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BONXを世の中に浸透させていく。プロダクトマーケティングマネージャーとして働く日々

こんにちは。株式会社BONXの國生と申します。今年の6月に株式会社BONXに入社し、現在はTeam Growth Unitでプロダクトマーケティングマネージャー (以下、PMM) のロールを担当しています。

前回の入社エントリの作成からおよそ半年が経過し、改めてPMMのロールについてお伝えできればと思います。
※入社エントリの記事についてはこちらからご一読ください。入社時点は、現在のロールとは異なるソリューションアーキテクトのご紹介になりますが、入社時の思いなどをまとめております。

当記事ではPMMの概要から実際の業務内容、PMMとして意識していること、やりがいなどについて書いています。

ぜひ最後までご覧ください。

Product Marketing Managerとは何か?

PMMとは「顧客とマーケットを理解しプロダクト成長とお客様の成功を目指す」業種になります。リリース前のプロダクトビジョンの策定や、プロダクト戦略の立案。そして、リリースされた後のプロダクトのSales Enablement活動や社外への露出活動。といった形で、プロダクトの世の中への提供にまつわる部分を一気通貫で推進する役割です。

社内の組織的な部分でいうと、Sales・Customer Success/Satisfaction・Marketingのチームから挙がってくるプロダクトにまつわる一切を取りまとめて、Engineerやデザイナーを管轄するProduct Managerと密に連携することで、プロダクトの成長とお客様の成功を目指します。

例えばSalesやCustomer Successの立場の人は、足元の案件をいかに受注させるかに関心が強い中で「XXという機能があったら導入したい」といった要望になるべく答えられるように努めます。その結果として、もちろん良い方向に製品が磨かれるケースもありますが、逆に他の顧客のニーズに該当しない固有のニーズしか満たさない機能が生まれ、長い目で見た時に自社のプロダクトビジョンとそぐわず負債化してしまうことも多々あります。ですから、顧客からのニーズや課題というのは非常に重要なインサイトとして社内に蓄積しながらも、それを今後のプロダクト開発におけるあくまで1つのヒントとして活用するような形がベストです。

これはあくまで一例に過ぎませんが、プロダクトを提供する企業として各部門毎にどうしても利害関係が一致しないこともある中で、PMMは虫の目・鳥の目・魚の目で見られるバランスを取った視点で、推進していくことが要求されます。
顧客理解に関しては「虫の目」の視点で極力解像度を上げるように心がける。そしてプロダクトビジョンやプロダクト戦略に沿った形で、開発が進めているのかを俯瞰して見る「鳥の目」の視点を忘れない。加えてマーケットの流れを「魚の目」で考慮した形で、プロダクト推進を行っていきます。

PMMとプロダクトマネージャーの違いについて解説します

この章では上で紹介したPMMといわゆるプロダクトマネージャーとの違いについてお伝えできればと思います。
端的に言うと、PMMのロールはプロダクトマネージャーというロールを便宜上PMMとPdMの二つに分けることで生まれたもので、あくまでプロダクトマネジメントという同じ括りに含まれるものになります。

なぜあえて分けているかというと、会社が成長し顧客も社内のメンバーも増えるにつれてプロダクトマネージャーの責任範囲が広くなり負荷が大きくなること。そして業務の複雑性も増していく中でケアすべきところがケアできなくなるような問題が頻発するようになるためです。
ですので、ビジネスサイドのプロダクトにまつわる一切の取りまとめをするPMMと、エンジニアサイドのプロダクトにまつわる取りまとめをするPdMを明確に分ける体制を採用し、専門性を上げて各ロールにフォーカスできるようにしています。

※こちらの詳しい概要については以下の記事を参照いただけると幸いです。

あくまで弊社の一例に過ぎないので参考程度にしていただければと思いますが、弊社では下記のような役割分担をしています。

<PMM>
・Product Vision策定 
・Product戦略策定
・Biz SideからのプロダクトFBやユーザーヒアリングの取りまとめとロードマップ策定に向けたPdMへのインプット
・社内の営業やカスタマーサクセス向けのSales Enablement
・プロダクトのGTM方針策定/SKU検討
・他社製品との連携によるEcosystemの構築

 (主に関わるロール:PdM, Marketing, Sales, Customer Success/Satisfaction)

<PdM>
・Product Vision策定
・Product戦略策定
・プロダクトロードマップの策定、運用
・プロダクトの詳細の仕様決め
・プロジェクトマネジメント

(主に関わるロール:PMM, Engineer, Designer)

以上がPMMとPdMの違いになります。

PMMの主な業務内容についてご紹介

大枠の業務内容は上記の通りですが、主要な業務に絞って詳細を共有できればと思います。

①Product戦略の策定

Product戦略の策定を行います。ここでいうProduct戦略の策定とは、誰に何をどういう形で提供するかまでの検討を指しています。Howの部分では、SKU検討やGTM検討なども含まれます。

自社でプロダクト開発を行うTech系のスタートアップにとって、Product戦略≒経営戦略といっても過言ではなく、プロダクト戦略の策定はPMMとしても非常に重要な業務。そのため、検討する製品が経営戦略の中でどういう位置付けに当たるのかは常に意識した形で意思決定を行います。

なお、プロダクト戦略を考えるにあたって、2つの軸を意識して推進しています。一つがProduct Visionからトップダウンに落とした形での戦略策定。「我々が会社として持っている製品のVisionを実現するには」という観点で検討を進めます。
もう一つがSalesやCustomer Success/Supportの活動の中で出てくる製品FBやPMM主体で行うユーザーヒアリングをインサイトとして、戦略の方向性を検討するようなボトムアップなアプローチです。

この両軸を行き来しながら、先述のPdMを中心とした社内の各ステークホルダーと連携して戦略を立てていく形になります。

②Sales Enablement

Sales Enablementも重要な活動の一つです。製品の機能の幅が広がり、ユーザーの拡大により顧客からのニーズも多様化/複雑化していく中で、各SalesやCustomer Successの担当が機能の特徴を正しく理解して提案しきる難易度も上がってきます。リリースした新機能を中心にしながら既存の機能も含め、各担当が同様に高いクオリティで提案しきれるようにする。そのために顧客へのメッセージングの仕方を浸透させる業務になります。

また既存顧客に関してBONXのプロダクトを提供した後、さらなる顧客課題の解決を企図する。そのために弊社の提供するAPIやミドルウェアを活用し顧客環境でご利用のシステムと連携させるような一歩進んだ提案なども各メンバーができるようにサポートしています。

③Partner Ecosystemの構築

3つ目がSaaS系の企業を中心にBONXと他サービスの連携を推進し、パートナーのエコシステムを構築していく業務になります。1st Partyの製品として世の中に出すこと、また他社と連携開発を行いソリューションを生み出すこと、この両者には顧客にとっての製品の価値を最大化するという共通のゴールが存在します。この業務はその後者にフォーカスを置いたアクティビティになります。

LINE WORKSのようにIndustryを問わず広く利用ユーザーがいるHorizontal系のサービスや、介護施設用の見守りシステムのようにあるIndustryに特化したVertical系のサービスなど、顧客にとって製品付加価値が上がるような製品連携を日々模索しております。
(下記がその連携の一部抜粋になります。)

LINE WORKSとの連携

「現場帳票」ペーパーレス ソリューション i-Reporterとの連携

介護施設用デジタル見守りシステム「LASHIC-care(ラシク)」との連携

電話設備一体型のナースコールシステム「ナースエコール」との連携

上記はソリューション連携のごく一部抜粋に過ぎず、この他様々な企業とのコラボレーションを進めており、BONXのPartner Ecosystemが広がってきています。
業種業態毎に非常にユニークかつ価値のあるユースケースも見えてきているので、今後のアップデートをぜひ楽しみにしてください。

3つのVibesを礎にBONXを世の中に浸透させていく

このパートではBONXのVibesに沿って、PMMとして意識していることについてお話しします。BONXには5つのVibesがあり、中でも今回は「Make Smile」「Be One」「Go Make Noise」の3つを軸に進めていきます。

① より多くのユーザーをMake Smileできるプロダクトに

会社としての存在意義に繋がってくるところかと思いますが、より多くのデスクレスワーカーの方々に、BONXの製品を介して笑顔になってもらうことが最も意識している点です。これはBONXのVibesでは「Make Smile」にあたる部分です。

そのためには、プロダクトアウトになり過ぎず顧客課題とマーケットニーズを深く理解した製品開発を行い、世の中にリリースされた製品が多くの人の手に渡るようなGTM戦略を書いて実行することが求められます。
そういった日々のトライの結果、世界中のデスクレスワーカーの方々がBONXの製品を手に取って、活き活きと毎日の仕事を行える世界の実現を目指していけたらと思います。

② Be Oneで製品開発に取り組む

良いプロダクトを世の中に出していくには、全社がOne Teamになって製品開発に取り組んでいく姿勢が重要です。Vibesに当てはめると「Be One」がふさわしいでしょう。製品開発はプロダクトチームだけがやることではなく、Sales・Customer Success/Satisfaction・Corporate・HR・Marketingまであらゆるファンクションが主体的に関与していくことだと思っています。

「あれはプロダクトチームが〜」「これはビジネスサイドが〜」みたいな形になってしまうと、プロダクト開発の意思決定が局所最適になってしまい良いプロダクトが生まれません。
BONXもいわゆるThe Model型の組織体系を構築しつつ、事業が成長してきましたが、その副産物として各ロールが局所最適な意思決定に走ってしまうという課題も出始めました。そのため改めて全社で取り組むべきトピックとしての社内の意識変革を進めています。

※The Modelに関する詳しい概要について知りたい方はこちらの記事をどうぞ

③ Go Make Noiseな意思決定を

①で述べたように、BONXの製品が世界中のデスクレスワーカーの人の手元に渡って素敵な仕事の体験を実現していくのは、決して容易なことではありません。そのために既存の成功体験の延長線で戦うだけでなく、既定路線に乗っていない新たなアイディアを生んでいく必要があると思います。これはまさしく「Go Make Noise」な試みだと言えます。

それは製品戦略的な部分もそうですし、GTMの方針を決めるという観点でもそうです。ゼロベースで思考されて生まれるアイディアを大切にしていきたいですし、そのようなアイディアが生まれるような組織作りを意識していこうと思っています。

具体的には、日々の漸進的な「改善」のアプローチとは別枠で、顧客課題ありきでどういう製品の方向性がありうるのかを検討する場を、意識的に用意するなど心がけております。

PMMではその製品が世の中へもたらすインパクトを直に感じられる

BONXにおけるPMMのやりがいとしては、PMMがProduct Managementに関わるロールでありながら間接的・直接的にも顧客接点が多いロールであること。それ故に、製品を介した世の中へのインパクトを業務の中で感じられる点が大きいように思います。
特に小売や建設、介護などの現場で実際にお使いのユーザーの方々からお話を伺う時。もっと言うと「BONXを活用することでこれまでの業務における課題がどのように解決されたのか」というリアルなご意見を聞いた際にそれを強く感じます。

例えば、BONXが介護においてのリアルタイムな音声コミュニケーションを快適にすることで、まるで隣にいるかのようにスタッフ同士で会話ができる。そのため緊急事態があった時でもコミュニケーションを瞬時にとれるという心理的安全性に繋がっているということ。
あるいは、アパレルの現場で在庫の確認や取り置きを他店舗にBONXのテキストチャットで依頼し、対応できる店舗スタッフの方がそのまま音声でやり取りして素早く対応できる。そのため顧客対応の質向上と効率化に貢献しているという話もいただきました。
各業種業態特有のユースケースで、弊社の製品が活躍している様を見た時にやりがいを覚えます。

また顧客の声を聞き、製品の今後の開発方針に直接的な影響を与えられる役回りであることも、PMMのやりがいのひとつです。
新規製品の開発に向けたヒアリングを実施する際には、どちらかといえば経営層やマネジメント層との会話がメインになりますが、時には現場のユーザーの方にも話を伺いにいくことがあります。そして様々な立場の方から話を伺うことで、皆様のBONXへの製品的な進化に対する期待感を感じます。そして様々なご意見から本質的な課題を抽出して製品で解決を目指してロードマップを作り込んでいく、そういった仕事にやりがいを感じています。

まとめると、どういったサービスを世の中に提供するかを考えることが好きで、同時に顧客接点を持つことにも喜びを覚える方にとってはこれ以上のロールはないと思います。

今後はより最適な社内の組織運営を模索していきたい

PMMのロールとしての今後の展望としては、ユーザー数や社内のメンバーの増加に伴いサービスもバリエーションが出てくると、0→1な製品開発、1→10な機能開発のそれぞれにコミットするメンバーを分けるような組織運営などは検討していく必要があるように考えています。

また現時点ではTeam Growth Unitと呼ばれる、どちらかといえばポストセールスのファンクション(Customer Success, Customer Satisfaction)の中で、顧客に近い部隊の中にあえてPMMロールを置いています。
これは上述したように、プロダクトを考えるロールでありながら顧客接点を密に持つことができるので非常にメリットが大きいと思います。しかしながら、全体最適な意思決定を行うためにという観点だと、こうした特定のファンクションからは独立したチームを組織づくる方が良い側面もあるので全体の組織バランスやプロコンを見て判断していけたらと思います。

※TGUに関する詳しい概要について知りたい方はこちらの記事をどうぞ

またBONXのPMM組織ならではの特徴として、Partner Ecosystemの構築を行う役割を持っている点があり、BizDev的な動きをメインで行えるようなメンバーも今後拡充していく予定です。
ぜひご関心ある方は下記よりお気軽にアクセスください。一度気軽にお話ししましょう。

現在、BONXでは今後の事業拡大を見据え、採用活動を行っております。
TGUに関する詳しい募集要項はこちらからどうぞ。

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