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ギャラクシービール : 妄想ショートショート015

ギャラクシービール

太陽が地平線に沈むことなく、星々がキラキラと輝く宇宙空間。それが今、ユウタの目の前の景色だった。彼は生まれて初めての宇宙旅行に挑戦していた。
ユウタは、地球での日常から逃れ、新しい体験を求めて宇宙旅行に参加した。彼が最も楽しみにしていたのは、宇宙空間での浮遊体験や星々を間近で見ることだった。

ユウタは興奮していた。彼が乗っている宇宙船が地球の大気圏を突破し、真の宇宙空間に入った瞬間、船内の重力が消失した。彼の体は浮遊し始めた。これが無重力の感覚か、と彼は思った。手元から離れたペンやノート、飲み物のカップがゆっくりと船内を漂っているのを見て、彼は子供のような喜びを感じた。
ユウタは宙返りを試みた。最初はうまくいかなかったが、何度か試すうちに、自分の体をコントロールするコツを掴んできた。彼は自由に船内を飛び回り、他の乗客たちと一緒に浮遊する楽しさを満喫した。

その後、彼は船内のカフェで一息ついていた時、
「宇宙のビール、ギャラクシービールいかがですか?」と、船内スタッフから声をかけられた。船員は微笑みながらアンチグラビティ・ビアディスペンサーに手を伸ばした。

船員はディスペンサーのハンドルをゆっくりと押し下げると、ビールが磁場制御を通して、浮遊するビールグラスの中へと流れ込んでいった。ユウタはその光景に目を奪われた。ビールがグラスに注がれる様子は、まるで金色の銀河が螺旋を描きながら宇宙空間を舞っているかのようだった。

注ぎ終わると、船員はセルフシーリングノズルが自動的にシールされるのを確認し、浮遊するビールグラスをユウタの前に持ってきた。「初めての宇宙ビール、楽しんでくださいね」と船員は言った。

「これは…!」ユウタは驚きの声を上げた。
ユウタは、その美しい螺旋状のビールを手に取り、しばらくはただその美しさに見入っていた。彼の目の前には、まるで銀河が手の中に収まっているかのような光景が広がっていた。ビールの中にやわらかな星のような泡がキラキラと輝き、彼の心を打った。
彼はゆっくりとそのビールを口に運んだ。初めてのギャラクシービールの味。舌の上で泡が弾け、その瞬間、彼は地球のビールとはまったく異なる、新しい感覚に包まれた。それは、甘く、苦く、そして何とも言えない宇宙の風味が広がっていった。

妄想テクノロジー

「アンチグラビティ・ビアディスペンサー」
マイクロバブル技術: 通常のビールの泡は重力の影響を受けて上昇するが、無重力下では泡が浮遊するため、特別なマイクロバブル技術を使用し、泡がビールの中で均等に分散するようになっている。3Dプリンターのように泡で好きな形状をつくることもできる。
磁場制御: ビールを注ぐ際、磁場を利用して液体をガイドし、浮遊するビールをコントロールする。ビールグラスも磁場に反応する素材で作られており、ビールが正確にグラスの中に流れ込むようになっている。
セルフシーリングノズル: ビールを注ぎ終わった後、ノズルは自動的にシールされ、ビールの漏れを防ぎ清潔さも保つ。一連の動きもエンターテイメント性を高める。
ゼログラビティグラス: 特別なデザインのビールグラスは、無重力下でも手にフィットする形状をしており、中のビールは無重力で球体を保つ。飲む際は、グラスついているストローを使って中心から吸い上げる。

妄想プロダクト: Anti Gravity Beer Dispensers

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宇宙旅行時代はいずれおとずれます
その時、我々はどんな体験ができるのでしょう?
今、日常の当たり前体験も特別なものになるでしょうね。
宇宙で飲むビール体験がどうなるのか?!
少しだけ妄想してみました。
ギャラクシービールはSuntoryさんが作りそうなイメージ。。


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