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業界認知が低いなら、小冊子マーケティングも1つの方法

こんにちは。
カイロスマーケティングで代表を務めております、佐宗(さそう|@dsasoon)と申します。

まだまだ業界の認知が低く、集客力にも不安がある小さな組織では、展示会が新規開拓のテッパンであるお話は以前にさせていただきました。

顧客の名刺情報を獲得するための費用を考えると、他の新規開拓の施策に比べて展示会は費用対効果としてまずまずです。

毎年展示会に出ているが、一年中新規開拓のための施策をしたい!という小さな組織には、小冊子を活用した新規開拓が有効であると考えています。


なぜ小冊子が新規開拓に有効なのか?

展示会出展以外にも小さな組織のマーケティングにおすすめの施策があります。それは「小冊子」です。

「小冊子」とは、あなたの商品を購入する見込みのお客さまにとって、あなたの商品の領域の業務についての知見やノウハウ、調査データなどをまとめた資料を指します。完成した「小冊子」を、自社のホームページに置いておきます。その小冊子のテーマに興味を示していただける見込みのお客さまは、自身の連絡先の情報と引き換えに小冊子をダウンロードします。

「小冊子」をダウンロードしていただける人は、あなたの商品の領域の業務をしていることになりますので、将来のお客さま候補である見込みのお客さまになります。見込みのお客さまに営業部員が連絡することもできますし、メルマガをお届けしてあなたの商品や会社を覚えてもらうこともできるでしょう。

オンラインの広告を使って、「小冊子」を宣伝して見込み客を自社のホームページに誘導することも可能です。

小冊子のサンプル

「小冊子」も展示会への出展と同じく、その目的は集客です。展示会は主催者が集客をしてくれますが、「小冊子」は自社でやらなくてはなりません。ただし、「小冊子」以外のマーケティングのための施策と比べると、お手軽な集客の施策になります。

「小冊子」は、業界での認知がない小さな組織でもある程度の集客が可能です。会社や商品の知名度が低くても、事業を営む領域の認知はある程度あるはずです。まちこうばで考えれば、そのまちこうばの社名や商品名の認知はなくても、例えば「精密金属加工」といった事業を営む領域の認知はあるはずです。お客さまにネット検索で見つけていただいたり、費用をかけられる場合は先ほどの例で言えば「精密金属加工」というキーワードで検索連動型の広告でより多くのお客さまに見つけていただくことも可能です。

「精密金属加工」についての知見やノウハウが詰まった「小冊子」なら、その領域に興味のある見込みのお客さまに対しても有効です。会社や商品の認知が低い小さな組織にとって「小冊子」がマーケティング施策に適している理由がここにあります。

「小冊子」は、商品紹介や提案によく使う資料、展示会で配布しているカタログやパンフレットなどからもつくることができます。紙面の媒体をPDFなどのインターネットでダウンロード可能な状態にするだけで完成します。ダウンロードするための登録フォームの作成は、MAツールの標準機能を使えば、ホームページ業者に依頼する必要はありません。たったこれだけでできるわけでから、小冊子はあまり費用をかけずに短期間で実現するお手軽な施策であることがおわかりいただけるかと思います。


自社でもできる小冊子作成の流れ


「小冊子」の作成は、PowerPointやWordで作成してPDFの形式で保存するだけです。PowerPointやWordの編集ができるなら、社内でも十分につくれるでしょう。営業でつかっている資料や、セミナーの講演資料、製品パンフレットなどがあれば、それらを活用することもできます。

「小冊子」はそれなりのページ数があることが望ましいですが、8〜10ページくらいの情報量があるシンプルなものから始めても十分にその効果を発揮します。

「小冊子」は、企画、製作、掲載の流れでつくります。

企画では、「小冊子」を読んでいただきたい人物像(ペルソナ)と「小冊子」の内容を決めます。製品を売り込むのではなくて、製品に関連するお客さまの業務に関する知見やノウハウ、調査データなどの情報をお届けすることを目的とします。

まずは関係者数人でアイデア出しとアイデアの取りまとめをしながら、「小冊子」の内容を決めていきましょう。社内にはさまざまな知見やノウハウがあるはずです。ほんのちょっとしたノウハウでも、「小冊子」の題材になりますので、社員で気軽にアイデアを出し合ってみてください。

「小冊子」は、講演資料や営業のプレゼン資料とは異なり、読んでいただくことが目的になりますので、読んでわかる資料に仕上げなくてはなりません。過去の講演資料や営業プレゼン資料に説明のための文章を加えて「小冊子」を仕上げていきます。

つくった「小冊子」をPDFファイルに保存して自社のホームページに掲載します。ホームページに掲載しただけでは、誰にも気づかれないので、メルマガでその内容を届ける、ホームページのお知らせに追加する、広告やSNSで広める、などの活動が必要です。
時間が経てば、検索サイトにも表示されるかもしれません。


小冊子をお届けしたい人は誰か?


「小冊子」のよくある失敗例は、そのターゲットを細かく設定しないことです。
「小冊子」のターゲットを決める要素は、役職などの役割も重要ですが、それよりもその人の知識レベルだけを考えることが重要です。小冊子の目的は、そのテーマに関する知見、ノウハウ、データなどの情報を届けることで、そのテーマについて学んでいただくことです。学ぶことが目的である「小冊子」ゆえに、どんな知識レベルの人に、どのようなレベルの解説で「小冊子」を仕上げるかを決める必要があります。

法人の購買では、購買側の知識レベルが上がらないと、購買のプロセスが進まないことはよくあります。課題と感じていても、購買側の知識レベルが高まらないために、解決策としてあなたの商品を選択することができないのです。小さな金属部品の加工に課題を持っている企業があっても、その解決方法が、微細金属加工の領域なのか、素材の領域なのか、勘すら働かないため、課題は認識してもその解決策を導くに至らないのです。「小冊子」は、購買を進めるための知識を学ぶ上で、見込みのお客さまにとって役に立ちます。

そのため「小冊子」では、見込みのお客さまの知識のレベルでターゲットを分類します。

ある分野の商品すら知らない、つまり、当該分野の名前を聞いたことがある人には、その分野についての基本的な事項の解説や知見、ノウハウをお届けする、いわゆるノウハウ集もしくは解説本のような「小冊子」にします。
その分野の商品を知っているが、あなたの商品を知らない、もしくは名前程度しか知らない人には、あなたの商品の競争優位性につながるような調査データをお届けするのも良いでしょう。商品の紹介はある程度にとどめておくとしても、多少の商品紹介はあっても良いでしょう。

あなたの商品は知っていても使ったことがない人には、やはり導入事例の「小冊子」をお勧めします。導入事例を読んでいただくことで、あなたの用品を導入した結果どんな状態になるのかを導入事例を通じてイメージしてもらえるようになるからです。

お客さまはあなたの商品を買っているのではなく、その商品を導入した後のイメージを買っているのです。導入事例の「小冊子」で導入した後のイメージを理解することがお客さまの購買を促進する一つのきっかけになります。


図では、想定する見込みのお客さまの知識のレベルで分類をしました。基本的な分類だと思いますので、このままご活用いただければと思っています。


小冊子のための集客をする


完成した「小冊子」をPDF形式で自社のホームページに掲載します。自社のホームページに掲載しただけでは誰も見つけてくれませんので、まずは自社のメルマガで小冊子をつくったことをお知らせしてみましょう。

作成した小冊子をメルマガでお届けしても、新しい名刺情報を基本的には取ることができません(なかにはメルマガを社内で転送していただくことで、新しい名刺情報が取れることがあります。不思議です。)。メルマガで新しい小冊子をお知らせすることで、お客さまの反応を見ます。いつものメルマガよりも開封率やクリック率が高い場合には、お客さまの関心の高さが見受けられます。

同時にダウンロードしていただいたお客さまは、当該小冊子のターゲット像として考えても良いと思います。カテゴリすら知らないのか、カテゴリは知っているがあなたの商品を知らないだけなのか。このあたりが推測できるようになります。

反応が良かった小冊子は、オンライン広告などを通じての集客を検討しましょう。反応が良い小冊子は、オンライン広告をして十分な費用対効果が見込めるからです。まずは自社のホームページに掲載、メルマガで案内して反応を見る。反応が良いものはオンライン広告で新規開拓する。と、この流れになることを覚えてください。

さいごに

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