採用広報のタスクとしての強度をあげる意図も含めています。

こうすることで記事の進捗管理がかなりしやすくなったなと体感しています。

3.画像選定・サムネイル作成フェーズ

記事の完成度がだいたい80%くらいに近づいてきた段階で画像選定・サムネイル作成のフェーズに移行。ここではデザイナーさんや時にはカメラマンさんと協力し記事のサムネイルの作成に取りかかります。

以下は今年の3月に投稿された西川さんの入社エントリ―です。今回はこちらの記事のサムネイル作成の裏側をお見せしますね。

ディレクションの内容をチラ見せ

この領域はライティングチームの専門ではないのですが、僕らの方でサムネイルの元画像の選定や構図・色合い・タイトルの見せ方・イメージなどをディレクションし、デザイナーの方にお伝えしています。

BONXの採用広報では月4本投稿するというKPIが決められています。しかしサムネイル作成は記事のタイトルの出来とデザイナーさんの稼働日に結構左右されがち。詳しくは後述しますが「具体性をもったタイトルをいかにはやく用意するか」の部分で、先の品質と進捗管理の良し悪しが顕著に現れるフェーズとなっています。

4.入稿~投稿フェーズ

ライティングチーム・執筆者さんに何度か確認をいただいた後、入稿作業に移ります。入稿作業は特に重要なポイントではないですが、noteで投稿するので「リンク系は埋め込み」で投稿することを厳守。BONXの採用広報は全社的に行っている分、ポジションのごとに記事が貯まっていくようになっていたので、内部リンク的な意味合いで他の採用広報を見てもらうには現状、埋め込みがベストかなと思っています。

記事の入稿が完了した後、下書きのプレビューを送信して執筆者さんに最後の確認を仰ぎます。ここでは大幅な加筆はNGとしていて、執筆当初と今とで変更があった部分(役職名・日付・企業名の掲載許可など)のみを更新。全てチェックが完了次第、晴れて投稿完了です。

ここまでの所要日数は平均で2-3か月くらいでしょうか。採用広報を担当しているのは現状僕1人(時に+2名ほど)ですが、リソース的な部分ではゆとりがない印象。工夫次第ではもう少しスケジュールに余裕を持たせられそうな感じがしています。

以上がBONXの採用広報のおける企画から投稿までのフローです。

採用広報の担当として意識していた3つのこと

ここからはプロジェクトとしての採用広報をやるにあたって特に意識していた以下の3つについて振り返っていこうと思います。

  • 主観的なメッセージを引き出すFBの徹底

  • レビュー時の負担を軽減する

  • タイトルの具体性をとことん追求した

採用の広報担当というより1人のライターという目線で書いてみました。

主観的なメッセージを引き出すFBの徹底

主観的なメッセージを記事の中でどれだけ積み上げられるかがカギだと思っています。ぶっちゃけよくある「業務紹介」とかはGoogleにある2次情報をまとめれば、ライターだけでも書ききれるんですよね。でも採用広報って社員の皆様が書くから意味があるのであって、僕らライターが書いても刺さることってほとんどないわけです。

実際投稿した記事で例を挙げます。入社エントリであれば「入社したばかりのフレッシュな視点」で記事を書いてもらう。BONX入社までの経歴はもちろん、色眼鏡なしにBONXの組織を俯瞰的に見てもらって、その視点からしか語れないBONXの印象などをまとめてもらっていました。

また業務紹介では「業務と関連する導入秘話やエピソードなどの過去のご自身の経験」をモットーに書き進めました。記事中の多くで導入秘話や開発の裏側に絡めたエピソードを多く紹介いただいており、単なる業務紹介にとどまらない仕上がりになっています。

採用広報でよくありがちな「とりあえず社員インタビューをしよう」と闇雲に突き進まずに、まずはいかに主観的なメッセージを引き出すのかを練り固めるのが重要だと思っています。

軽い修正はコメントせずに直接編集する

軽い提案は極力避けて直接編集することを徹底していました。採用広報を発足した当初はGoogle Documentでいう提案コメントのオンパレード。執筆者さんの気持ちに最大限寄り添うことを目的としていたので、誤字脱字レベルの軽い修正にも丁寧に提案していました。

しかしコメントが多すぎるとただチェック項目が増えるだけでなく、執筆ハードルの増加やモチベーションの低下にも繋がりかねません。何より「ライターの人がそう思ったならそのまま編集しちゃって良いですよ」と社員さんから声をいただくこともあったので、いっそ直接編集することにしました。

直接編集に切り替えたあとは本当に残したいコメントだけに集中できるように。加えて社員さんも余計なコメントに悩まされることがなくなったので、スムーズに執筆することが可能になりました。

タイトルの具体性をとことん追求した

タイトルの具体性をとことん追求した記事を投稿するようにしていました。SEOやメルマガ作成時にも感じていた、いわゆる「タイトルがそれっぽい記事」みたいなのが蔓延しまくるのが個人的にスキではなく...。「BONXの社員の皆さんが書いた採用広報」に目を向け、どれだけアイデンティティを持たせられるかをタイトリングを通じて表現していました。

具体的なワードは左に持ってくるSEO的な施策はもちろん、「〇〇から転職した理由」や「Salesの魅力」みたいなありきたりなワードで記事を結論付けないように。また数字でお伝えするとnoteの検索画面に反映される最大文字数の44文字にタイトルが収まるように調整。こうして何通りものタイトル案を出しては戻してを繰り返し、少なくとも僕の担当した記事の存在感は高まるように努めていました。

採用広報自体がスタートアップ企業の採用におけるトレンドになっています。有象無象の記事の群れに埋もれないように、最後の詰めとして記事のタイトリングには時間をかけるべきだと考えています。

採用広報を通じて今後成し遂げたいこと

最後にBONXの採用広報担当として成し遂げたい今後の展望をご紹介します。

採用広報の仕組み化

1年間採用広報の担当をして思ったのはまだまだ仕組み化が足りないなという点。主に企画周りと執筆周りの2点で改善できそうだなと考えています。

柔軟に企画立案できる仕組みづくり

今後はより柔軟な記事の企画立案の仕組みづくりに尽力したいですね。先述した投稿フローでも記述した通り、BONXの採用広報はテンプレートに則って書いていただいています。一定の品質で数を出すという最序盤のステップとしては問題なかったのですが、テーマ選びの小回りがききにくいため、かえって執筆者さんとBONXの色が活かせていないなと反省中です。

まだまだ構想段階ですがSlackで「採用広報アイデア窓口」と題して月ごとに皆さんでテーマを出し合うチャンネルを作成したり、自社のサービスであるBONX WORKにも似たようなルームを設立して、軽く思いついたアイデアを失わないようにする仕組みを構築する。アイデア次第で何でもできそうですし、実現すればきっと採用周りの自社の温度感をもっと温められると思っています。

執筆周りのサポート体制の強化

企画だけでなく執筆周りのサポート体制の強化も同時に進めていかなければと思っています。文章を書くことって簡単そうに見えて実は難しい。それも普段の業務の合間を縫って、時に5000文字を超える分量を執筆いただくのは想像以上にハードです。文章の得意さにかかわらず、執筆しやすいサポート体制を構築することはまさに永遠の課題だと考えています。

今動き出そうとしている部分を少しお伝えすると、ライトに書けるテーマの広報記事を40記事分ほどアイデア段階で貯めこんでいる状況です。これらのテーマを誰にどう書いてもらうか都度考えていくのはテンプレート作成より複雑です。ただこれらが形になればよりTeam BONXの個性が反映された採用広報になると確信しています。

BONXが織りなす今後の採用広報にぜひご期待ください!

まとめ

今回は実際にBONXがどういったフローで採用広報のコンテンツを整備していったのか、中でも記事の品質管理やライティング周りにフォーカスしてお伝えしました。採用広報ってnoteやWantedlyで人気ですが、今回みたいに進め方を1から紹介しているところってあんまりないんじゃないですかね。そういった意味でも新しい価値を生み出せたんじゃないかと思っていたりします!

ライター・ディレクターとして採用広報を通じて日々ステップアップできている反面、日々苦悩しながら記事作成をしています。今回の記事がこれから広報活動をスタートされる採用担当の方々や、採用広報の記事執筆に尽力されているライターさん・ディレクターさんの業務の一助となれば幸いです。

さいごに

採用情報に関して

現在、BONXでは採用活動を行っております。現職のポジションや転職意欲の有無に拘らず、まずは一度カジュアルにお話ししてみませんか?BONXの事業内容やBONXで働く魅力について弊社の採用担当がお伝えさせていただきます。

ご興味をもっていただいた方はこちらからカジュアル面談のご応募をお待ちしております。

また各ユニットの詳しい募集要項も合わせてこちらからご確認ください。

弊社が提供するサービス「BONX WORK」について

株式会社BONXでは現場で働くデスクレスワーカーのコミュニケーションを加速させる「BONX WORK」というサービスを展開しています。自社開発のハードウェア/ソフトウェアの両面で現場でのコミュニケーションを支え、単なる業務の効率化だけでなく、その先のチームの成長を目的としております。

詳しいサービスの詳細はこちらのホームページからご確認ください。

BONX WORKさえあれば、現場で使用されているトランシーバーや内線、チャットアプリに変わる次世代のコミュニケーションが実現できると本気で信じています。こう熱く締めくくって今回の記事を終わりたいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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