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営業提案できる機会も大事だが、変化への柔軟性を見極めることも営業の器量。

こんにちは。
カイロスマーケティングというSaaS企業で代表を務めております、佐宗(さそう|@dsasoon)です。

SaaSも市場がだんだんとできあがってきて、お客さまが商材を理解し、導入する企業が増えると、売り方が変わってくると実感しています。

この変化がジワジワと起きるわけですから、なかなか気づかないんですよね、ホント。


だんだん売れてくると売り方がそっと変わる

製品中心の見方をすれば、これはプロダクトライフサイクル理論に当てはまるのでは無いかと思っています。市場に製品が浸透するに従って、購入層がアーリーアダプターから順にマジョリティになっていく。購入するお客さま層が変われば、当然売り方も変わるということになります。

一気に購入するお客さま層が変わればいいのですが、実際はそうではない。本当に少しずつ変わってくる。これに気づくまでに数ヶ月かかっちゃうんです。なんだか売れ行きが鈍くなったなぁ、と感じて、FAで営業活動を少し長い期間で眺めてみると、「あっ!」と気づく。こんな感じです。今まで少なくとも数回は経験してきました。

いわゆるプロダクトライフサイクル理論でこの現象は説明がつくものであると思っています。プロダクトライフサイクル理論もやっぱり整理学。あとから気づくんですよね。最初に気づきたいものです。

市場にあるカテゴリーの製品を買うお客さまが増えてくると同時に、その製品を買う顧客層も変わってくる。最初は新しもの好きのギークだったのに、徐々に一般層にお客さまがシフトしてきます。

もうかる市場なら、新たに市場に参入する製品が増えてくる。お客さま層が変わって、競合する製品も増えてくる。営業の売り方が変わるのは当然になります。


いつしかお客さまは自分で解決策をみつけるようになる

市場に製品があまり浸透していない時は、インターネットや書籍など、その製品を取り巻く技術やビジネスモデルなどの情報が少ないために、お客さまから営業に連絡をいただくことがあります。

市場に製品を買うお客さまが増えて、利用者も増えれば、セミナーで情報が増えて、そのうち比較サイトが立ち上がってきて。お客さまが購入する時に必要な情報がどんどん増えてくるわけです。だから、購入することが半分以上決まってから、お客さまから営業に連絡をいただけるようになります。

市場が立ち上がる初期の段階では、お客さまに課題を解決する方法を提案するソリューション営業がうまくいくわけですが、市場が立ち上がると、お客さまが自ら課題を認識して、そして自ら解決策(ソリューション)を自分で見つけてしまうんです。

あ、これまさにカイロスマーケティングが直面している業界ではないかな、と。


ソリューション営業が価格競争へまっしぐら?

よくある経営戦略の理論や、市場戦略のフレームワークで、市場競争が激しくなるにつれて価格競争になることが実証されていると思っています。

あるときまでは、お客さまは自社の課題をよく理解しているがその解決する方法をよく理解できていない、もしくは知りません。だからソリューション営業でうまくいくことが多くあります。

お客さまの課題をヒヤリングして、その課題を解決する方法を提案するわけです。お客さまの課題を解決する提案を必要とする営業活動をソリューション営業であるということにしておきます。

ソリューションの提案骨子のテッパンは、こんな感じですよね。

・お客さまの課題(再掲)
・なぜ自社がそれを解決できる理由の強調(他社との違い)
・提案の骨子
・クレデンシャル(実績など)
・解決した事例(ユースケース)

結局のところ、顧客課題か顧客ニーズを理解して、それにあったソリューションを提示して、そして何が競合よりも優れているかを説明することになります。結局のところ、することになっちゃいます。

自社の製品に圧倒的(完全なる圧倒的さが必要です)な強みがあればいいんですが、市場がかなりできあがってくると、思ったよりも強みがなくなる。まぁ、売れる機能や仕様は、どこの製品にも実装されちゃいますからね。特許や規制でしっかり守られている市場であるならともかく、多くの市場にはこんなものがありません。もしくは、特許があるとしてもあるところまでは抑制条件が機能していません。

マーケティングや営業のアプローチにおいても、自社が解決できそうな課題を持っているお客さまを探して、ヒヤリングをして、ソリューションの提案をする。

思い切って言ってしまうと、これってお客さまの注文の処理をしているだけ、なのかもしれません。ソリューションに圧倒的な価値を出せなければ、ソリューション営業といえども価格競争になってしまいます。


お客さまの変化に対する柔軟性を見よ!

市場やお客さまなどの外的要因によって価格競争から抜け出せることはないでしょう。だsから、自分を、営業を変えるしかないと思います。それしかない。

いわゆるソリューション営業としてニーズが明らかになっているお客さまをねらうと、価格競争に巻き込まれやすい。だから、まだニーズが明らかになっていないお客さまをターゲットとする。

もう一つの方法は、すでにニーズが明らかになっているものの、常に変化を追い求めているような変容性があるお客さまをねらうべきです。いったん固まった自社のニーズにも、営業として情報をインプットすることで固まった自社のニーズがまた変わるかもしれません。

営業はお客さまのニーズがきっちり固まっているかを判断するよりも、お客さまがご自身で変わろうという気持ちの強さを見ることになります。

ソリューション営業として当然だったお客さまへのヒヤリングする内容も、予算とか時期とかニーズではなくて、お客さまの変容性の度合いをなんらかの方法で確認することになります。

ソリューションの提案の機会を従来通り営業機会としてとらえるべきなのか。もしくは、もしくはそうじゃないのか。提案を通じてお客さまの頭の中をリセットして、新たなニーズを生み出すことができる可能性を探るのか。

お客さまのニーズに対応するだけでなく、お客さまのニーズを再定義する。確かにインサイト営業と言えるのでしょうか。言葉の定義にあまりこだわりたくはないですけど。

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