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【知らないと損】老化が怖ければ日焼け止めはPAにこだわれ!現役の化粧品開発者が徹底解説

<動画の目次>
0:08 今日のテーマ「SPFとPAの話」
0:39 SPFではなくPAを重視せよ
1:51 SPFではなくPAを重視するのはなぜ?
2:50 PAってどうやって決めてるの?
3:56 PAの基準
6:18 日本でPAが注目されない理由
9:05 まとめ、エンディング


みなさんこんにちは。
現役の化粧品開発者の みついだいすけです。

今回は私の大得意な日焼け止めについて解説をします。

みなさんは日焼け止めを選ぶとき、どのような点に注目してえらんでいますか?
SPFの数字の方ばかり見ていませんか・・・?
老化防止の観点で言ったらむしろ大事なのはPA!
PAはシワやたるみの原因になる紫外線UVAを防ぐための指標です。
SPFの数字の方がインパクトあるので目がいきがちですが、
実は+の数の方が大事!地味だけど見るべきは+の数なのです。


SPFではなくPAを重視せよ

みなさんが紫外線防御をしたい理由は何でしょうか?
おそらく、シミやシワ、たるみを防ぐためではないでしょうか。

SPFはUV-Bという波長を防御するためのものなので、
シミが気になる方はSPFを重視することはあっていると思います。

私がSPFの数値だけでは十分ではないと言っている理由は、
シワやたるみを防ぐ指標はSPFの方にはほとんど入っていないからです。
SPFが主に防御する波長はUV-Bなので、シミの防御だけになっています。

私はシワとたるみこそ光老化の一番の害だと思っています。
シミもそうですが、シワとたるみは一度進んでしまうとなかなか戻せないという特徴があるので、シワとたるみこそ防ぐ必要があると思います。

そのシワとたるみを発生させるのがUV-Aです。
UV-Aは紫外線の中でも波長の長い領域で、この領域を防ぐことでシワとたるみを防ぐことができます。

なので、注目すべきはPA!
PAの+の数こそ、注目していただきたいなと思っています。

<SPFではなくPAを重視するのはなぜ?>

なぜSPFではなくPAを重視するのか、要はシミではなくシワたるみの方を重視してほしいのかというと、
シミはできてしまっても美容医療(レーザー)で簡単に取ることができるのに対し、シワとたるみは元通りにするのが難しいからです。

シミの種類にもよりますが、紫外線由来のシミは美容医療(レーザー)で数万円で取れてしまうことが多いです。
シワとたるみに対しても糸リフトなど色々な治療方法がありますが、根本的な解決はなかなか難しいです。
シワを取ろうと思ったら継続して美容医療を受け続ける必要がありますし、結構高額な費用がかかります。

元に戻せるシミに注目するより、元に戻しにくいシワとたるみに注目していただきたい、そうなると重視すべきはSPFではなくPAです!

PAってどうやって決めてるの?

PAは数値ではなく+の数で表記されているので、
「なんかよく分からないな~」と思っている方もいらっしゃるのではないかと思います。

そもそもSPFは数値なのに、PAは+の数で表記されているのが分かりづらいのですが、実際中身をひも解くと+ひとつの効果はかなり差があるということがお分かりいただけると思います。

要はPAはUV-Aの防御指数なのですが、PAの数値はどのように決められているかというと、UV-Aを肌に照射して、日焼け止めを塗った部分と塗っていない部分でどれだけ肌が黒くなるのに時間がかかるかで決められています。

例えば、日焼け止めを塗っていない方は紫外線を照射して20秒で黒くなったのに対し、日焼け止めを塗った方は200秒で黒くなったとします。
塗った方が200秒、塗らなかった方が20秒、200÷20という計算をして、ここから導き出される10という数値はUVA-PFという値になります。
このUVA-PF10という値を+の換算表に当てはめると、PAの+の数を導き出すことができます。

<PAの基準>

  • PA++++ ⇒ UVA-PFの値が16以上

  • PA+++  ⇒ UVA-PFの値が8~16

  • PA++   ⇒ UVA-PFの値が4~8

  • PA+    ⇒ UVA=PFの値が2~4

このようにUVA-PFの値によって、差が付けられています。
なので、実はPA+++とPA++++の差は結構大きく開いている場合があります。
例えば、UVA-PFの数値が8~9、PA+++だとします。
PA++++はUVA-PFの数値が16を超える必要があるので、
効果に2倍の差が出ます。
この差をSPFで例えると、SPF25とSPF50の違いくらいの差があることになります!

もちろん範囲に幅があるので、++++と+++の差は
UVA-PF15と16の差のパターンもありますし、
20以上など、もっと大きい差の時もあります。
たった1つの+の差で、こんなにも差が生まれます。

最近のサンスクリーンですと、PA+++異常が必須になっているような感じがあります。
下地やファンデーションだとPA++のものも結構ありますが、
PA++の日焼け止めって見たことないですよね。

このPAの+の数はすごく気にしていただきたいです。
シワとたるみ、光老化に関わるダメージはPAの+の数を見てください!というのが私の主張です。

SPFとPAをどちらも日焼け止めで効果を出そうと思うと、両方一緒に数値が上がります。
「SPFが高ければPAも必然的に高いだろう」のような意見を仰る方もいますが、それは全然違います。
私はPA+++とPA++++の差を言っているのであって、この差は大きいものだと2倍以上開きます。
「SPFだけ上げてPAが上がらないことはあり得ない」という主張だと思いますが、PA++++にするためには結構な量のUV-A防御剤を配合しないといけません。
この処方的な努力によって効果は全然違いますので、「SPF高いものを選んでおけばいいだろう」という考え方は、私は少し解像度が低いなと思っています。

光老化を防ぐために気にすべきは、やっぱりPAの方だと思います。

日本でPAがあまり着目されない理由

UV-Aの肌への悪影響は、日本がいち早く議論し始めていて、PAの数値ができたのも日本が世界で初めてです。


UV-Aの防御を指標化した初めての国は日本だったのですが、日本の消費者はPAの+の数なんてほとんど見ていないようです。
PAの+の数を見て日焼け止めを買っている人、私はほとんど見たことがないです。

日本の日焼け止めは「SPF50、PA++++」のような形で、
先にSPFの数値を表記してしまうことが、消費者がSPFの数値ばかりを気にする要因になっているのではないかと思います。
「PA++++、SPF50」のように、PAの方を先に表記したら消費者もPAの方をより意識しているのではないかと思います。
本当はこのような表記の方法にした方がいいのではないかな…と個人的には思っています。

PAが日本でほとんど注目されていなかった間に、EUやアメリカもUV-Aの防御力の重要性を感じ始めて、後発ではありますがUV-Aの防御の指標を出し始めました。

海外でのこの指標は分かりやすくて、EUではUV-Aマークが付くか付かないかでUV-Aの防御効果を表しています。


UV-Aマークが付いている商品は、UV-Aの防御効果が十分にあると証明できるということなんですね。
少し話が難しいので割愛しますが、簡単にお話すると、「UV-Bと一緒にUV-Aも防御力が高く作られている日焼け止めです」ということを証明をするためのマークです。

アメリカも同じで、ブロードスペクトラムという考え方があるのですが、この表示がある商品は「光老化を防ぐ」という表示を商品に用いることができます。

これらの表示があるものとないものは、おそらく消費者が商品を選ぶ上で結構気にするポイントになっていると思います。
日本はSPFの陰に隠れてPAの数値が注目されていませんが、海外はSPFが書かれていてUV-Aの防御効果も十分であるかそうでないかはっきりと明記されていることから、海外の方が商品を選びやすいなと思います。

ただ、日本の日焼け止めも世界的にレベルが高くて、海外のものよりは絶対に性能が良いので、日本の日焼け止めを選ぶべきだと思います。
その上で、ぜひ今後は少し見方を変えて、PA+++とPA++++の防御力の違いを意識していただくことが重要だと思います。

化粧下地やファンデーションなどもPA++かPA+++かで、UV-Aの防御力が2倍も3倍も変わることがありますので、そこも注目してみてください。

長い時間をかけて紫外線ダメージは肌に蓄積されていくものなので、「気づいたらシワやたるみがどんどん起きてしまった・・・」ということにならないように、上手に日焼け止めを選んでいただけたら良いなと思います。

まとめ

日焼け止めを選ぶときSPFの数字の方ばかり見てる人が多いと思いますが、老化防止の観点で言ったらむしろ大事なのはPAの方です。
PAはシワやたるみの原因になる紫外線UV-Aを防ぐための指標です。
数字の方が分かりやすくインパクトがあるので、SPFの方に目がいきがちですが、実はPAの+の数の方が大事です!
地味だけど見るべきはPAの+の数、ということをぜひ意識してみてください!


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また、他の動画で、生活スタイルやレジャーに応じた日焼け止めの選び方や、日焼け止めの効果的な塗り方、日焼け止めに配合されている紫外線散乱材の1つ「酸化亜鉛」等についても詳しく解説しています。
紫外線や紫外線対策、日焼け止めについての知識をまるっと得ることができるので、
気になった方はそちらもあわせてご覧ください。

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