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仕事で成果を出す「戦略」の学びかた

こんにちは。
カイロスマーケティングで代表を務めております、佐宗(さそう|@dsasoon)と申します。

書店に行くと、「戦略」というキーワードが入った書籍をベストセラーコーナーでよく目にします。企業戦略に関する書籍は以前に比べて減少傾向にあるかもしれませんが、それでも多くの戦略の書籍がベストセラーに選ばれています。

インターネットを通じて、企業や個人が自社の戦略やその成果を公開することが増え、戦略に関する情報は以前よりも容易に入手可能になりました。しかし、戦略に関連する出版物への需要は依然として高いと感じています。

わたし自身も、戦略に関する書籍を数多く購入してきました。新しい戦略の書籍が出るたびに購入し、社会人として25年以上、起業してから10年以上を過ごしてきました。ただ戦略を学ぶだけでなく、自分なりに仕事に活かしてきたと信じています。

いまから振り返ってみると、もっと効率的に戦略を学ぶ方法があるだけでなく、学んだ戦略をうまく仕事に活かして自分の仕事の成果をもっと出す方法もあったと感じています。そんな思いや反省を記事にまとめました。

まだまだ道半ばな自分ですが、当方の稚拙な経験や体験がみなさんのお役に立てますと幸いです。


戦略を学ぶなら、まずはフレームワークから

戦略を策定する際には、背後にある複雑な問題や状況を理解し、分析し、解決するための一連のプロセスが必要です。特に、問題や状況を抽象化して理解しやすくする道具として、先人たちが戦略のフレームワークを整備してきました。

戦略に関連するフレームワークは数多く存在します。フレームワークとは、複雑な事象を整理し、特定の問題や分析をするための情報の構造を示す指針とか原理といっても良いでしょう。

戦略を学ぶ際には、これらのフレームワークの理解から始めることが一般的です。

ある企業がどのようにして成功したのか、そのプロセスや要因を自分の頭で理解することはとても大変です。企業の成功にはさまざまな要因があり、それらが密接に絡み合っているからです。戦略を学ぶ段階では、これらの要因を情報としてインプットするだけでは、その企業の成功の理由を理解できません。

そこで戦略のフレームワークを使って、この企業の成功までのプロセスを見ていくことになります。フレームワークを通じてその企業の戦略実行を抽象化することができるため、企業が成功にいたった理由や要因を理解しやすくなります。

戦略を学ぶときは、そのフレームワークの理解から始めることが基本です。戦略に関する書籍でも、その多くがフレームワークの説明と実例を中心に取り上げています。


戦略に関するフレームワークとして、PEST、SWOT、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント、アンゾフのマトリックス、VRIO、プロダクトライフサイクル、3C、5F(ファイブ・フォース)、4P、SPT、など、かなりたくさんあります。果たしてどっから何を覚えていくべきでしょうか?

多くの人が関心を持つのは、仕事の成果に結びつきやすい企業戦略や事業戦略などの領域のフレームワークです。これは、いつか経営者を目指したい、いつか起業をしたい、という背景があるからなのかもしれません。企業戦略と事業戦略は、その領域や対象が異なるため、大きな違いがあります。


企業戦略 vs 事業戦略。どちらから学ぶべきか?

結論から言えば、まずは事業戦略から学ぶことをおすすめします。

事業戦略とは、企業戦略に従って特定の事業の売上や利益を伸ばすことにあります。市場そのものの拡大や市場シェアの増加、自社の優位性を確立して利益を上げるための競争の方法や取りうる市場での立ち位置を特定します。事業戦略は、市場における競合との競争戦略とも言えます。事業戦略に関するものだけでも数多くのフレームワークが存在するため、戦略を学ぶには十分です。

事業戦略では、市場内での収益性の高いポジショニングを確立することが重要であり、4PやSTPなど、さまざまなフレームワークを使いながら事業戦略を策定することになります。事業戦略だけでも数多く存在します。


事業戦略に対して企業戦略があります。企業戦略とは、既存事業に加えて新たな事業を立ち上げる、儲からない事業を売却する、各事業への経営資源の配分、などの長期にわたって会社の成長を維持するための基本的な構想です。企業戦略は、経営者と呼ばれる起業経営に責任を持つ人を中心に策定します。経営者は、企業戦略を学ぶことで、仕事におけるアウトプットにつなげることができます。

経営者でなければ、まずは事業戦略に関するフレームワークを学ぶことから始めるべきです。戦略についての理解を深めたい経営者であっても、事業戦略を理解することが大切です。なぜなら、事業戦略を理解していなければ、企業戦略を理解することは難しいからです。


戦略フレームワークは「取るべき戦略」を教えない

戦略を学ぶとは、戦略に関するフレームワークを学ぶことである、という説明をしてきました。しかし、戦略に関するフレームワークを使って仕事をしただけで、素敵な戦略の答えが導き出せるとは思わないでください。フレームワークは戦略という答えを教えてくれるツールではありません。「SWOT分析やってみました!」という報告は、戦略策定のほんの一部の業務をこなしただけにすぎません。

「戦略を学ぶ」とは、戦略に関するフレームワークを理解することで学ぶことになるので、フレームワークを使ったら戦略策定になると間違えた理解が進みやすくなるのだと思います。

戦略に関するフレームワークは、不要な情報を取り除きながら膨大な情報を意味のある塊に整理し、戦略策定に必要な情報がここにあると示してくれるツールです。戦略を考える上で欠けている情報を示唆してくれる時もあります。フレームワークはあるべき戦略自体を教えてはくれませんが、あるべき戦略を考えるために必要な情報を整理するうえで大切な役割があります。

フレームワークとは、複雑な事象を整理し、特定の問題や分析をするための情報の構造を示す指針とか原理なのです。


さいごに

すばらしい戦略が策定できたからといって、事業がうまくいくとは限りません。戦略よりも実行が大事と言われますが、まさにその通りだと思います。すばらしい戦略があっても、その戦略を実行できなければ、事業として成功することは困難です。

逆に、必ずしも完璧とは言えない戦略であっても、実行がしっかりしていれば、ある程度の成功を収めることができるでしょう。

したがって、戦略と実行の両方が重要です。戦略だけに注力しても、実行力が伴わなければ意味がありません。一方で、実行力のみを重視して戦略をおろそかにしても、方向性を失うリスクがあります。戦略と実行は表裏一体となってこそ、事業の成功につながるのです。


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