【書評9】自分の小さな箱から脱出する方法④
すっかり長編になったこのシリーズ。
自分の小さな箱から脱出する方法
著:アービンジャー インスティチュート、監修:金森重樹、訳:冨永星
今回のテーマは"共謀"
ここで「箱に入る」状態を少しおさらいをします。
1:自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を「自分への裏切り」と呼ぶ。
2:いったん自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。
3:周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになると現実を見る目がゆがめられる。
4:したがって、人は自分の感情に背いたときに箱に入る。
周りのために「こうした方がいい」と思った自分の感情を裏切ると、他人の欠点をあげつらい、自分を過大評価し、自分を正当化、相手に非があるように考えるようになる。
これを「自己欺瞞」「"箱"に入る」状態という。
これが恐ろしいのは、この後だ。
"箱"を持ち運ぶようになり、これが性格に変わるというもの。
こうなると「自分への裏切り」に対して無自覚になり、自分への過大評価しや正当化、相手の非や欠点をあげつらうことにも気づかなくなる。
それだけではなく、自分が"箱"に入ると関わる人をも"箱"に入れてしまうのだ。
"箱"に入っているもの同士は、"共謀"し、手をつけられなくなる。
この"共謀"を要約するのは文字だけで難しいので、ぜひ本を読んで欲しい。
共謀のメカニズムは下記の通りだ。
本を読んだことがある人は、これを見ると心が痛くなる人がいるだろう。
5:ときが経つにつれ、いくつかの箱を自分の性格とみなすようになり、それを持ち歩くようになる。
6:自分が箱の中にいることによって、他の人たちをもはこの中に入れてしまう。
7:自分が箱の中にいると、互いに相手を手ひどく扱い、互いに自分を正当化する。共謀して互いに箱の中にいる口実を与えあう。
本の中では母と息子の例が出ているが、なぜこれがビジネスシーンに活きるのか?
"箱"の中にいる人間は、周囲の人間を"箱"に入れようとする。
結果、会社や事業全体の成果よりも、自分の評判や優位性をよくしたり、保つためにエネルギーを使い、自分のミスを覆い隠し、だれかのせいにするし、自分以外のだれから成功しても喜ばずに、あらを探したり妬んだりする。
つまり"箱"にはいるとどういう問題につながるか。
積極性や参加意思、責任感、信頼が欠如し、ストレスが中傷、コミュニケーションミスなどの問題を引き起こし、チームワークが悪くなる。
こういう人がどんどん増えていくと厄介で、この "箱"という最近が伝染すると組織のパフォーマンスが下がってくるというのだ。
組織で働いた経験がある人は、大なり小なり似たような経験をしたことがあるんじゃないだろうか。
ぼくは学生時代から人間関係が上手くいかなかった原因も"箱"に入っている状態が続いていたからだと思う。
じゃあ、これをどうやったら抜け出せるのか?
それについては、また明日!
Bさんは、自分がそういう行動するのは、相手(Aさん)がそういう風な態度をとるせいだから仕方ない。とお互いにエスカレートしていく。
、常態化すると自分の"性格"になってしまうのだ。
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