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デジタル顧客名簿は営業DXの基本である

おはようございます。
カイロスマーケティングで代表をしております、佐宗(さそう|@dsasoon)と申します。

営業DXという言葉もだいぶ聞き飽きてきたような感じもします。でも、営業DXがまだまだ道半ばである中小企業も多くあります。その多くは、営業DXはどこから手をつけて良いかわからない、からだと思っています。

営業DXは「デジタル顧客名簿」をつくらないと始まりません


営業DX時代の「デジタル顧客カルテ(名簿)」の重要性


「デジタル顧客カルテ」とは、医療におけるカルテをイメージした本マガジンの造語です。なぜカルテなのでしょうか?

医療の分野におけるカルテは、患者の名前や年齢などの個人を特定するための情報に加えて、過去の医師の診断に関する情報が書かれています。カルテに書かれた医師の過去の診断を見ることによって、患者さんに対して適切な処方ができるようになるのです。これは確かに営業活動でも応用ができるはずです。

「デジタル顧客カルテ」は、見込みのお客さまの氏名や会社名などの連絡先の情報に加えて、これまでそのお客さまからいただいた営業商談に関する情報、見積りや購入の履歴を記録します。

営業商談以外でも、新規開拓の領域で得た情報も追記します。例えば、過去に展示会でお話ししたことやその内容、いつ、どのメルマガを開封したとか、あなたのホームページで製品情報のページのあるページを見た、などのお客さまの行動の記録をすることが、DX時代の「デジタル顧客カルテ」です。

お客さまは商品の購買をインターネットで進める時代です。このようなオンラインの行動には、お客さま側で購買行動を始めているかどうか、どんな商品に興味があるのか、というマーケティングや営業にとって重要な情報が含まれているのです。特に、メルマガの開封やホームページの閲覧の情報を「デジタル顧客カルテ」に記録するためには、MAツールの活用が便利です。

近年では、見込みのお客さまは法人でも、購入の検討にはインターネットで情報を集めます。購入を検討している商品のホームページや口コミなどの情報を集め、詳細を聞き出すための商品を2〜3に絞り込む傾向にあります。その後、絞り込んだ商品を取り扱う企業に連絡をします。

「デジタル顧客カルテ」は、最初から完璧なものをつくることはできません。MAツールを導入して、徐々に情報が蓄積されることで「デジタル顧客カルテ」が育っていきます。


デジタル顧客カルテのつくりかた


初めて「デジタル顧客カルテ」をつくるときは、社内にあるお客さまの連絡先情報を集めることから始めます。お客さまの連絡先情報は、営業部員がお客さまからいただいた名刺を個人の名刺ケースに入れて保存しているとか、過去に出展した展示会で交換した名刺情報がエクセルで保存され、どこかに放置されています。

数年も事業を営んでいれば、このような状態になっており、社内で名刺をかき集めると数百のお客さま連絡先情報が集まります。

できるだけ数多くのお客さま連絡先情報を集めるためには、営業部員に「デジタル顧客カルテ」をつくってもらうのではなく、「デジタル顧客カルテ」をつくる担当者を決めて、その担当者が営業部員から名刺を借りてデジタル化をする作業をします。営業部員にデジタル化をお願いしても、通常の業務があるため、名刺のデジタル化の作業が後回しになりがちです。営業部員に任せると、連絡先情報がたくさん集まらないだけでなく、時間もかかってしまいます。

当社のお客さまでは、「デジタル顧客カルテ」の担当者が段ボール箱を持って営業部員のデスクを回ってお客さま名刺を預かってデジタル化をしたそうです。その後は、外出の予定がある営業部員に声をかけて、毎日名刺を集める作業をしているくらいです。

別のお客さまでは、支社にあるお客さま名刺を段ボールで本社に送っていただいて、本社で「デジタル顧客カルテ」の担当者がデジタル化をして、作業終了後には再び段ボールで支社の営業部員にお客さま名刺を返しました。以降は定期的に、支社で新たにいただいたお客さまの名刺を本社に定期的に送っていただいています。

初めて「デジタル顧客カルテ」をつくる時には、これくらいのことをやるべきなのです。

お客さま名刺のデジタル化とは、お客さまの名刺にある全ての情報を、エクセルやCSVなどのファイル形式でお客さま名刺を一覧にして、MAツールなどでつくった「デジタル顧客リスト」に蓄積することです。

デジタル化の作業では、名刺のデータを「デジタル顧客カルテ」担当者が手入力でエクセルに記録する方法もあります。名刺の数が百枚程度であればこの方法でも十分です。しかし、人間の手作業では名刺情報の入力作業に時間がかかるだけでなく、間違いが発生することは否めません。

名刺情報をデジタル化するために便利なツールがあります。それは、名刺管理アプリです。名刺管理アプリを使えば、お客さまの名刺の情報をアプリでスキャンするだけで文字に変換してくれます。名刺管理アプリは無料のものから有料のものまでさまざまです。

名刺情報の一覧は名刺管理アプリからエクセルやCSVなどの形式でダウンロードできます。このエクセルやCSVファイルをMAツールに取り込めば、「デジタル顧客リスト」が完成します。MAツールは、特定の名刺管理アプリから自動で名刺情報を取り込む機能があります。この機能は便利なのでぜひとも利用を進めます。

最初につくった「デジタル顧客カルテに」は、お客さまとの過去の接触情報などの情報がありません。これらの情報は、「デジタル顧客カルテ」をつくってから、MAツールを使うことで貯まっていきます。数ヶ月もすれば、内勤営業や受注活動でつかえる「デジタル顧客カルテ」に成長します。

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