【報告】東大山縦走(10/1)
大山エリアでは古期大山と言われる古い山並み東大山。弥山よりも古い時期に形成された山々は侵食され、岩の層の硬い部分が残りゴジラの背などを造りだしています。そんな、東大山へ基本中の基本のコースを少しズル(※)しながら登ってきました。
大休峠までの大山古道は、1600年代に作られた石畳が残っており、その石が無茶苦茶滑ります。後ろから「ヒャ!」「キャ!」と参加者の悲鳴が聞こえてきました。
大休峠で休憩し、矢筈ヶ山へ向かって再スタート。少し登ったあたりから、笹が登山道を隠すように覆いはじめ、前日に降ったの雨の影響で、その笹はぐっしょり濡れていました。先頭を歩く私のブルーのパンツは太ももあたりから濡れて、色が変わりネイビーに‥。山頂の手前では頭の上か薮が覆い、両側から迫る濡れたクロソヨゴの木、それが当たる腕や肩が濡れて長袖のウエアが、張り付いて気持ち悪いくらいびしょびしょ。『オラ!』『くそ!』『なんじゃ!』って心の中で普段隠してるダークな部分が出てしまっていましたね(笑)。
藪を掻き分け登った矢筈ヶ山の山頂では、ガスの切れ間から、烏ヶ山が姿を表し、振り向けば小矢筈がぼーっとその存在を示していました。
本当は、もう濡れるのが嫌になってダークサイドに落ちたガイドは、もう帰りたいなあと思っていたですが、参加者が行きたいって言うので、仕方なく小矢筈を目指して出発(笑)。そこもやっぱり藪は濡れていて、ついでに急な登山道は滑る、スベル、すべる、suberu!やっぱり止めたらよかった‥。
しかし、そんなダークサイドに落ちたガイドを救ったのが、甲ヶ山の岩場の景色。ここは私が大山で好きな場所の一つなんです。その山の景色を見ただけで、心の霧が晴れたようにクリアになり、俄然元気に。こうして、ダークサイドから光の中へ戻ってきたガイドは、岩の登りで苦戦する参加者に、
『大丈夫よ〜』『いいよ〜』『うまいよ〜』『ナイス!』笑顔でポジティブな声かけ、さっきまでのネガティブなガイドはいなくなりました(笑)。
苦戦しながらも甲ヶ山山頂に到着、参加者は達成感に溢れていました。こうやって苦戦しながら登り切った経験は次につながります。みんなレベルアップです。
休憩後は、お待ちかねのゴジラの背、ガスの中から現れる岩の全貌は少し恐怖のタネを心に播き始めます。こんなところほど、ガイドは柔らかく笑顔を絶やさずをモットーにやっているので、逆に緊張感なく見えますがわざとです。演じてるんですよ。プロですからね(笑)。
ルートを選び、体を安定させ、そして楽しむ。ちょいちょい素が出ていたのは、見ないフリをしておきます。無事ゴジラの背をバックに、笑顔で記念撮影。達成感と特別感が表情に現れています。
しかし、この時はまだ、この先にダークサイドが待っているなんて誰も思っていなかったのです。
ゴジラの背から、勝田ヶ山までは、滑る登山道を慎重に歩き順調に通過。
勝田ヶ山からは、尾根をひたすらまっすぐ下って行きます。滑るので笹や木を持ちながら歩いていくと登山道が笹で覆われ、足元が全く見えない‥。
ここだけが笹藪なのかと思いきや2時間くらいこの状態。ガイドはここで再度ダークサイドへ落ち、喋らなくなりました。やっぱり止めればよかったと‥。
というか、この登山道は古くからあるのですが、最近ほとんど人が通っていない‥。整備も最近はされてない感じ。理由はいくつかあるのですが、声を大にして言います。『国土地理院の地形図を見てください。破線があるのはここ!!急がば回れですよ!!』取り乱してすいません。ダークサイドに落ちたガイドの声ですので気にしないでください。
さて、長い、長い笹藪を掻き分け歩き、やっと船上神社に着いた時は正直嬉しかったです。休憩する前に、歩きながら一番気になっていたことを確認しようと自分の体を足元からチェックしていくと、くっつき虫いっぱい。
ヌスビトハギ、ノブキ‥。『あーーー!!』やっぱりいました。ダニです。心配していた通りでした。
指先にフォースをこめて、ダニをピンっと飛ばして、参加者もみんなでチェック。幸いついていたのは、私だけでした。みなさんダニには気をつけましょう。藪漕ぎのあとは手拭いなのでパンパンと払うのがおすすめです。
船上神社から、休憩舎を通り、滑る登山道に気をつけながら、駐車スペースに着いたのが16:40ごろ。スタートしてから9時間半の行程でした。よくあのストレスの多い道をみなさん歩きました。怪我なく無事に帰って来れてよかったです。なかなかの修行になりました。みなさんお疲れ様でした。来年もこのコース歩けるかなあ‥。
今回あまりの藪にダークサイトへ落ちてしまったこばガイド(笑)。もちろん、いつも楽しいガイディングをしてくれます。いろいろなツアーを作ってますので、初めて山を楽しみたい方もぜひ気軽にお問い合わせくださいね。
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